loading...
MENU

パラスポーツ認知度1位の 人気競技を紹介 「パラスポーツメディアフォーラム~車いすテニス~」開催

    2019/10/25

    パラスポーツ認知度1位の
    人気競技を紹介
    「パラスポーツメディアフォーラム~車いすテニス~」開催

    電通パブリックリレーションズとパラスポーツ推進ネットワークは10月10日、第23回「パラスポーツメディアフォーラム~車いすテニス~」を都内で開催した。
    同フォーラムは、日本障がい者スポーツ協会承認の下、パラスポーツ競技やパラアスリートについてメディアの理解を促進し、取材環境を整備することを目的に、各回1競技をテーマに開催している。今回は、「楽天・ジャパン・オープン・車いすテニス・チャンピオンシップス2019」の開催直後で、「三菱 全日本テニス選手権94th」を10月26日~11月3日に控えた「車いすテニス」をテーマにした。

    車いすテニスは各種調査のパラスポーツ認知度で国内1位を誇り、人気も高い競技。ルールや使用されるコートは一般のテニスとほとんど変わらず、大きく異なるのは2バウンド以内の返球が認められていること。打球の際、臀部を浮かせること、ブレーキや方向転換に足を使うこと、地面に足を着けることは禁止されている。

    パラリンピックでは1992年のバルセロナ大会から正式競技に採用されている。競技クラスは「男子クラス」「女子クラス」「クアードクラス」の三つに分かれ、それぞれシングルス、ダブルスがある。男子・女子クラスは下肢に障がいがあり車いすを使用する選手が対象で、クアードクラスは上肢を含む三肢以上に障がいがある選手が対象(男女混合)。クアードクラスでは障がい状況により、ラケットと手をテープで巻いて固定することや、電動車いすの使用が認められている。

    国際テニス連盟が定めた4大国際大会「グランドスラム」(全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン選手権、全米オープンの総称)では車いすテニスの部も実施されている。さらに選手のレベルや年齢によって、グランドスラム、スーパーシリーズ(SS)、ITF1、ITF2、ITF3、フューチャーズといった分類の国際大会が世界各地で数多く開催されており(日本開催の国際大会は7大会)、注目度も上昇中の競技だ。

    前半は車いすテニスナショナル監督の中澤吉裕氏と車いすテニス協会広報室長の佐々木留衣氏、事務局長の塚本直子氏が、競技ルールやパラリンピック参加資格を説明。後半には世界ランキング10位の眞田卓選手が実際に車いすを使用しながら、戦術や心がまえなどを話した。

    車いすテニスの概要や魅力を解説する中澤氏(右)と佐々木氏
    5週連続での5大会出場後、ブラジルから帰国した翌日に出席した眞田選手(右)と塚本氏

    中澤氏は、車いすテニスの選手には「フィジカル・メンタルの強さが根本的に必要」とした上で、「頭脳戦ゆえ、試合展開を見極め次のプレーに向け瞬時に決断する『頭の回転の速さ』、対人スポーツとしての『相手の戦略に対する優れた推察力』、試合中に発生する問題に対する『思考の転換力』が大切な素質であり、それが試合中の駆け引きという形で発揮されるのが競技の真骨頂だ」と語った。

    眞田選手の車いす。障がいに合わせた車いすのカスタマイズも戦術の一つで、眞田選手いわく「選手と血が通っていると言われるくらい個々で仕様が異なる」ようだ

    東京パラリンピックでの各国の参加選手数は、男子が最多56人、女子が32人、クアードが16人。開催国枠はない。参加選手の選考基準は、2017~20年のパラリンピックサイクルで2回以上のワールドカップに参加し、うち1回は19年または20年の参加であること。この要件を満たさない場合、けがなどによるプレー不能の期間があり参加できなかったなど三つの例外要件が認められる必要がある。上の要件または例外要件を満たしている場合、以下四つの方法で代表選手を推薦する流れになる。

    ・アジアパラ競技大会およびパラパンアメリカン競技大会優勝者
    ・世界ランキングによる選出(2020年6月8日時点で男子上位40人、女子上位22人、クアード上位12人)
    ・バイパルタイト(ランキングでの直接選出枠から外れる選手を対象に、各国の最大選手枠に余裕がある場合与えられる充当枠)による選出
    ・ダブルスランキング(ダブルスランキングが優れている選手を対象にした充当枠)による選出

    パラリンピック代表選手への選出には世界ランキングの維持・向上が欠かせない。ランキングは年間での有効ポイント獲得大会(男子9大会、女子8大会、クアード7大会)を対象に、うち獲得ポイント数の上位大会分がカウントされ、それを基にランキングが作られる。獲得ポイントは1年を過ぎると失効するため、常に勝ち続けなければならない。今回参加した眞田選手も例外ではなく、「必ずしも大会で勝てるとは限らないので、有効ポイント獲得大会(男子9大会)の倍は参加するようにしている。大会に出続けることで、体調や試合の感覚をキープしてモチベーションを上げていく。さらには対戦相手のデータも収集していく」と抱負を語った。

    報道陣の質問に答える眞田選手

    ほとんど休みなしで大会や練習に出続け結果を残すなど、代表選手への選出には厳しい道のりも課される車いすテニス。一方で日本選手は、アテネ大会では男子ダブルスで国枝慎吾、齋田悟司両選手が金メダル、北京大会では男子シングルで国枝選手が金メダル、男子ダブルスで国枝・齋田両選手が銅メダル、ロンドン大会では男子シングルで国枝選手が金メダル、リオデジャネイロ大会では男子ダブルスで国枝・齋田両選手が銅メダル、女子シングルで上地結衣選手が銅メダルと、着実に結果を残しており、東京パラリンピックでの活躍も大いに期待される。

    今後、東京2020大会のテストイベントとして、10月27日に上地選手と大谷桃子選手が、28日に国枝選手と眞田選手の対戦が予定されている。

    車いすテニスの各種大会情報や試合の結果、体験会・講習会の開催などは日本車いすテニス協会のウェブサイトから閲覧できる。