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もうホリエモンロケットと呼ばないでください。「みんなのロケットパートナーズ」始動

    2019/03/27

    もうホリエモンロケットと呼ばないでください。「みんなのロケットパートナーズ」始動

    鏡開き

    日本初の民間観測ロケット「MOMO」の打ち上げに取り組むインターステラテクノロジズ(IST)は3月19日、事業戦略発表会を東京・中央区のX-NIHONBASHIで行った。

    発表会では、MOMO3号機のスポンサーが決定したことに加え、宇宙輸送事業を実現するために不可欠な低コスト衛星軌道投入ロケット「ZERO」初号機の開発と、同事業の法人サポーターズクラブ「みんなのロケットパートナーズ」の始動が伝えられた。

    みんなのロケットパートナーズ

    発表会冒頭、ISTのファウンダー堀江貴文氏と、社長の稲川貴大氏が登場。2018年に打ち上げ失敗となったMOMO2号機の検証結果と、3号機の現況を報告した。

    失敗の原因究明と対策実施には、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や元三菱重工の有識者も参加。その後、実際にロケットを飛ばせる状態での「縦吹き燃焼実験」に成功したと稲川代表は述べ、実験映像を公開した。

     

    続いてMOMO3号機のスポンサーとして、同機の命名権を購入した実業家の丹下大氏が登壇。「僕の前の世代を代表する産業は自動車だった。僕らの世代の産業はIT。そして僕の息子の世代は宇宙産業の時代が来ると思っている。息子の世代に橋渡しできたら」と、宇宙産業への期待を語った。氏によって3号機は「宇宙品質にシフト MOMO3号機」と命名された。

    次に「ひふみ投信」で知られるレオス・キャピタルワークスの藤野英人社長が登壇。MOMO2号機に続いてのスポンサーシップについて、「2号機の打ち上げのとき、招待された小学校低学年の男の子が一緒に見ていた。その子はロケットの絵を描いて楽しみにしていたが、ロケットが落ちて爆発するところを見てわんわん泣いていた。その子にMOMOが宇宙に行く瞬間を見せてあげたい」と希望を語った。

    MOMO3号機スポンサー
    左から堀江氏、丹下氏、藤野氏、稲川氏

    二つ目の発表は、衛星軌道投入ロケットZEROと、このプロジェクトを支える法人サポーターズクラブの、みんなのロケットパートナーズだ。

    堀江氏によれば、ZEROはMOMOと並行して開発が進んでいた軌道投入ロケットで、打ち上げにはMOMOの約30倍ものエネルギーが必要だという。その目指すところは、小型衛星を低価格で打ち上げるためのいわば“インフラ”だ。

    堀江氏は小型衛星打ち上げ市場について、「僕はもともとIT企業の経営者で、まだインターネット回線が遅くて高かった時代にIT市場の可能性を信じて頑張っていたが、当時はこんな遅くて高い回線は使い物にならないと言われていた。小型衛星の市場は、当時のIT市場と似ている」と可能性を語り、さらに「そこでボトルネックになる衛星の打ち上げコストを1桁、2桁と下げることで、いろんなアイデアを持っている人たちに簡単に利用してもらえるようになればいい」とZERO開発の意義を述べた。

    ZEROとMOMO
    会場に展示されていたZERO(左)とMOMOの縮小版モックアップ。MOMOよりもはるかに多くのエネルギーを必要とするZEROは、機体のサイズもかなり大きいものとなる

    稲川氏はZEROの計画について「2022年から23年に初号機を打ち上げ、そこからすぐに量産化したい」と意気込みを語り、さらに「ターボポンプという部品が不可欠で、軽量化についても高い技術力と知見が必要になる。そうした難易度の高いZEROを開発するには1社単独では難しいという考えから、みんなのロケットパートナーズの発足に至った」と、法人パートナー組織発足の経緯を説明した。

    これを受けて「ドラゴン桜」「宇宙兄弟」といった漫画を世に送り出した編集者であるコルク代表の佐渡島庸平氏が登壇した。佐渡島氏はFC今治オーナーの岡田武史氏、宇宙飛行士の山崎直子氏とともにみんなのロケットパートナーズの発起人を務める。

    佐渡島氏は、堀江氏がかつてIT事業を手掛けた理由である「インフラをつくりたかった」を受けて、「堀江さんはインターネットと同じように、宇宙のインフラが整えば自分では想像できないような事業がたくさん生まれると考えている。その人たちをサポートするために格安でロケットを飛ばすんだと。そんな堀江さんの精神を尊敬するし、応援したい」とエールを送った。

    さらに立ち上げ時パートナーとして参加する丸紅、北海道大樹町、レオス・キャピタルワークス、日本創生投資、キャステム、ユーグレナ、バスキュール、JAXAといった各企業・団体からも、みんなのロケットパートナーズへの思いと意気込みが次々と語られた。

     

    ZEROの搬入イメージ
    ZEROの搬入イメージ

    最後に、発起人の一人であるFC今治オーナー・元サッカー日本代表監督の岡田武史氏が堀江氏と対談を行った。

    岡田氏は、自身もサッカークラブのオーナーとなり、夢を語って資金を集める苦労をしている立場から、堀江氏への共感を表明。「答えが分かっていて、ある程度利益も見えているようなのは面白くない。僕も堀江さんも、もうけようとかいうことじゃなく、新しいことにチャレンジしているからわくわくしていられる」と、ISTの取り組みを称賛した。

    また、堀江氏について「生きていくだけなら生きていけるのに、何があるか分からない領域にチャレンジを続けているところが好き。こういう姿勢がこれからの世界や社会に必要ではないか」とメディアに問い掛け、「今日、控室で堀江さんの夢を応援しようよと、パートナー企業のみんなで言っていた。多くの人にその夢を支援してもらえるような活動にならないかなと思って応援団を引き受けた」と述べた。

    堀江氏と岡田氏の熱のこもった宇宙トークが展開された
    堀江氏と岡田氏の熱のこもった宇宙トークが展開された

    なお、発表会と同時に発起人一同名義で発信された「日本からロケットが次々打ち上がる未来を作るために」という声明文では、アメリカとも欧州とも違う日本ならではの宇宙産業を構築するために、多くの企業へパートナーとして参加してほしいと呼びかけ、最後に「もう、ホリエモンロケットと呼ばないでください。ISTのロケットは、今日から、みんなのロケットになります」と高らかに宣言した。

    みんなのロケットパートナーズ 声明文
    http://www.istellartech.com/minroke