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P&Gジャパン 再生海洋プラスチックをボトル原料にした「ジョイ」発売

2019/11/08

    プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパンは11月6日、世界的な環境問題になっている海洋プラスチック削減への取り組みとして、国内の海岸で回収したプラスチックごみを再生し、ボトルの原料として使用した台所用洗剤「JOY Ocean Plastic」の発売(11上旬)と、サステナブルな未来へ向けた取り組みについて、中央区の東京オフィスで発表会を行った。

    世界の海洋には、毎年800万トン以上のプラスチックごみが流入。2050年にはその総重量が魚の総重量を超えると予想されるとともに、プラスチックごみの8割はアジアが発生源といわれている。

    同社はその対策として、日本の海岸に流れ着いたプラスチックごみを、国内の日用品に再利用する取り組みを実現した。
    「JOY Ocean Plastic」では、ボトルとしての耐久性を担保できる最大量の約25%に、回収したプラスチックを使用。今回は、55万本を生産・発売するが、同社によると、海洋プラスチックを使用した製品としては、一国における世界最大規模の生産量で、同社としては、アジア初の取り組みだという。

    スタニスラブ・ベセラ社長は、同社が世界最大の日用消費財メーカーとして環境保全に貢献するため、長期ビジョン「Ambition 2030」の下、グローバルでさまざまな活動を進めていることを紹介。特に注力している海洋プラスチック削減について「自社製品パッケージの全てをリサイクル・再使用可能にし、海への流出をゼロにしたい」と語った。
    また、「プラスチックは海洋に存在してはならず、環境の中に残存してもいけない。廃棄物処理やリサイクルなどで、プラスチックごみを大幅に削減する必要がある」と話し、全工程を国内で実施する今回のアプローチは、革新的だと自信を見せた。

    リサイクルのエキスパートとして、プロジェクトに協力しているテラサイクルジャパン・アジアリージョナルマネージャーのエリック・カワバタ氏は、「海洋プラスチックの回収から素材の選別、洗浄、加工、容器の製造まで全て国内で行うことは、コストも含めチャレンジングなものだった。さまざまなパートナーと手を組みながら問題を解決するのは大変だったが、実現可能だと証明できたという点で意義がある」とコメントした。

    JOYブランドマネージャーのゾン・シャオファン氏は、ボトルの製造工程について解説。
    「これまでも一般的な再生プラスチックをボトルの原料に使用した例はあるが、劣化の影響で再生することが難しい海洋プラスチックを使うのは、当社としてアジアパシフィック史上初の試み。また、グローバルで行っている取り組みの中でも、今回の生産量は世界最大規模で、プロジェクトの全てを国内で完結することにこだわった。55万本は小さな一歩にすぎないが、少しでもサステナブルな消費を促進するきっかけになれば」と述べた。

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