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電通ギャルラボの「#女子タグ」マーケティングとは?

ジャンル別イノベーターの時代 №1

  • 阿佐見 綾香

2018/11/06

電通ギャルラボの「#女子タグ」マーケティングとは?

今や情報も商品やサービスも、簡単に手に入るものが増え、個人でも情報発信や商売ができるようになりました。消費者の目は肥えてきており、うそも見破られる時代の中で、消費者の「妥協しない」傾向がこれからも進行することは想像に難くないでしょう。

そんな時代にものを売るためには、「価値のある商品」をつくることはもちろんのこと、それだけではなく「信頼できる情報を持っている」と信じられている情報発信者に商品を伝え広めてもらう必要があります。

女性の消費研究を進める電通ギャルラボ(以下、ギャルラボ)では、「同じものに興味を引かれる人」「同じ特徴を持っている人」「同じ経験をしている人」「同じものに参加している人」にSNSのハッシュタグのように「タグ」をつけて可視化する「#女子タグ」を開発しました。そして、「#女子タグ」を持つ人の中で、あるジャンルに対してオタク的ともいえる深い知識や情報を持っている人を「ジャンル別イノベーター」とし、注目しています。

なぜギャルラボは「#女子タグ」をつくったのか。マーケティングに「ジャンル別イノベーター」をどう活用していくのか。本連載では、ギャルラボオリジナルのジャンル別イノベーターマーケティングについて解説します!

ジャンル別イノベーターを見いだす「#女子タグ」とは?

ギャルラボは、いくつかの調査を経て、2017年に関東エリア12~39歳女性1151人に対してインサイト発見のためのd-campX調査を実施。その回答をジャンルごとに合計117個の#女子タグに分類しました。そのうち、女子にありがちなジャンルでオタク的ともいえる深い知識や情報を持っている「#ジャンル別イノベータータグ」を36個、イマドキ女子の行動傾向やトレンドを表す「#イマドキ女子タグ」を81個つくりました。

タグ

中でも「#ジャンル別イノベータータグ」を持っている人を、私たちは「ジャンル別イノベーター」と定義して注目しています。そのジャンルに普通の人以上に詳しい、人に聞かれたり相談されたりしたら答えられるなど、「好き・はまっている・人より詳しい」と自認する人があてはまります。

36個の「#ジャンル別イノベータータグ」36個の「#ジャンル別イノベータータグ」

注目すべきは、調査対象の81.8%が、いずれかの#ジャンル別イノベータータグを持っており、その数は平均5.1個にのぼることです。このことから、ジャンル別イノベーターの多くは、複数ジャンルにおいてオタク的資質を持ち合わせているといえます。

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とはいえ、各分野に対する情報保有量や好き度合いなどの「オタク的資質」がどのくらい深いのか、については人それぞれ異なります。

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ひとりの人の中には、多面的な資質や趣向が共存しています。派手なファッションに身を包んだ女子が、日ごろのコミュニケーション過多な生活の反動で、自宅でひとりの世界に没頭できるゲームやアニメなどに消費することは決して珍しくありません。渋谷で夏に着る水着を買った女子が帰りに政治を語っていたりもするのです。

「#女子タグ」視点で捉えることで、見た目が違っていても同じタグを持つ「マインドが同じ人たち」を一つのグループとして捉え、そこにマーケットを見いだすことが可能になるのです。

消費者の変化に適応する「#女子タグ」マーケティング

多様化を推進する時代の流れとSNSの普及により、生活者の意思決定プロセスが変化していく中では、企業のマーケティング活動をより進化させることが求められます。

インターネットで多様な個性が可視化され、ネットがない世界では互いの存在を知ることのなかった人たちがバーチャルでつながるようになりました。個人やマイノリティー同士がつながっていきコミュニティーが可視化されると、需要も可視化され、企業も個人も新しい物やサービスを提供しやすくなります。結果として物やサービスの選択肢が増えていきます。情報も仲間も商品やサービスも手に入るようになった環境の中で、誰もが自分の好きなものを選び、好きな生き方を選び、好きを突き詰めやすい時代が到来しています。

選択肢が少ないときは、妥協することもありましたが、選択肢が多くなり、妥協しなくてすむようになりました。消費者の意思決定プロセスは、「これでいい」から「これがいい」へと変化していき、より妥協しない傾向が強くなってきているということです。

