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<INTERVIEW> SDGsを軸に「企業行動憲章」を大幅改定 経団連が日本の企業に求めるコトとは

チャンスはSDGsにある!No.5

2019/10/15

<INTERVIEW>
SDGsを軸に「企業行動憲章」を大幅改定
経団連が日本の企業に求めるコトとは

2017年、日本経済団体連合会(経団連)は「Society 5.0 for SDGs」をスローガンに掲げ、経団連が提唱する「企業行動憲章」を抜本的に改定。企業トップへSDGsに対する意識を強めるよう促しました。その理由、そして手応えは? 経団連SDGs本部本部長の長谷川知子氏に聞きました。

日本経済団体連合会 SDGs本部本部長 長谷川知子氏
日本経済団体連合会 SDGs本部本部長 長谷川知子氏

企業がSDGsに取り組むべき理由

世界は今、とても大きな変革期にあり、AI、IoT、ロボット、ビッグデータなどの技術革新が急速に進んでいます。地政学的には中国やインドの台頭により世界経済の重心が欧米からアジアへとシフト、世界各地で気候変動・異常気象も発生しており、地球規模で大きな変化の最中にいます。

このような不確実性が高まる状況において、世界が危機感をもって関心を寄せているのは“持続可能”な地球環境。それを実現するために、国連が課題を整理してまとめたものがSDGsです。

一方、日本政府は「Society 5.0」(「狩猟社会」「農耕社会」「工業社会」「情報社会」という発展に続く新たな社会)への突入を宣言。経団連としてもSociety 5.0とは「デジタル革新と多様な人々の想像・創造性の融合によって、社会の課題を解決し、価値を創造する社会」であるという提言を行っていました。SDGsとSociety 5.0は非常に似た方向性を持っており、Society 5.0を通じたSDGsの達成の実現こそが、日本が世界に見せるべき姿であると考え、「Society 5.0 for SDGs」というコンセプトを経団連活動の主軸に置くに至りました。

企業行動憲章を抜本的に改定したのは、この考え方を日本企業に浸透させるため。これまでは企業の役割を「社会に有用で付加価値のある雇用・製品・サービスを提供すること」としていましたが、今回の改定では持続可能な社会を推進することが企業の重要な役割であることを示しました。

SDGs×日本企業の可能性

日本は「課題先進国」ともいわれており、人口減少、少子高齢、ヘルスケア、モビリティー、自然災害など解決しなければならない問題が山積み。しかし、それはソリューションを生み出せるシーンが多いと言い換えることもできます。企業の「想像力」と「創造力」を駆使し、事業活動を通してSDGsに取り組むことは、企業の成長・競争力向上のチャンスとなるはずです。

“SDGs=Good Business”。確かに初期投資は必要となりますが、SDGsは国際社会のコンセンサスであり共通言語となっているため、中長期的に見たとき、世界規模で消費者や投資家からの評価が高まることは大きな魅力。実際に、SDGsへのこれまで継続してきた取り組みを英文にして掲載することで世界からの評価を高め、投資家から注目を集めたり、グローバルな連携を実現させたりする事例は多く見受けられます。

3月に経団連で行われたB20(G20参加国のビジネスリーダーが集まるサミット)では「Society 5.0 for SDGs」を共同声明として取りまとめることができましたが、そこで感じたのは、日本はSDGsという観点でかなり進んでいる国だということ。もちろん欧米にも単体でSDGsに大きな貢献をしている企業は存在しますが、産官学で連携したSDGsへの取り組みを実現させているのは日本のみといえます。今後もこの特徴を生かしていただきたいですね。

さらに、これから企業に期待したいのは、SDGsへの取り組みをただ伝えるだけでなく、自社の事業を通じた「インパクト」(目標に対する貢献度)を示していくことです。また同時に、「マイナスインパクト」(環境や社会に与える負の影響)を最も軽減できる課題にも取り組み、それらを具体的に示していってほしいのです。15年に採択されたSDGsが30年に向けてどれだけ達成されているのか。そこが今、注目されつつあります。

G20、東京オリンピック・パラリンピック、大阪・関西万博など、世界から注目がより集まる中で、日本企業のSDGsに対する取り組みをしっかりとアピールできるよう、経団連としても準備を進めています。