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北九州で大規模なパラ・パワーリフティング 大会開催。
世界的な強豪選手も参戦

2018/07/24

    日本パラ・パワーリフティング連盟(JPPF)は、9月8~12日に北九州芸術劇場で開催する「2018北九州 ワールドパラ・パワーリフティング アジア&オセアニア オープン選手権大会」(共催=日本障がい者スポーツ協会日本パラリンピック委員会、北九州市)の記者会見を、7月20日、東京・品川区の日本財団パラアリーナで行った。

    パラ・パワーリフティングは、下肢に障がいがある選手を対象としたベンチプレス競技で、1964年の東京パラリンピックで“ウェイトリフティング“の名称で正式種目に採用された。
    障がい別のクラス分けはなく、体重別で戦う。バーベルを胸まで下してから腕を伸ばして持ち上げるという、わずか数秒で決着するドラマチックな競技だ。
    健常者と障がい者に同じルールが適用される競技は珍しく、また同条件下で健常者の記録を超える世界記録が多く注目を集めている。
    同大会は、アジア、オセアニアのナンバーワン決定戦の位置付けで、参加31カ国、参加予定選手234人と、国際パラリンピック委員会(IPC)の地域選手権としては、史上最大規模になる。

    JPPFの吉田進理事長は「2020年パラリンピックの開催が東京に決まり、予行練習としての国際大会を考えていた。IPCの許可がスムーズに下り、北九州市が開催都市として名乗りを上げてくれたおかげで実現するに至った」と、経緯を説明。会場が体育施設ではなく芸術劇場で行われることについて「このスポーツはシンプルな競技だが、ショーアップすれば劇場での開催がふさわしい。2020パラリンピックは東京国際フォーラムでの開催なので、その準備の意味でも劇場で開催することにした」と、パラ・パワーリフティングが“魅せる”スポーツであると強調した。

    大会では、男子10クラス、女子10クラスの他、ジュニアクラスも設定され、リオ・パラリンピックのメダリスト27人を含む234人の選手が参加。日本からは29人が参戦する。
    記者会見には男子54キロ級の西崎哲男選手、男子88キロ級の大堂秀樹選手、ジュニア女子67キロ級の森崎可林選手、アテネと北京で金メダル、リオで銅メダルを獲得した台湾のリン・ツーフイ選手が出席した。
    リオ・パラリンピックに出場した経験を持つ西崎選手は「海外の大会では、時差や食事などを気にしなければならないが、自国開催は試合に集中できる。会場で、世界的な選手のパワーや迫力を感じてほしい」とコメント。リオ・パラリンピックで8位に入賞した大堂選手は、「リオではけがをしていたが、現在はびっくりするほどコンディションがいい。5年ぶりにベストを更新してメダルを取りたい」と意気込んだ。
    15歳で今大会最年少の森崎選手は「この競技が本当に好きだ。世界で活躍している選手の試技を見て、たくさんのものを吸収したい」と述べた。
    リン選手は「日本に来て合宿に参加することができ、本当にうれしい。日本は、障がい者用の素晴らしい施設があるなどトレーニング環境に恵まれている。この大会、そして東京パラリンピックでは金メダルを取りたい」とコメントした。

     大会では、2年後の東京パラリンピックへの出場を狙う日本選手の記録や、世界最強といわれるシアマンド・ラーマン選手(イラン)の300キロ超えへの期待、体重の3倍以上を挙げるル・バンコン選手(ベトナム)の活躍などに注目が集まる。

    公式サイト:
    http://jppf.jp/index/page/id/177