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時代の変わり目に、20年後を読むNo.2

2020/07/14

プログラムされた日本橋

20年後の都市、生活、モビリティー…。描いた未来をカタチにするにはどうしたらよいのか?今回は、そのヒントになるお話です。

日本橋

とある博物館による、前代未聞の記者会見がはじまった。学芸員から発せられた言葉に一同が驚く。

「日本橋という街はすべてプログラムされていた」のだという。

実は江戸時代後期、すでに幕府にはおかかえのシステムエンジニアがおり、日本橋という街をプログラムしていたという文献が最近発見されたのだ。

プログラムにより、幕府は後世までに残したいと思った店を、現世でも老舗として営業できるようにしたり、日本橋の街を日本の中心地として、永遠に栄えるようにしたりしていたという。

最後に記者から質問が飛んだ。

「日本橋の上を通る首都高。あの景観もプログラムされていたというんですか?」

すると学芸員はさらっと答えた。

「あれは単なるバグです」

2040年の未来~「プログラム」としての「コンセプト」

さて、前回に引き続き「VISION DESIGN」をテーマに、ショートショートを一編お届けしました。

この物語はあくまでフィクションですが、今後は本当にプログラムされた街というものが生み出されるかもしれません。人の行動をある程度読める(未来予測できる)ようになると、街全体がどのようになるのかをシミュレーションすることができます。

ものすごく忠実につくり上げることができれば、例えばサーバー上のパラレルワールドで未来の東京を一度構成してシミュレーションした後に、現代の東京を再構築していく、ということができるかもしれません。

とはいえ、すべての行動を100%再現することは今の技術では難しいでしょう。では、未来を構築するプログラムを本当に書けるようにするにはどうすればいいでしょうか。

「プログラム」という言葉を少し掘ってみましょう。プログラムという言葉の語源。Merriam Websterの辞書によると、pro-(前に)とgraphein(書く)に分かれるそうで、「あらかじめ書いておいたもの」という意味になるそうです。まさに「プログラム」ですね。

私は小学生のころからプログラミング言語に触れて、プログラミングが好きなのですが、その好きである要素のひとつに「未来をつくる」というものがあります。あらかじめ書いたものが忠実にコンピューターによって再現される。つまり、言葉が未来をつくっているのです。ある意味、未来予測よりも強い未来構築できる力がプログラムにはあるのです。

歴史をひもといてみると、言葉が未来を変えることは多々あります。武将が自身の軍勢を鼓舞した言葉であったり、国を治めるためのルールとしての言葉であったり。言葉ひとつをどのように扱うかによって、未来は変えることができるのです。

未来のために書く、とても短いプログラム(言葉)が「コンセプト」だと、私は思っています。「プログラム」としての「コンセプト」。プロジェクトを始めるときに、コンセプトをつくることはとても大切です。コンセプトがぶれてしまうだけで、プロジェクトが大きくぶれていくからです。

プロジェクト自体は現在進行系で未来に向けて進んでいくわけですが、コンセプトは現在の時点で未来を定義する言葉なのです。みなさんもまずは新しいコンセプトをつくる、見つけるところから未来構築を始めてみませんか。

※このショートショートは、ショートショート作家・田丸雅智さんのワークショップから生まれました。

vision design Lab.
5年でも10年でもなく、20年先のデジタル時代を先見し、企業やブランドが進むべき方向を提示する。アカデミック&サイエンス面での裏付けも持ちつつ、シーズ発掘、ビジョン構築、ストーリーテリング、イノベーション創造を行う。

それが、電通デジタルクリエーティブセンターに誕生した、Vision Design Lab.です。

クライアントの皆さんがまだ技術研究に手を付けていない、少し先の未来を、人と技術にくわしい私たちが考え、具体的な将来の生活シナリオとして提示。

さまざまな未来のカタチを皆さんと共創し、未来につながるイノベーションに刺激を与えたいと考えています。

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