ブーメランに気をつけて

セカイメガネ №15

  • Nisa Mujjalintrakool

2013/09/04

ブーメランに気をつけて

近頃タイの人間はバーチャル世界に生きることを以前よりずっと楽しむようになった。生活はあっという間にインターネット漬けになり、ありとあらゆる情報や物語をアップロードしシェアし続けている。

だから街の話題になる動画をつくり出す新しい方法を探して、みんな躍起になっている。ビュー数を稼ぎ、ライクを獲得し、口コミに素早く乗っかりたい。でも、どうすればそんな動画がつくれるのだろう?

タイ人はいつもこう言う。「悪い噂(うわさ)ほど大声で伝わり隠せない」(だって、悪いことの方がずっと面白い!)。皮肉だけれど、それが真実。だからタイの文化や伝統を無視してでも、話題にする近道を探ろうとする者が出てくる。悪いニュースほど素早く広がるという事実をすっかり忘れている者も現れる。

ある女優がショッピングモールで自分のファンクラブの会員たちに失礼極まる高飛車な態度を取っている動画がアップロードされた。実はある製品の広告で、話題づくりのために仕掛けたことが後で分かる手はずだった。

確かに動画は瞬く間に拡散したが、ネットは否定的コメントで溢(あふ)れ返った。結局その女優は公式謝罪する羽目に陥った。だが、人々はその製品に対して既にすっかり悪印象を持ってしまった。

別の人気テレビ番組司会者には法的問題が降りかかった。その番組は、私たちが日々体験する現実の生活や状況を的確に映し出していて評判がいい。あるとき彼が自分のフェイスブックページに、タイで米の汚染が進行していると書き込んだ。

ところがその時点で情報の真偽は未確認だった。書き込みは米穀を販売する数社の大企業とタイ政府に手痛い影響を与えた。その司会者は謝罪して主張を取り下げるか、はたまた告訴されるか、岐路に立たされている。

バーチャル世界が面白いことは誰も否定できない。けれど、私たちがオンラインでコミュニケーションするときは、細心の注意を払う必要がある。どんな行動も結果としてブーメランのように自分に返ってくる。だからメッセージを発信する前には慎重になり過ぎるくらいでちょうどいい。ブーメランがぐるっと一回りしてきて自分を直撃することだって十分あり得るのだ。

(監修:電通イージス・ネットワーク事業局)