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スマホ聴取が増加中のラジオ!
最もラジオ好きの都道府県はどこ?

2018/09/06

ビデオリサーチではラジオ聴取に関するデータとして、首都圏・関西圏・中京圏において定期的に「ラジオ個人聴取率調査」を実施していますが、今回紹介する「J-RADIO」は各県ごとの日頃の聴取習慣や、生活者とラジオとの関係性を把握することが可能です。

ラジオを聴いているエリア第1位は、5年連続「沖縄県」!

本号では、第5回目の調査結果から注目のデータを紹介します。

最もラジオが聴かれているのは、今年も「沖縄県」となりました。2位以降には「岩手県」(前回3位)、「北海道」(前回9位)と「山梨県」(前回4位)、「埼玉県」(前回18位)と続きます。「沖縄県」を除く4県に大きな差はなく、聴取習慣率はほぼ横並びとなっています(図表1)。「沖縄県」は調査開始以来5年連続1位、「岩手県」は昨年を除くと5年のうち4年にわたって2位にランクインし続けており、特にこの2県は習慣的にラジオを聴く人が多いことが分かります。

では、「沖縄県」はなぜ聴取習慣率が高いのでしょうか。

ラジオは家の中や外だけでなく、自動車の中で活躍するメディアでもあります。そのため自動車を利用する頻度が高いほど、ラジオとの接触が高くなる可能性があります。そこで「沖縄県」の自動車の利用頻度を確認したところ、普段自動車を少しでも運転する人の中で「毎日運転する」のは、「全国」の47.7%に対して「沖縄県」は69.9%と、22.2ポイント高いということが分かりました(2017年「J-READ」結果から)。しかし、車の運転頻度については他エリアの方が高いケースも多く見られ、それだけが聴取率習慣の最も高い理由ではないようです。

少し角度を変えて「ラジオ媒体評価」を確認すると、「沖縄県」のラジオに対する評価が非常に高いことが分かりました。図表2は、「ラジオ媒体評価」の中で「全国」と「沖縄県」とのスコア差が高い上位5項目のグラフです。「沖縄県」では、「地域・地元」「世の中」「社会」の動きや出来事、「最新の情報」が分かる点において「全国」より評価が7~15ポイント前後高く、「普段の生活に欠かせない」メディアとなっているようです。

また、ラジオを聴いた後の「行動・レスポンス」にもつながっています(図表3)。「地元の催し・イベントに行った」「番組で生中継されたお店に行った」など、ラジオを聴くことにより「地元情報」が認知されアクションへとつながる割合が、「全国」と比べると「沖縄県」は5~11ポイント前後高いことが分かります。

さらに、これら「ラジオ媒体評価」と「ラジオを聴いての行動・レスポンス」のスコアは、47都道府県中のランキングで見ると、多くの項目において「沖縄県」は1位でした。これらのことからも、世の中的な情報だけでなく地元の情報が特に重宝され、ラジオが生活に根付いたメディアであることが、「沖縄県」において聴取習慣率が高い要因となっていると考えられます。

スマホでラジオを聴く人が多いのは「東京都」

近年のトレンドとして、インターネット経由でのラジオ聴取が伸びていることが挙げられます(図表4)。

その中でも特に上昇率が高いのが、「スマートフォン」(以下「スマホ」)による聴取です。2017年の結果はリスナーベース※で19.9%、14年と比べると7.3ポイント上昇しており、スマホでの聴取習慣が少しずつ定着してきている様子がうかがえます。

そこで「スマホ」によるラジオ聴取についてリスナーベースで詳細を見てみました。

※リスナーベース:1週間のうち少しでもラジオを聴いた人

まず2017年のデータを年代別でみると、「スマホ」によるラジオ聴取が最も高いのは15~19歳の49.6%で、実にリスナーの半数が「スマホ」でラジオを聴いていることが分かります(図表5)。次いで20代の37.4%、30代の27.1%となっており、現状は若い世代ほど「スマホ」による聴取が多いようです。また、14年と比べると、上昇ポイントが最も高いのは15~19歳で15.2ポイントアップしています。30代~50代もそれぞれ8~9ポイント程度アップしています。

次に、エリア別でみると、「スマホ」による聴取が最も多いのは「東京都」で30.8%。以降は「神奈川県」が28.4%、「奈良県」が25.1%、「大阪府」が23.2%、「福岡県」が22.7%と、都市部が上位を占めていることが分かります(図表6)。

「スマホ」による聴取が多い上位5エリア(東京都・神奈川県・奈良県・大阪府・福岡県をグループ化)の「スマホ」との関わりについて確認すると、「スマホ所有」状況は「全国」が74.6%に対して「上位5エリア」は78.1%、過去1年間に「スマホ」でインターネットを利用したのは「全国」が69.4%に対して「上位5エリア」は74.0%と、「上位5エリア」がやや高めです(図表7)。

また交通手段としては、地方エリアでは自動車がメインで利用されるのに対して都市部では電車が多く利用されるため、電車の利用状況を見てみました。そうすると、電車を「週に4日以上」利用している人の割合は、「全国」の20.8%に対して、「上位5エリア」は36.2%であり、15.4ポイントの差が見られました(図表8)。

都市部においては、「スマホ」がより身近なツールであるために「スマホ」によるラジオ聴取が高いことが要因として挙げられ、また電車利用者が多いことからも、乗車中にアプリを利用してラジオを聴取している人が地方エリアより多い可能性があると考えられそうです。

日本で最もラジオを聴いているエリアは「沖縄県」や「岩手県」といった地方エリアでしたが、一方の都市部では、若い人を中心として「スマホ」でラジオを聴く習慣のある人が多く、さらには年代を超えて「スマホ」による聴取は増えており、ラジオの新しい聴取スタイルが浸透していることがうかがえます。


調査内容
調査項目  日頃のラジオを聞く時間帯<ラジオ聴取習慣率>
調査対象局 各県別の民放AM局、民放FM局、NHK第1、NHK-FM
※調査は、J-READ(全国新聞総合調査)の付帯調査として実施した。

 

J-READ調査概要
調査地区  全国47都道府県
調査対象者 調査時に満15歳~69歳の男女個人
有効標本数 合計28,808人
標本抽出法 調査エリアごとのRDD (ランダム・デジット・ダイヤリング)により
      調査対象者を抽出し、調査協力を依頼
      ※RDD・・・電話番号を無作為に発番させ自動的にダイヤルし調査をする手法
調査方法  郵送調査
調査時期  2017年10月