グローバル化ってなんだろう?No.6
シリコンバレーってどんなとこ?
2014/01/15
前回、前々回と2回にわたって、起業家精神について書いてきました。
では、 どんなところで起業家が育っているのでしょうか。
10月にスクールトリップで 行ったシリコンバレーは、アメリカの西海岸にあるスタートアップの聖地。GoogleやFacebookの本社もこのエリアにあり、アメリカの中でも起業家精神にあふれた、独特の雰囲気を醸し出しています。
今回は、そのトリップ中に訪問したいくつかの面白い企業や組織を紹介させていただきます。
■500 Startups
(http://500.co/)
できたばかりのスタートアップや魅力的なビジネスアイデアを持つチームに対して、ビジネスの成功を助けるアクセラレータープログラムを提供する組織。選考に通ったチームには、投資だけでなく、メンター制度や共通のオフィススペースが提供されます。
共通のオフィススペースでは各チームがアイデアをお互いにプレゼンしながら、刺激し合ってビジネスを育てています。
イベントやパーティーも充実していて、人脈を広げるためにも最高の環境です。
■Chartboost
(https://www.chartboost.com/)
「シリコンバレーで一番成功しているスペインのスタートアップ」と言われている、ゲームアプリケーションに特化した広告会社。
今、シリコンバレーではゲームアプリが大ブームです。
そんな中、Chartboostはゲーム開発者のためのプラットフォームを作り、「広告枠の物々交換」という無料サービスを提供しました。そうすることでネットワークを拡大し、そのうえで有料の広告ネットワークをサービス化して、一気に顧客数と売上を伸ばした企業です。
「顧客にとって本当にいいことをしていれば、自然に市場は大きくなる」と言っていたのが印象的でした。
■Plug and Play Tech Center
(http://plugandplaytechcenter.com/)
大企業がスタートアップに投資をする時には、「どのスタートアップを選べばいいのか」というのが大きな問題になります。
この組織はテクノロジー系の企業に対してアクセラレータープログラムを提供するだけでなく、目利き役としてスタートアップと大企業をつなげる機能も持っています。
日本企業も含む数多くの大企業がスポンサーとなっていて、定期的に魅力的なスタートアップを探しにここを訪れています。
このように、シリコンバレーでは起業家とそれをサポートする仕組みが同じエリアに集まっています。この独自性が新たな起業家や投資家を引き付け、更に新しいビジネスが生まれていくというエコシステムになっていて、ものすごく魅力的な場所だと感じました。
一方で、多くの投資家が「ビジネスはグローバルであるべきだが、オフィスはシリコンバレーになければいけない」と言っていて、やっぱりアメリカのための場所だと感じたのも正直なところです。
日本にもこんな場所があれば、もっと起業家が活躍できる機会が増えるかもしれませんね。
さて、10月から書いてきたこのコラムも、今回で最終回です。
「グローバル化って何だろう?」というテーマで書いてきましたが、私がこの留学生活で感じたグローバル化は、「相手との違いを知って、自分の価値を見つけて、それを伝える」ということでした。
そのためには、Diversityに実際に触れてみることがものすごく大切だと思います。
単に国籍だけじゃなくて、世代や業種も含め、様々な「違い」を知ることで初めて、自分の本質的な価値とその伝え方が見えてくるのが大きな発見でした。
そういう意味で今の電通はDiversityの塊なので、組織の形だけではなく、Diversityが定期的に交流する仕組みや雰囲気作りといった、働き方のデザインがすごく大切なんじゃないかと思っています。
「日本」という点では、外国人にとっての日本のイメージが、よっぽどの日本好きでない限り、伝統文化や高度経済成長期からあまりアップデートされていないことが悔しかったです。
2020年の東京オリンピックまでの6年間は、「新しい日本」を世界に発信していく最高の機会だと思いますので、社内外の色々な人と一緒に、面白い仕事を作っていくことを楽しみにしています。
短い間でしたがお付き合いいただき、ありがとうございました。