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デジタル広告の新潮流。「コンテクスチュアル広告」でブランディング!No.1

「文脈ターゲティング」、驚異の効果!次世代の運用型広告とは?

2021/09/03

「クッキーレス」時代に向け、デジタル広告の世界ではさまざまな「ポストクッキー」となるソリューションが注目を集めています。

その一つが、文脈(コンテキスト)解析によりブランドとマッチしたメディア・コンテンツ上に掲出され、そのブランドと相性の良い生活者にリーチできる運用型広告、「コンテクスチュアル広告」(コンテキスト広告、コンテンツ連動型広告)です。

実際の記事全体像はこちらから。メディアやコンテンツの文脈を理解して、適切な枠に適切な広告を配信する「コンテクスチュアル広告」。従来のようにサードパーティークッキーに頼ることなく、そのメディアやコンテンツに興味のあるユーザーがまさに関心を抱いているモーメントを狙って広告配信できる。
■その他のサンプルは「GumGumクリエイティブギャラリー」へ
https://japan-gallery.gumgum.com/
※PCブラウザー版、スマートフォン版(縦・横)、タブレット版(縦・横)表示切替可能

本連載では、コンテクスチュアル広告のトップランナーであるGumGum Japanと電通の取り組みを例に、企業のマーケティング・宣伝担当者を悩ませる「クッキーレス」に対する一つの回答として、コンテキスト広告の画期的な点と、その有効性に迫ります。

第1回となる今回は、電通デジタルでグローバルクライアントのデジタルメディアプランニングを手掛ける小野寺信行が、デジタル広告を取り巻く最新の状況と、コンテクスチュアル広告の基本について解説します。

<目次>
運用型広告の「クッキーレス」「アンチトラッキング」化。迎え撃つ新たな一手とは
▼単純なターゲティングから、生活者・ユーザーとメディアの接触機会(モーメント) を捉える広告へ
従来の指標に捉われないコンテクスチュアル広告がもたらす新たな価値とは?

運用型広告の「クッキーレス」「アンチトラッキング」化。迎え撃つ新たな一手とは

インターネット広告は目まぐるしい技術変革の中で、「枠」から「人」へ、「予約型」から「運用型」へと進化を遂げてきました。

2019年には日本の総広告費において「テレビメディアの広告費」を逆転し、企業のマーケティング活動における主要なチャンネルへと成長したことをはっきりと示しました。

一方でここ数年、特にユーザープライバシーの領域で、インターネット広告をめぐる状況に大きな変化が起こり始めました。

インターネット広告の大半を占める運用型広告は、「サードパーティークッキー」に代表されるユーザーデータを企業が活用することで成り立ってきました。
しかし個人情報保護の機運が高まり、運用型広告市場を牽引してきた大手プラットフォーマーは、サードパーティークッキーの広告利用を規制する方向に舵を切り始めたのです。

近年の個人情報保護の動向

プライバシー保護の規制強化に伴い、ブラウザーでの情報利用の規制も強化され、昨今のインターネット広告をめぐって大きな潮流となっています。具体的には、「クッキーレス」「アンチトラッキング」への移行が加速しているのです。

ポストクッキー時代には、従来のような企業目線の一方的な情報発信ではなく、顧客体験を重視したより本質的なマーケティング活動と、生活者との信頼関係の構築が求められます。

そのような中、テクノロジーベンダー各社は「ポストクッキー」(アンチトラッキング対策のソリューション)技術の開発・提供を進めています。代表的なものをいくつかご紹介します。

●クッキーに代わるものとして注目されている技術、ソリューション

  1. Googleが発表した、個人を特定せずにターゲティングを行う「FLoC」
  2. 「Facebook コンバージョンAPI」など、プラットフォーム独自の広告識別子の開発・活用 (Amazonも独自識別子の開発を発表)
  3. The Trade Deskの「Unified ID」などの、「ID」型ソリューション
  4. GumGumに代表される、AI解析による画像や見出しなどあらゆるデータからの「文脈」(コンテキスト)を解析・活用した広告配信

今回ご紹介するのは、4つめの「コンテクスチュアル(文脈解析型)広告」です。

単純なターゲティングから、生活者とメディアの接触機会(モーメント) を捉える広告へ

前項でクッキーの代替技術を4タイプに分けて紹介しました。しかしこうした技術の多くは、各テクノロジーベンダーが開発面でまだ時間を要しているのが現状です。

そんな中でも、即効性のあるクッキー代替技術として注目されているのが、「文脈」(コンテキスト)を活用したターゲティングです。ターゲティング、といってもこれまでのようにサードパーティークッキーをベースとした「人」をターゲティングするものではありません。

メディア・コンテンツ内に掲載されている文章や単語、画像情報を識別し、その記事がどういった「文脈」の上にあるのかを解析して、適切な広告を表示するという技術。それが「コンテクスチュアル広告」です。

