パラ射撃の魅力や認知の促進へ
「パラスポーツメディアフォーラム~パラ射撃~」開催
2019/09/06
電通パブリックリレーションズとパラスポーツ推進ネットワークは9月2日、第22回「パラスポーツメディアフォーラム~パラ射撃~」を都内で開催した。
同フォーラムは、日本障がい者スポーツ協会承認の下、パラスポーツ競技やパラアスリートについてメディアの理解を促進し、取材環境を整備することを目的に、各回1競技をテーマに開催している。今回は、「WSPS世界選手権・シドニー大会」を10月に、「全日本障害者ライフル射撃競技選手権」を11月に控えた「パラ射撃」をテーマにした。
冒頭、日本障害者スポーツ射撃連盟事務局長の田中辰美氏と、理事で射撃パラリンピアンの田口亜希氏が、競技の概要を説明した。
パラ射撃は銃の種類(エアライフル、ライフル、エアピストル、ピストル)や、的までの距離、撃つ姿勢(立射、膝射、伏射)などによって13種目の個人戦に分かれる。さらに障がいの度合いによってクラスが分かれる。射撃は「どれだけ身体を静止できるか」と、引き金を引くことで「身体がぶれかねない」というプレッシャーの中で戦う競技。一発のミスも許されない状況下で、観客にも選手の緊張感や達成感が伝わり、それが競技の魅力につながっているという。
田中氏は「東京パラリンピックではメダル獲得が最大の目標だ」として、大会への出場要件を説明した。東京大会では、競技団体が定める基準点を20年7月15日までの公認大会で2回獲得していることが代表選出の最低要件。その上で、ダイレクトスロットと呼ばれる自力獲得枠148枠(うち3大会で77枠が配分済み。日本は未獲得)と、開催国の日本に配分される男女各1枠での出場を目指すことになる。選手たちは残る出場枠71枠の獲得に向け、10月の世界選手権や、20年5月のアメリカでのワールドカップに挑む。これまでに日本代表は、2000年シドニー大会でパラリンピックに初出場以来、04年アテネ大会で田口選手が7位に、瀬賀亜希子選手が8位に、08年北京大会で田口選手が8位に入賞していて、東京大会での活躍が期待される。
会場には、50メートルライフル伏射の大滝健太郎選手、エアライフル伏射の佐々木大輔選手、水田光夏選手も登場。3人とも、10月の世界選手権に出場予定で、「来年の東京パラリンピック出場、メダル獲得に向け頑張りたい」と声をそろえた。
会場では、各選手が出場種目の競技デモンストレーションを実施した。選手たちの真剣な表情や、次々と高得点をたたき出す姿に、参加者からは大きな歓声が上がった。
今後予定されている国内でのパラ射撃大会(一部)は以下の通り。
・第32回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会
開催期間:2019年11月9~10日
会場:千葉県総合スポーツセンター射撃場
・ナショナルチーム選考会
開催時期:2020年2月(予定)
パラ射撃や大会情報の詳細やメール購読申込要項などは、日本障害者スポーツ射撃連盟の公式サイトから閲覧できる。