イラストイラスト

マーケティングのターゲットを「ギャル系女子」「オタク系女子」・・・などのように五~六つのセグメントでざっくりと分類すると、その実像は見えなくなります。

ターゲットを把握するためには#女子タグ視点で捉えることが有効で、これにより、女性たちの特徴や興味、行動パターンなどを細かく分類することができるのです。そして、新しいビジネスチャンスはその重なりにあります。

「同じものに興味を引かれる人」「同じ経験をしている人」などの特徴を見ると、同じタグに反応する人同士に共通するこだわりの世界観が分かります。SNSで「#旅行」の投稿に対して反応するグループと、「#ネイル」の投稿に対して反応するグループは顔ぶれが異なったり重なったりしています。そのグループごとにどのような#女子タグを持っているかという視点で世界観を見るということが重要です。

女性がSNSを中心に自己表現する場が増えている現代、彼女らがジャンル別に発信する個性は可視化されています。多くの人がSNSで情報を収集し、それぞれのジャンルを突きつめている存在が誰なのか?誰が一番信頼できる情報を持っているのか?ジャンル別に情報源として適切だと思われる人を押さえています。

そして、ジャンル別イノベーターが購入しているものを後追いで購入する人が増えています。従来と異なるのは、おすすめしているものではなく「購入している」ものが見られているという点です。本当に良いものが分かるのは、普段そのジャンルの商品・サービスを頻繁に購入・利用している人だということをみんなが知っている今、ジャンル別イノベーターが何を買ったかを知ることが、信用できる情報を手に入れる最も手軽で確度が高い手段だということに行き着いたのでしょう。

つまり、ジャンル別イノベーターは、そのジャンルの市場を動かすカギを担っている人であるといえます。ジャンル別イノベーターは市場の形成において今後ますます存在感を増していきそうです。

第1回は、時代背景から読み解き、なぜ1人の女性を一つのクラスターでとらえるのではなく、複数の「#女子タグ」でとらえる視点が必要なのか、なぜ「ジャンル別イノベーター」に注目することが必要なのかについて解説しました。

次回は、ジャンル別イノベーターを活用したマーケティングやコミュニケーションについてご説明します。


<調査概要>
・調査名:電通ギャルラボ「#女子タグ」発掘のための女子大生調査
・調査機関:企画=電通、実査=ユーキャンパス
・調査対象:サークルアップに登録する全国の大学生1~4年生、女性1000人
・調査手法:サークルアップによるウェブ回答
・調査実施期間:2016年6月8~11日
 
・調査名:電通ギャルラボ「第1回#女子タグ調査2016」
・調査機関:企画=電通、実査=グローバルユーティリティ
・調査対象:全国の15~34歳女性700人
・調査手法:インターネット調査
・調査実施期間:2016年7月1~5日
 
・調査名:「電通d-campX調査」搭載の電通ギャルラボ「第2回#女子タグ調査2017」
・調査機関:企画=電通、実査=ビデオリサーチ
・調査対象:
ビデオリサーチACR/exパネル
東京50キロ圏の女性12~59歳個人(無作為抽出)
2274サンプル(有効回答2125サンプル)
※本文中のデータは、12~39歳個人1151サンプル(有効回答2125サンプル)
実際には12~59歳まで調査しています。
・調査手法:専用タブレット端末貸与による電子調査票方式
・調査実施期間:2017年6月2~18日
 
d-campXは、電通が独自に開発したインサイト発見のための定量的なデータベースです。今回の調査データや「#女子タグ」も搭載されており、マーケティングやプランニング、商品開発などにも活用されています。ギャルラボの「#女子タグ調査」は2017年春夏の関東圏パネルに対する調査実施に加え、2018年は秋冬に実施予定。今後も更新していく予定です。

ロゴ
電通ギャルラボ
2010年3月設立。
若い女の子を中心とする女性たちのパワーを活用し、企業だけでなく社会の活性化までを目指すガールズプランニングチームです。
さまざまな角度からの子たちのインサイト、情報行動などの環境分析を実施し、マーケティング戦略からソリューション提案、アウトプット制作、商品・事業開発、コンサルティングまで、幅広い事業領域でプランニングします。
 
電通ギャルラボの「ギャル」はパワフルな女性を表現する言葉。私たちが注目しているのは、見た目だけではなく、内面から輝けるパワーを秘めている女の子たちです。
彼女たちは新しいブームの火付け役となるだけでなく、日本経済を底上げし、さらにはこれからの世界を変えるキーファクターとなる存在。
彼女たちのパワーを引き出し、日本を、そして世界を元気にすることが私たちの目的です。