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YouTubeクリエイターのすごさをUUUMと一緒に考えるNo.4

2021/02/15

UUUM+電通が考えるこれからのYouTubeクリエイターとブランドのあり方

前編に続き、UUUM取締役の市川義典氏と共に、YouTubeクリエイターのソリューション力を探っていきます。

後編は、UUUM×電通の共同調査プロジェクトの結果について、市川氏の見解を伺いました。さらに、withコロナにおけるYouTubeクリエイターの今後についても語っていただきました。

UUUM市川義典氏、電通・天野彬氏(左下)、電通・田村昌一氏(右下)
オンラインで鼎談を実施。上からUUUM市川義典氏、電通・天野彬氏(左下)、電通・田村昌一氏(右下)。

共同調査プロジェクトで分かった、「信望性」の重要度

天野:ここからは、UUUMと電通の共同調査プロジェクトのレビューについてお話ししたいと思います。2018年から始めた共同調査プロジェクト第1弾では、「生活者のインフルエンサー受容性調査」を行いました。この調査では、YouTubeやInstagramのクリエイターは「信頼性」(社会的な信用、伝統)、「信望性」(パーソナルな親しみ、好感、共感性)が共に高いという結果が出ました。市川さんにとって、最もインパクトの大きかった発見についてお聞かせください。

第1回で紹介した、インフルエンサー影響層の視点で各メディア・情報源を「信頼性」と「信望性」の軸でグラフ化したもの。
第1回で紹介した、インフルエンサー影響層の視点で各メディア・情報源を「信頼性」と「信望性」の軸でグラフ化したもの。

市川:偉そうに聞こえてしまうかもしれませんが、「われわれの予測がデータとして実証された」「予想通りだった」というのが率直な感想です。また、インフルエンサーに対する親しみ、好感、共感性を示す「信望性」というワードを天野さんが提示してくれましたよね。このワード、「信望性」という価値が明確になったことが、われわれにとってはファインディングスでした。

天野:第2弾調査では、YouTubeクリエイターの動画2件について、視聴時の脳波を測定しました。動画を見た視聴者の脳波は「ポジティブ」かつ「活性化」することが分かりました。

第2回調査画像
第2回で紹介した「Brain Behavior Insight」を活用した脳波測定の結果
第2回で紹介した「Brain Behavior Insight」を活用した脳波測定の結果

田村:信望性の背景にあるものを少しでも可視化できれば、と考えて実施した調査だったのですが、ユーザーは、想像したよりも前のめりで動画を視聴していました。集中と弛緩の差も大きかったのですが、上(集中)の部分が高く、全体でもポジティブ・活性ゾーンにいる比率が多いという結果でした。参考でやってみたCM動画との比較も驚きましたね。完成度の高いCMゆえ、さすがのゾーン比率だったわけですが、それをYouTube動画が凌駕する形だったと。われわれがなぜYouTube動画を面白く見続けてしまうのか、脳波によってその一端がひもとかれました。

市川:インフルエンサーのコンテンツは、人々にアクションを起こさせやすいことが分かりましたね。第1弾調査の「信望性」も、この調査によって科学的に実証できたと思います。

天野:今後、調査によって明らかにしたいテーマはありますか?

市川:難しいことは承知の上で申し上げれば、やはりアトリビューション(メディアごとのコンバージョンへの貢献度を測ること)でしょうか。デジタルシフトが進むにつれ、インフルエンサー、クリエイターのコンテンツの影響力も変わりつつあります。少なくとも僕の場合、YouTubeやInstagram、Twitterの情報からモノを買う機会が増えています。

僕の妻は、僕とは全く違う仕事をしていますが、日々ECサイトで商品を調べ、YouTubeやTwitterで評判をチェックし、価格比較サイトで値段やコメントを確認した上で購買行動を決めています。ネットから入手する情報は、実に影響力が大きいと感じます。

だからこそ、インフルエンサー、YouTubeクリエイターのコンテンツが、人々の行動にどれくらい影響を与えているかという調査は、今後も続けていきたいと思います。購買行動に対するアトリビューションに限らず、商品の理解促進などさまざまな角度から、インフルエンサーの影響度をポイント化できるといいですよね。

天野:アトリビューションは、広告業界の永遠の課題でもあります。コミュニケーションがデジタルシフトするにつれて追いやすくなったところもありますが、一方で複雑化もしています。テーマとしては非常に重要ですね。

withコロナのYouTubeコンテンツを考える

天野:では、withコロナにおけるYouTubeの動向、YouTubeクリエイターの今後について伺います。2020年は、新型コロナウイルスの影響で広告コミュニケーション全般に大きな影響が広がりました。ポジティブな面、ネガティブな面、それぞれどう捉えていますか?

