グリーン・イズ・ザ・ニューブラック&電通シンガポール、アースデイ(地球の日)にプラスチック汚染の啓発動画『プラスチック塩』を発表
2019/06/24
グリーン・イズ・ザ・ニューブラック※1と電通シンガポールは、世界の塩の90%がマイクロプラスチックを含んでいるという深刻な危機に焦点を当て、4月22日のアースデイに共同制作動画『プラスチック塩』を発表した。
動画タイトルであるプラスチック塩とは、プラスチックにより汚染された海からできる塩のことを意味する造語だ。日常さりげなく使用したストローやビニール袋などのプラスチック製品が海に流れ、溶け込むことで、塩もプラスチックによる汚染の影響を受ける。そして、その塩は自分たちの食事の中で再消費されているという事実を動画では訴えた。人々のプラスチック使用に対して疑問を投げ掛け、意識改革を図ることを目的としている。
また、再利用プラスチックを3Dプリントし、ペットボトルやストローなどのミニチュアオブジェクトを製作。それを塩の代わりに卓上ソルトミルに入れ、シンガポール国内のレストランなどのテーブルに置いたときの消費者の反応も映像に残した。
グリーン・イズ・ザ・ニューブラックと電通シンガポールは、一人一人が日々の生活にわずかな変化をもたらすことで、次世代のため地球を救うことができるという認識「#リトル・グリーン・ステップ」※2で一致。アースデイは、その認識を高め、汚染と闘う絶好の機会となった。
グリーン・イズ・ザ・ニューブラック共同創設者Paula Miquelis氏は、「人々は一見、プラスチック汚染を非常に懸念しているように見えますが、言っていることと実際の行動に矛盾があります。皆、単に演じているだけなのです。そもそもすべての人がプラスチックを拒否すれば、大きな違いが生まれたはずです。私たちは可能な限り、この問題への認識を高める支援を行う必要があり、より迅速にかつ多くの人々を教育する必要があります」と述べた。
さらに、もう一人の共同創設者Stephanie Dickson氏は、「毎年800万トンのプラスチックが世界の海洋に侵入しており、今後10年間で倍増すると予想されています。2050年までに、海洋には魚よりもプラスチックの重量が多くなるといわれています。シンガポールのFinal Straw※3 と Cyan Project※4の研究によると、シンガポールの人々は1日220万本ものストローを使用し、その量はシンガポールの沿岸線を2周以上する長さになるそうです。問題は、ほとんどの人々が、これを日常生活に関連付けられていないことです。動画『プラスチック塩』は、この問題がどれほど深刻なものなのかを“毎日プラスチックを食べている”という、単純だが強力なアイデアで訴えています」と付け加えた。
電通イージス・ネットワークAPACのパートナーシップ・ディレクター兼ソーシャル・インパクト・リーダーのChloe Rees氏は最後にこうコメントを残した。「昨年はシンガポールにおける使い捨てプラスチックに関する長い旅の始まりとなりました。今日のわれわれの行動は、今後数年、数十年に影響を及ぼすと確信しています。私たちは、プラスチックへの依存度を減らすために、地元、そしてグローバルの企業に#リトル・グリーン・ステップを提案し続けたいと考えています。その意思表示として、マイクロプラスチックの認知度を高めるこの動画を制作しました」
使い捨てプラスチックについての意識を高めることができるよう、下記サイトから『プラスチック塩』を地域社会や周囲の皆と共有してください。
https://greenisthenewblack.com/plasticsalt/
※1 アジアを中心とした、生活や仕事をより良くする知識を提供するイベント「Conscious Festival」の主催者でもある環境ビジネス系社会的企業。生活、仕事、消費、旅行の方法を改善してもっと日々を充実させたいと考えている人々のためのオンラインプラットフォームとしても機能。より良い生活を促進するために必要なツール、インスピレーション、および#リトル・グリーン・ステップを提供することを目的としている。
※2 エコを意識したSNS投稿につけるハッシュタグ。「プラスチック製のストロー、バッグ、カトラリーを使い捨てせず、プラスチック製の場合は2回以上使用しましょう」「過剰なプラスチック包装のある食べ物を買わないようにし、再利用可能な袋を持ち歩きましょう」「再利用可能なコーヒーカップとウォーターボトルを使用しましょう」、「マイクロビーズを含む化粧品は避けましょう」「会社でのプラスチックの無駄を減らすための解決策を考え、実行するのを手伝ってください」「より多くの方に知ってもらうため、この動画『プラスチック塩』を共有してください」といったメッセージを呼びかけている。
※3 プラスチック廃棄物を減らすためにシンガポールのカフェやバーと協業する社会的企業。 プラスチックに代わる再利用可能なストローを提供し、すべての利益を東南アジアの海岸清掃に寄付している。
※4プラスチック製品の代わりに再利用可能な製品を提供したり、プラスチック問題に対する関心の高い企業に向けソリューション提供を行う社会的企業。