「遊びから入る」で課題を解決!No.1
ビジネスには「遊び」から入る。PLAY FIRSTのススメ
2020/08/20
スタンフォード大学が作った脱出ゲーム!?
スタンフォード大学のデザインスクールであるHasso-Plattner Institute of Design、通称「d.school」はとても興味深い一台のバスを所有していることをご存じでしょうか?
このバス、なんと移動式の脱出ゲーム(エスケープルーム)なのです。
脱出ゲームとは、部屋などの中に閉じ込められた人たちが協力し合い、パズルや仕掛けなどの謎解きをしながら脱出を試みるという世界的に人気の遊びです。
この PUZZLE BUS の中も、部屋のようになっており、謎解きをしながら、参加者同士でバスからの脱出を目指していきます(私も実際に参加し、無事に脱出することができました!難易度は初級〜中級といった感じでしょうか?)。
なぜスタンフォード大学のデザインスクールが脱出ゲームのバスなんて持っているのでしょうか?実は脱出ゲームを体験した後に、その本当の目的があるのです。
多くの脱出ゲームは、制限時間が来れば、脱出成功・失敗に関わらず自動的にゲームが終わりますが、この PUZZLE BUS は終了してからが本番。ゲーム中、バスの中にいたファシリテーターと会話をしながら、バスでの行動を振り返ります。
参加者がどのようなコミュニケーションを取り合っていたのか、どのように協力していたのか、なぜあのときに正しい行動を起こさなかったのか、などについて話し合いながらコミュニケーションスキルを深めていくというプログラムになっていたのです。
d.schoolは、“コミュニケーションスキルを学ぶ”という学術的な目的のために脱出ゲームという遊びを活用しています。
「さあ、今からコミュニケーションスキルについての講義を始めましょう」
これ、普通の授業ですよね。ところが同じことを学んでもらいたいときに、脱出ゲームという遊びの要素を入れてみる、さらにはこんなバスまで作ってみることで、「ちょっと体験してみようかな」という気持ちになるのではないでしょうか?
一見ハードルが高く感じること、一般的に興味が湧きづらいこと、面倒だなと思ってしまうことなどなど。これらのよくある課題に対して、「遊びから入る」というアプローチはとても有効なのです。
ゲーミフィケーションではなく、プレイファーストで。
「遊び」の要素を課題解決に取り入れてみる。
「それって、ゲーミフィケーションでは?」と思われる方も多いでしょう。「ゲーミフィケーション」という言葉が流行してから、もうすでに10年くらいたちましたでしょうか?
皆さん、ゲーミフィケーションにどのようなイメージをお持ちですか?
例えば、漫画のアプリならば、ユーザーが毎日アクセスをしてくれたら、その日数に応じて無料で読めるまんがが増えたり。ランニング用のアプリであれば、走った距離や回数を友達と競わせるようなランキングの機能を入れてみたり。
ゲーミフィケーションとは、そういったソーシャルゲームにあるような要素を取り入れることなのではないかとイメージされる方も多いと思います。
ビジネスにおいて、特に自社サービスからの流出を防ぐために顧客をどうやってサービスにとどめておくか。ランキング制を取り入れて、ユーザー同士を競わせる。ある一定期間サービスを利用し続けることで報酬をもらえるような仕組みを入れる。さらに特別な報酬はもらえる確率を変え、ユーザーの射幸心をあおって、1回の金額は極めて小さくても何回も課金してもらえるようにする。ここ10年、実際にそういったものも多かったと思います。
これらはたしかに「遊び」の要素ではあるのですが、ユーザーが本当に楽しめているかどうかは怪しいところ。目の前の利益を追い求め、短期的に収益を上げるのであれば有効かもしれませんが、長期的に見て、果たしてブランドとしていい印象を与えているのでしょうか?
射幸心をあおるようなやり方を加えて、さも楽しそうに錯覚させるのではなく、「遊びを起点にする」ことで、プロセスそのもの、商品サービスそのものを楽しく、新しくすることができるのではないでしょうか?
そこで私たちは新しいプロジェクトチームを立ち上げることにしました。
「PLAY FIRST」
「遊びから入る」というゲーミフィケーションの新しいアプローチであり、さまざまな課題解決をしていくデザインユニットです。
従来のゲーミフィケーションの手法にとどまらない形で、遊びやゲームの本質を生かし、企業のコミュニケーション領域の課題を解決。さらに、教育分野、エンタテインメントの領域まで、一貫して「遊びから入る」をコンセプトに活動していくことで、遊びを起点としたプランニング、サービスの体系化、研究開発を推進していきます。
まずは「遊びから入る」。
プロ野球選手は、野球と出合ったその瞬間から激しい練習を始めていたのでしょうか?きっとボールを速く投げられた!バットにボールを当てたら前よりも遠くに飛んだ!など、やはり遊びから入っているのではないでしょうか?
もちろん猛練習しなければプロにはなれないのでしょう。しかし、いきなり練習プログラムをやって楽しいと思える人もいないはずです。初めに楽しいと思えないと続かないですよね。
真面目なものに遊びを入れてみるのはどうでしょうか?
例えば「防災訓練」。防災訓練がすごく楽しかったという人は少ないでしょう。訓練ですので真面目に取り組まなければならないため、お世辞にも楽しいとはいえません。しかし、人間悲しきかな、防災訓練は参加した方がいいと頭では分かっているにもかかわらず、別の楽しい用事があれば防災訓練よりも優先しちゃったりします。
であれば、防災訓練も遊びから入ってみてはどうだろうか。避難ばしごやベランダにある蹴破り戸を組み合わせてフィールドアスレチックのようにする。いざというときにちゃんと使えるようになる、そして、日頃の運動不足にもなる。楽しくてためになる。一石二鳥だと思いませんか。
「遊び」には人と引き付ける強い価値があります。
PLAY FIRSTによって改めて遊びやゲームの持つ力に光が当たり、ポスト・ゲーミフィケーションのコンセプトとして、皆さまのお役に立てればと思っております。
ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。
お問い合わせフォームはこちら(https://play-first.jp/)です。
PLAY FIRST の主な活動
- 遊びから入る新規事業支援/新商品開発支援
- 遊びから入るコンサルテーション
- 教育プログラム/企業研修の開発・教材化
- アイディエーションワークショップ
- 遊びから入るマーケティング・コミュニケーション
- 遊びの研究およびサービス開発