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民間月面探査プログラムHAKUTO-R ミッション1、遂に打ち上げ成功。順調に航行

2022/12/23

    日本の宇宙スタートアップ企業ispaceによる民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション1の月着陸船(ランダー)が、12月11日16時38分(日本時間、以下同)に打ち上げられた。民間初の月面着陸を目指し、順調に航行を始めている。来年4月末ごろに月面への着陸を目指しており、これが成功すれば、民間機として世界初の月面着陸となる見込み。

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    月着陸船は米・フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から打ち上げられた(提供:ispaceリリース)

    同社の袴田武史代表取締役 CEO&Founderは打ち上げ後、「間近でみて、非常に美しい打ち上げでした。民間で初めて商業的に月のミッションをするフライトであり、このような世界をリードする立場に立てていることを非常に嬉しく思いますし、成し遂げたispaceのチームを誇りに思います。」と喜びを語った。

    この月着陸計画はispaceによる民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」の「ミッション1」に位置づけられている。「ミッション1」では、着陸技術の検証とともに、信頼性の高い月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化も目指している。打ち上げられたランダーには月面輸送サービスの検証のため、7つの顧客の荷物(ペイロード)が搭載されている。

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    14日には宇宙空間においてランダーに搭載したカメラでの撮影、データ取得に成功したことを発表。また、ペイロードのひとつであるCanadensys社のカメラが撮影した画像の取得にも成功した。

    15日には「ミッション1」のマイルストーンの第四段階である「Success4」、16日には第三段階である「Success3」が完了し、順調な航行を続けている。

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    ランダーがロケットから分離した後約19時間後、遠ざかる地球をispaceのカメラが捉えた画像。三日月のように見える物体は地球。
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    ランダーがロケットから分離した後約2分後に、地球と、分離されたロケットをCanadensys社のカメラが捉えた画像。

    「HAKUTO-R」では、2024年打ち上げ予定の「ミッション2」ではローバーによる月面探査を行い、「ミッション3」では月面着陸や輸送の精度を高めてNASAの「アルテミス計画」にも貢献する計画だ。

    ※年号は全て2022年12月時点の想定
     

    ■ ミッション1マイルストーン詳細
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    ispace公式サイト:https://ispace-inc.com/jpn/


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