ispace、月着陸船順調に航行中、1月に打ち上げ成功 「HAKUTO-R」ミッション2
2025/04/01
月面資源開発に取り組む宇宙スタートアップ企業ispaceが、月面探査プログラム「HAKUTO-R」のMission 2 “SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON”(ミッション2)として、1月に打ち上げに成功した「RESILIENCE(レジリエンス)」ランダー(月着陸船)は、現在順調に航行を続けている。最短6月6日(金)午前4時24分(日本時間)に月に到着する予定(※1)。日本の民間企業初の月面着陸を目指す。
※1 2025年3月時点の想定

1月15日にスペースXの「ファルコン9」ロケットにより米フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられたRESILIENCEランダーは、ロケットから分離された後、管制室との通信、姿勢の安定、軌道上での安定した電源供給を次々に確立。予定の軌道に投入された。

2022年のミッション1に続く打ち上げ成功を受け、袴田武史 ispace代表取締役CEO & Founder は「RESILIENCEは深宇宙と月に向けて2度目の旅を開始しました。これは、ispaceがシスルナ(※2)経済圏を構築し、お客さまのペイロード(※3)を月面に輸送するサービスを提供するための、新たな章の始まりを意味します。」とコメントした。
※2 地球と月の間の空間
※3 着陸船またはローバーに搭載可能な貨物
さらに、2月15日には、RESILIENCEランダーは月表面から高度約8400キロメートルの地点を通過、これにより民間企業による商業用の月着陸船としては史上初となる「月フライバイ」に成功した。

月フライバイは、ispaceが目指す低エネルギー遷移軌道による深宇宙航行に移行するために重要なマイルストーンであり、目標通過点に対して数十キロの範囲にランダーを通過させるため、精密な軌道計画と運用が求められるが、ミッション1で得た軌道制御の経験と実績により、無事に成功した。

今後RESILIENCEランダーは予定通り低エネルギー遷移軌道を使って深宇宙を航行し、その後、太陽の重力を使って、5月6日頃に月重力圏に到達し、月周回軌道投入を行う予定。
また、ispaceは1月のRESILIENCEランダーの打ち上げにあわせて、プロモーション映像「日本を、失敗できない国にしない。」を制作。YouTube広告、TVer広告、シネアド広告、Xトレンド面ジャックで公開した。プロモーション映像では、ミッション1での月面着陸失敗で得られたデータやノウハウがミッション2に生かされていることを踏まえ、失敗を恐れずに挑戦することの大切さを訴えた。

HAKUTO-Rサイト:https://ispace-inc.com/jpn/m2
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