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TANTEKI -新しすぎるアイデアが、伝わる。加速する-No.8

2020/10/30

ミッション・ビジョン・バリューを、穴埋めでつくってない?

はじめまして、コピーライターの上田太規です。スタートアップのコミュニケーション支援チーム・TANTEKI の活動に参加しています。

TANTEKIはステートメント作成などを通して、経営者の思いやビジネスアイデアを社内外に「伝わる形」にデザインする仕事をしています。

突然ですが、皆さんの会社のミッション・ビジョン・バリュー(Mission・Vision・Value)って何でしょう?以下、本稿では「MVV」と略します。

これまでさまざまな企業のMVVに触れてきましたが、「ミッションとビジョンがごっちゃになっている」「社内外にちゃんと伝わっているのかな?」と感じることが少なくありませんでした。

MVVは、企業の背骨のようなものです。コロナ禍で社員の働き方や経営環境が変化する中、新たにMVVを設定する企業だけでなく、すでにあるMVVについても、これからの企業成長のために、そのMVVが本当に機能するのか確認する必要がありそうです。

そこでTANTEKIでは、さまざまな企業のMVVを採集してみました。本稿では 「伝わる、機能するMVV」について考察します。

【目次】
そもそもミッション・ビジョン・バリューってなんなんだ? 
いろんな企業を調べて見えてきた、「ミッションとバリュー、二つにしてもいい説」
伝わる、機能するミッション・ビジョン・バリューのために



 

そもそもミッション・ビジョン・バリューってなんなんだ?

MVVについて考えるに当たり、その定義をまず確認しておきましょう。

MVVは、経営学者のピーター・F・ドラッカー氏が提唱したもの。それによると、次のように定義されています(※)。 

MVV1

※ミッション・ビジョンの定義は、『ドラッカー5つの質問』(著者:山下淳一郎)から引用。


実際、MVVは多くの企業が活用しているフレームですが、なぜ必要なのでしょう? 

TANTEKIの主なクライアントであるスタートアップでは、会社が大きくなり社員が増えるにつれて、社長の考えや熱量が、社員一人一人に届きにくくなるケースが多く見られます。この問題は「30人の壁」ともいわれていますが、この壁を乗り越えるためにはMVVの設定・見直しが有効で、それを行うことで皆が同じ情熱を持ち、同じ方向に走ることができるのです。この他にもMVVは、事業判断や評価制度の指針になる、採用で求める人材を明確にできるなど、さまざまな面で効果を期待できます。

いろんな企業を調べて見えてきた、「ミッションとバリュー、二つにしてもいい説」

「伝わる、機能するMVV」を探るため、TANTEKIは、数十社のMVVを考察しました。その結果、主に「三つの型」に分類できることが分かりました。

①漢字型
MVVというフォームではなく、別の呼び名で設定しているタイプ。ミッションやビジョンに当たる経営の考えを「綱領」「社是」「宣言」などとし、バリューに当たる内容は「運営方針」や「行動方針」としてまとめ、これらを組み合わせて企業理念として設定。創業100年以上のナショナルクライアントに多い。

②MVV型 
「ミッション」「ビジョン」「バリュー」を全て設定しているタイプ。

③MV型
「ビジョン」を置かずに、「ミッション」と「バリュー」の二つに絞って設定しているタイプ。スタートアップや、まだ社歴が浅い成長中の企業に多い。

ここで注目したいのは、三つ目のビジョンを置かないMV(ミッション・バリュー)型の存在です。企業が、この独自のMV型を取り入れている背景には、MVV型での「ある落とし穴」が絡んでいるのでは…と思ったのです。それが、「ビジョンのところで、再びミッションを語っている」という問題です(つまり、ミッション・ミッション・バリューになっている!)。

バリューについては、「行動指針」と役割がはっきりしていますが、ミッションとビジョンはどうも混同しがち。それでは、MVVが伝わりづらくなる「ミッションを二度語る問題」について、そのパターンを見てみましょう(下記のミッション・ビジョンは、例を示すためにTANTEKIで書いた架空のものです)。

パターンⒶ
ミッションが抽象的過ぎるせいで、ビジョンのところでも具体的なミッションを再び語ってしまう。

MVV2


パターンⒷ
ミッションが語り切れていないため、ビジョンのところで、ミッションを補足する内容を語ってしまう。

MVV3


では、ミッション・ミッション・バリューなってしまわないために、どうすればよいでしょう?

例えば、パターンⒶの場合は、具体性のあるミッションを再設定してミッションとビジョンを一本化するといいでしょう。

パターンⒷの場合は、ミッションを補足する「ミッションステートメント」を設けて、ミッションとビジョンを一本化する方法があります。

このように、混同しがちな場合には、ミッションとビジョンを一本化するMV型で整理すると、伝わりやすくなります。これが今回の考察から見えてきた「ミッションとバリュー、二つにしてもいい説」です。

伝わる、機能するミッション・ビジョン・バリューのために

前項でシンプルな「MV型」を挙げましたが、もちろんミッションとビジョンの役割分担がはっきりしていれば、「MVV型」は有効です。

ビジョンは、
「〇〇のプラットフォームになる」
「No.1◯◯カンパニー」
「◯年後に、売上◯◯億円」
など、ミッションをどの方向に発露するのか、「ミッションが実現したときの姿」になります。つまり、

・ミッション=主観的
・ビジョン=客観的

な視点が大切です。ビジョンでは中長期的にどう見られたいかを客観的に捉え、企業の輪郭をはっきりさせる。そうすることで、ミッションとの役割も整理され、伝わりやすくなります。MVV型にせよMV型にせよ、大切なのは、設定した内容が、世の中や社員に伝わるかどうかです。

MVVのフレームの中に言葉を押し込むような穴埋めが目的になると、ミッションとビジョンを混同してしまうなどして、MVVの本来の役目を果たせません。まずは、伝わるミッションを設定した上で、必要に応じてビジョンをつくるか決める、という順番がいいのかもしれません。

私たちが採集した「伝わるMVV」では、ミッションとビジョンで語る視点がはっきりしていて、それぞれの言葉が役割を果たしているものでした。

TANTEKI流にMVVを捉え直すと、以下のようになります。 

・ミッション=社会で果たしたい役割や存在意義を具体的にする
・ビジョン=ミッションが実現した時、客観的にどう見られているのか具体的にする
・バリュー=企業と社員が大切にする価値観や行動指針

経営者として熱い思いはある、だけどそれを強いミッションやビジョンという「言葉」にうまく落とし込めない…そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひTANTEKIにご相談ください!

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