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「東北ユースオーケストラ演奏会」 坂本代表が、2020年に曲作りを決意

    2019/04/02

    「東北ユースオーケストラ演奏会」
    坂本代表が、2020年に曲作りを決意

    東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)の小学生から大学生が楽団員として活動している「東北ユースオーケストラ」は3月31日、新宿区の東京オペラシティコンサートホールで演奏会(協賛=JA共済連、富士ゼロックスアドバンストテクノロジー、山田養蜂場 協力=東京フィルハーモニー交響楽団、ヤマハミュージックジャパン、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、ソニービデオ&サウンドプロダクツ、電通パブリックリレーションズ、楽器専門店ブリリアント)を開催した。

    2013年に宮城・松島町で開催された音楽祭「Lucerne Festival ARK NOVA 松島 2013」をきっかけに結成された同オーケストラは、被災地の学校で楽器の点検管理や音楽活動の支援を行ってきた「子どもの音楽再生基金」の発起人で、世界的な音楽家・坂本龍一さんが代表・監督としてプロデュース。音楽を通じて東北の子どもたちの成長を応援しながら被災地の復興を後押ししてきた。

    16年に始まった同演奏会は今年で4年目を迎える。
    指揮は旧ユーゴスラビアを中心に活動している栁澤寿男さんが務め、東京公演の前日には盛岡でも演奏会を行い、同オーケストラの地元3県での公演が一巡した。

    冒頭、ステージに立った坂本さんは「4回目の公演だが、これからもずっと続けていきたい。被災県のユースという立場に甘んじることなく、よりレベルの高い音楽を目指す」と意気込みを語った。

    昨年の演奏会終了後も指導を続けてきた栁澤さんは、「あっという間の1年だった。昨日の盛岡公演をとり上げた新聞記事に“東北の誇り”の文字を見つけてうれしくなった。今日で卒団する団員もいるが、坂本監督の下、一丸となって頑張りたい」と話した。

    団員107人による演奏曲は、坂本さんもピアノで参加した「Blu」や東北地方の民謡をメドレーにアレンジした「Three TOHOKU Songs」などアンコールを含む全10曲。演奏時間が40分と長く、特に難易度の高いブラームスの「交響曲第2番」もあり、観客から盛大な拍手を受けた。

    また、同オーケストラでは初となる、委嘱作品「くぐいの空」では、作曲者の仁科彩さんが登壇し、「“くぐい”は白鳥を意味する方言で、東北では季節を知らせてくれる鳥。一般的なクラシックに登場する白鳥とは違って、このオーケストラの皆さんをイメージして、食いしん坊で仲良しの白鳥を思い描いた。そして、笑顔がサンサンと輝く東北であってほしいという願いを込めた」と曲のコセンプトを語った。

    女優の吉永小百合さんは、石川啄木の「飛行機」や宮沢賢治の「作品1004番」、葛西美枝子の「旅」など東北出身の詩人による五つの詩を朗読した。坂本さんと力強い握手を交わし「またこうしてご一緒できてうれしい。長田弘さんの詩『大きな木』は、坂本さんを詠んだものだと思う」と笑みを見せると、会場から大きな拍手が起きた。また演奏についても「オーケストラの皆さんは、着実に進歩している。特に『交響曲第2番』は東北でつらい思いをしている人に勇気を与える曲だ」と称賛した。

    演奏終了後、栁澤さんは「とてもいい機会をもらっている。東北の誇りと言われるようなオーケストラとして成長していきたい」と話し、坂本さんは目を潤ませながら「それを聞くと涙が出てしまう」と小さく口を開いた。
    また、2020年に向けて「この活動を始めた当初から書き下ろし曲を作るつもりだった。もうこれ以上遅らせられないというプレッシャーを感じているので、オーケストラのために曲を書きます」と宣言した。

     2020年3月に東京と福島で行われる演奏会では、坂本さんが作った曲の初演に加え、3.11以降、日本で発生した自然災害の被災地をつなぐ合唱曲という意味を込め、ベートーヴェンの交響曲第9番を演奏する予定だという。

    公式サイト:
    http://tohoku-youth-orchestra.org/