市川:デジタルシフトが加速したのでYouTubeクリエイター、インフルエンサーのコンテンツが見られやすい環境になったと感じています。

例えば、UUUMに所属する「宅トレ系YouTuber」の竹脇まりなさん。彼女は、視聴者と一緒にフィットネスを楽しむために情報発信するクリエイターです。ちょうど急速に登録者数が伸びていた時期にコロナ禍で巣ごもり時間が増えました。運動不足を解消するために彼女のコンテンツを見て一緒に運動する視聴者が急増し、再生回数が一気に5倍近くまで跳ね上がりました。このように、コンテンツの再生回数が増えたクリエイターが非常に多かった側面はあります。

一方、広告業界全般が受けたネガティブな影響は、クリエイターにも広がっています。各企業が広告を取りやめたり、広告を展開する時期を気にしたり、さまざまな影響がありました。

また、コンテンツ制作そのものにも、制限が生じています。テレビ番組のロケもそうですが、3密やソーシャルディスタンスを気にしながら制作活動をしなければなりません。コラボレーションも行いにくい状況です。物理的な制限が少ないのがYouTubeコンテンツの魅力でしたが、制限をかけないと世の中に受け入れられなくなっています。

天野:コロナ禍における目立った動きとして、知名度があるタレントのYouTube進出も挙げられます。それにより、既存のYouTubeクリエイターとの時間の奪い合いにもなりかねません。UUUMとしては、こうした状況をどのように受け止めていますか?

市川:強がりではなく、著名タレントの進出は「競合」とは捉えていません。むしろ、協業、共存できるよう、われわれも動いていきたいと思います。そのひとつの答えとして、吉本興業との資本業務提携が挙げられます。新たなコラボレーションが生まれれば、コンテンツの幅も広がります。今後も連携を深めていきたいと考えています。

天野:これから人気を高めていきたいクリエイターに対して、UUUMとしてはどのようなサポートをし、強みを発揮していきたいとお考えでしょうか。

市川:制作に関しては、これまでにも制作会社やクリエイティブブティックの方に参加していただき、一緒に企画を考えることがありました。こうしたサポートを望むクリエイターに対しては、より一層、体制を強化していきたいと考えています。

UUUM自体も、制作会社としての機能をさらに充実させていきたいですね。また、2020年3月末に六本木ヒルズから東京ミッドタウンに本社を移転しました。クリエイターの皆さんに活用していただくスタジオが増えましたし、セットもグレードアップしています。

田村:YouTubeクリエイター以外のインフルエンサーに対しても、同様のサポートをされているのでしょうか。

市川:はい。クリエイターの方々によって、サポートの内容を変えています。例えば、アイドルグループ「神宿」のソーシャルメディア関連の活動をサポートしたり、TikTokで有名になったHinataさんのYouTubeでの活動を支援したり、クリエイターや事務所のニーズに応じてお手伝いしています。YouTubeに限らず、インフルエンサーマーケティングに関わることであれば、すべて網羅したいと思っています。

天野:コロナ禍では、YouTubeクリエイターの社会的役割にもスポットライトが当たりました。例えば、HIKAKINさんは社会活動に対してとても積極的ですよね。若年層に影響力を持つYouTubeクリエイターの社会的役割についてお聞かせください。

市川:大きく分けて、クリエイターとUUUM、二つの文脈があります。HIKAKINさんが都知事と対談し、新型コロナウイルス感染症のリスクについて啓発しましたが、あの活動はHIKAKINさんの呼びかけで行われました。

UUUMとしてもクリエイターの社会貢献を意識し、緊急事態宣言下の自粛期間中、「うちで過ごそう」というキャンペーンを行いました。賛同のクリエイターに協力していただき、できるだけ外出せずに家で過ごそうというメッセージを動画やTwitterで紹介しました。今後もクリエイターと考えが合致すれば、情報発信を通じて社会貢献をしたいと考えています。

天野:では最後に、より良い協業を行うために、広告クライアントや広告会社に対して伝えておきたいメッセージはありますか?

市川:「一緒に面白いコンテンツを作りましょう」というのが端的なメッセージです。前編でお話ししたように、タレントについては詳しくご存じなのに、インフルエンサーには疎い方はまだまだ多いですよね。こうした問題を解消する取り組み、それに必要な情報発信に今後力を入れていきたいと思っています。そのうえで、ワンチームでコンテンツを考えていけたらうれしいですね。

広告クライアント、広告会社、クリエイター、それぞれの文脈でコンテンツ制作に臨むとぶつかることも多々あります。でも、それぞれのポジションを理解し、深いディスカッションができると、全員が笑う瞬間があるんです。その瞬間があったコンテンツは、通常の再生回数より大きく跳ねることが本当に多いんですよね。

そもそも僕が広告業界に身を置いたのも、人々が笑ってくれ、喜怒哀楽の感情を揺さぶるコンテンツを発信したいという思いが原点。関わる人が多ければ多いほど楽しいコンテンツができると思うので、ぜひ一緒に作っていただけたらと思います。

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