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プランナーが行く、“気になるゲンバ”No.7

渡辺由貴恵が行く、金沢市「浦田クリニック/スコール金沢」

2019/12/18

第一線で活躍中の電通のコミュニケーション・プランナーが、自身のアンテナに引っ掛かった「今ちょっと気になる現場やスポット」をリポートする企画です。

(左から)浦田哲郎氏、渡辺由貴恵氏
(左から)浦田哲郎氏、渡辺由貴恵氏

トータルサポートの複合施設が挑戦する

「予防医療」の最前線

今回プランナーの渡辺由貴恵氏が訪れたのは、2017年4月、金沢市にオープンした国内初のメディカルフィットネス&スパ「浦田クリニック/スコール金沢」。浦田クリニックを母体としつつ、人間ドックから最先端の水中リラクゼーションまで、「予防」を重視したトータルでの健康サポートを行う。地域住民が気軽に活用できる施設である一方、充実した最新設備や高級感のある内装、ホスピタリティーに魅了され遠方からお忍びで通う著名人も多数いるという。スペルの「SQOL」はSpa for Quality Of Lifeの頭文字。

Spa forQuality Of Life 外観+内観

「浦田クリニック/スコール金沢」の理事長・浦田哲郎氏は1987年金沢医科大学卒業後、93年無医村医療を志し「河内うらた医院」を開設した。父から富山県魚津市の「浦田病院」を継承し、2000年法人名を「医療法人社団ホスピィー」とする。07年クリニックの新築に伴い「スコール」を併設し、17年4月「浦田クリニック/スコール金沢」の開設に至っている。

浦田哲郎氏

今回、渡辺氏が気になったポイントは、以下の3点だった。

❶新しい医療の形、「予防医療」を目指すに至った背景とは?
❷超高齢化社会となる日本で、「予防医療」の価値とは?
❸目指すべき「地域医療の実現」のヒントとは?

渡辺由貴恵氏

浦田哲郎理事長に聞く!

 

【Q1】

全国からも注目されている「浦田クリニック/スコール金沢」の革新性を教えてください。

「浦田クリニック/スコール金沢」は「医療」を中心に「栄養」「運動」「癒やし」を統合した複合施設です。クリニックや人間ドック健診センターを軸に、ドクターズクリエイションカフェ、サプリメントショップ、メディカルフィットネス、プール、天然温泉、アロマトリートメント施設も併設。横の連携を行うことで「健康PDCA」を回しながら、一人一人に最適な形のサポートを提供しています。病気の方はもちろん、“未病”の方にも、健康を維持して幸せに暮らすために利用していただいています。

「予防医療」と呼ばれる分野は世界的に注目されていますが、日本はまだ発展途上。現在の医療保険制度では、薬を出す対症療法(主な症状を軽減させる治療)を中心に行わなければ病院の経営が成り立たないことが大きな要因です。しかし、近未来を見据えた統合医療の実現の必要性を感じていた私は、魚津市でその実践を始めました。

そんな中、北陸新幹線の開通に伴い金沢駅周辺の活性化を行いたいとJR西日本不動産開発から相談を受け、この施設の設立を決めました。ちなみに、実現できたのは私にお金があったからではなく、借金を恐れなかった私の思い切りからです(笑)。

日本の医療制度に疑問を抱き、自分の理想の医療を実現する強い信念と熱量に圧倒されつつ、最も感動したのは、さらなる探究心と進化し続けようとする姿勢! 健康の未来に希望を感じた瞬間でした。(渡辺)

【Q2】

浦田理事長は、今や地域に根差した「予防医療」のパイオニア。それまでの浦田理事長の歩みは?

私の原点は「無医村医療」。富山県魚津市の小さな町で24時間365日地域密着型の医療をしていた開業医である父の背中を見て、私も石川県河内村(現・白山市河内)という人口1000人ほどの村で無医村医療を始めました。新生児から高齢者まで、お産から内科、外科まであらゆる治療に対応する中で、自分は地域の住民の皆が健康で幸せに暮らせるために「何でもする総合医」でありたいと考えるようになりました。私が漢方や鍼灸、ヨガなどの東洋医学や、自然療法などのヨーロッパ医学も取り入れている背景でもあります。

その後、父の病院も継ぎ、寝たきりや認知症になった高齢者の多い医療現場にいる中で、現代社会における「予防医療」の重要性にも気付きました。

実は予防医療にも「1次予防」「2次予防」「3次予防」に分かれています。「1次予防」は未病の方が病気になる原因を遠ざけるための措置、「2次予防」は病気になった方の進行を抑える措置、「3次予防」は病気が進行してしまった後の後遺症や再発防止のための措置。末期がんの患者さんが家に帰って好きなものを食べ、好きなことを自由に楽しむことで、宣告よりも大幅に長生きするのを幾度も目撃し、予防医療の奥深さを知りました。「浦田クリニック/スコール金沢」の「栄養」「運動」「癒やし」というテーマにつながっています。

予防医療の舞台は、東京のパーソナルトレーニングジム「デポルターレクラブ」との連携で拡張も。都内で健康管理とトレーニングをし、スコールでヘルスチェック。金沢と東京を結んだ健康PDCAの形も増えそうです。(渡辺)

【Q3】

「浦田クリニック/スコール金沢」の取り組みは医療による街づくりの推進とも感じますが、今後はどのような展望をお持ちでしょうか。

12年前、魚津市にこの施設の原型となる「浦田クリニック/スコール」を開業し、今回は人口50万人近い金沢でより理想に近い施設をつくることができました。同様の施設が全国の人口50万人都市で続々と誕生するような未来をつくれたらと意気込んでいます。全国展開の夢への一歩として東京のデポルターレクラブさんとも提携を開始しました。

また「予防医療」に関しては、アメリカですでに研究されている「0次予防」(遺伝子チェックによる措置)、さらにその前の段階、つまり子どもをつくる前の両親の健康に対する措置なども研究していくことで、より健康で幸せに暮らせる人々が多い社会の実現に貢献していきたいと考えています。


スコールプラス

施設内にはセレクトショップ「スコールプラス」が併設されている。健康を支えるえりすぐりのフード・ドリンク・サプリメントを全国から取り寄せ販売。店内には管理栄養士が常駐しているため、相談しながら自分の体調や健康状態に合った栄養食品を購入することができる。

スコールプラス内観と、渡辺由貴恵氏(右)

最後に...(by渡辺)

スコールでの体験で、健康管理・メンテナンスは「個人」から、「パートナーと共有して」取り組む時代になると感じました。自分以上に体のことを理解しサポートしてくれる存在は、医療面だけなく精神的な支えとなります。インタビューでの浦田先生の思いや言葉から、強い信念とホスピタリティーを感じ、パートナー選びの重要さを痛感しました。また、WATSUという水中身体療法も体験させていただきました。この新体験をぜひ皆さんもスコールで!

渡辺由貴恵氏

浦田クリニック/スコール金沢:
http://urataclinic-sqolk.jp/

デポルターレクラブ:
https://www.deportareclub.com/