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月面探査プログラム「HAKUTO-R」
パートナーを発表

2019/02/26

    民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」に取り組むispace(https://ispace-inc.com/jpn/)は2月22日、コーポレートパートナーの記者発表会を、東京・港区の六本木ヒルズで行った。

    同社は、2007~18年に行われた、民間による最初の月面無人探査を競うレース「Google Lunar XPRIZE」に日本のチーム「HAKUTO」として参加した。ローバー(月面探査ロボット)を開発しレースに臨んだが、他チームのランダー(着陸船)開発とロケット契約が成立することを前提としたことで自力での月輸送ができず、2018年3月をもってレースへの挑戦を終了。レース自体も、全チームが期限内の打ち上げを達成できず、勝者なしで終了した。

    その後ispaceは、18年9月に新たな月面探査プログラム「HAKUTO-R」を発表した。ネーミングの“R”には、「Reboot」(再起動)の思いを込めたという。

    プログラムのミッションは二つ。一つは、日本初、民間主導でランダーを月周回軌道へと投入し、月のデータを地球へ届けるデモミッションで、月の情報取得と地球と月の間の輸送サービス構築に向けた技術検証を行う。(2020年) 
    二つ目は、ランダーで月面に着陸し、搭載したローバーでの月面走行を目指す。顧客の荷物を月へ運び、月面のデータを地球へ届けるデモミッションを行う。(2021年)
    両ミッションに向け、米国・スペースXと打ち上げ契約を締結した。

    発表会の冒頭、袴田武史代表は「今年は、アポロ11号の月面着陸50周年という記念すべき年だ。そしてまさに本日、JAXAの小惑星探査機・はやぶさ2が、小惑星・リュウグウへの着陸に成功し、イスラエルの民間団体が開発した月面探査機の打ち上げが成功した。こうしたエキサイティングなタイミングで新しいパートナーを発表できるのはうれしい」とあいさつした。

    中村貴裕COOは、“宇宙資源を起点とした、新しい産業の創出”が同社の目的だとして、それを支援してもらうパートーナー3社を紹介した。

    ステージには、日本航空の執行役員・下條貴弘氏、三井住友海上火災保険の常務執行役員・能城功氏、日本特殊陶業の取締役・小島多喜男氏が登壇し、それぞれの協業内容についてプレゼンテーションを行った。

    日本航空は、成田のエンジンセンターでの、ランダー組み立てについての技術支援とともに、ランダーとローバーの輸送支援を行う。

    三井住友海上火災保険は、同プログラムやその後の事業に伴う新たなリスクに対して、保険商品の設計や提供を含むさまざまな支援を行う。

    日本特殊陶業は、全固体電池の分野で技術協業を行い、同社が開発する電池を21年のミッションにペイロードとして搭載し、月面での技術実証実験を行う。
    中村COOは「3社の協力で、月面探査のミッションを必ず成功させたい」と述べた。

    ispaceは、最先端のテクノロジーカルチャーを実験的なアプローチで都市実装するリアルショーケース「Media Ambition Tokyo」(六本木ヒルズ展望台東京シティビューで3月3日まで)に実寸大のランダーとローバーを出展している

    HAKUTO-Rサイト:
    https://ispace-inc.com/jpn/hakuto-r/