例えば「化粧品の記事ページに掲載されている画像上や広告枠に、化粧品の広告が表示される」イメージです。

この「文脈ターゲティング」技術で代表的なテクノロジーベンダーがGumGum。2008年にアメリカで創立された、デジタル広告のテクノロジーカンパニーです。

自社開発のAIコンテキスト解析エンジン「Verity」を用いた精度の高いコンテクスチュアル広告で急成長を遂げた同社は、2017年にはGumGum Japanを設立して日本上陸を果たし、コンテクスチュアル広告の分野で大きな実績を持つ先進的なプラットフォーマーです。

このAIコンテキスト解析エンジンは、単純に「化粧品関係のワードを含んだ記事だから化粧品の広告を配信する」といったものではありません。単なるワードのマッチングでは、ネガティブな記事に広告が掲出されてしまう可能性もありますが、GumGumのVerityは高度なコンテキスト解析により、ブランドリスクの低い配信が可能です。

ポストクッキー時代を迎え撃つにあたり、即効性のある同社の文脈ターゲティング技術は有力な選択肢になります。

実際に筆者が担当しているBtoB、BtoC業種の外資系クライアントで、GumGumのソリューションを活用した広告配信を実施しました。その結果、第三者計測(3PAS計測)において、GumGum広告経由のImp&Clickスルーの「サイト来訪」や「サイト来訪からカートページへの遷移」評価は、従来のクッキーを活用したターゲティングのキャンペーンと比較して高い効果がありました。

また、GumGumの強みとして、「コンテクスチュアル広告に最適化されたリッチなクリエイティブ」も挙げられます。広告主の希望する文脈ターゲティングに合わせて広告クリエイティブをカスタマイズし、冒頭のギャラリーで見ていただいたように、従来のバナーや動画とは異なるリッチな表現を提供できます。

文脈ターゲティング×カスタムクリエイティブ

これにより、メディアやコンテンツを訪れた生活者・ユーザーに対して「モーメント」を捉えつつ、よりインパクトのあるクリエイティブで「アテンション」を捉えることができます。ターゲティングによるデジタル広告の進化は「枠から人へ」といわれてきましたが、今やもう一歩進化し、「人からモーメントへ」という時代になりつつあるといえます。

先ほどの外資系クライアントの広告配信では、GumGumの文脈ターゲティングに加え、リッチクリエイティブによる配信を実施したところ、CTR(クリック率)も通常のバナー広告の2倍以上の数値が得られました。

これはメディア・コンテンツの文脈を正確に捉えつつ、リッチな広告表現アプローチによる相乗効果が得られた結果だと考えられます。

コンテクスチュアル広告では、メディア・コンテンツとクリエイティブのブランドスータビリティー(ブランドとの適合)も高くなるため、広告効果の向上も期待できるのです。

いよいよ目前に迫ったポストクッキー時代の技術は、今のうちからトライアンドエラーを繰り返し、知見を蓄えることが重要です。より規制が本格化されてから慌てて準備するのでは、大幅な出遅れと機会損失の恐れがあります。

なお、現代は毎秒のごとく多様なメディア・コンテンツが生まれ、マーケティング活動において捉えていくべき「モーメント」もまた刻一刻と変化していきます。

例えば、コロナ禍において「ポストコロナ」「withコロナ」「ニューノーマル」というワードのトレンドスパイクがありましたが、これらの言葉もあるタイミングであまり聞かれなくなる可能性があります。

こうした「モーメント」の変化を、柔軟かつ適切に捉えて、広告活動におけるPDCAに転換していくフローの確立は、今後のマーケティングにおける課題でしょう。コンテクスチュアル広告はそういった観点からも、常に最新の状況に対応できるソリューションとしての価値があると思います。

従来の指標に捉われないコンテクスチュアル広告がもたらす新たな価値とは?

GumGumが業界をリードするコンテクスチュアル広告が実現する世界とはどんなものでしょうか。

単に「サードパーティークッキーを広告配信に使えなくなるから、その代用品としての運用型広告の新たな選択肢」という捉え方もあるでしょう。しかし、前項でも書いたように、コンテクスチュアル広告の真価はそこにとどまりません。

メディアの生命線である記事・文脈の情報データに基づき、今その記事を読んでいる(=情報を得ようとしている)生活者・ユーザーへ、適切なタイミングで、目を引くブランデッドな広告クリエイティブによるコミュニケーションを創出する。

コンテクスチュアル広告は、企業と生活者・ユーザーとのエンゲージメントをこれまでの広告効果以上に高めていくことが可能なのです。

「文脈ターゲティング」が可能とする運用型広告

これら3つのトリガーを意識した広告コミュニケーションプランニングは、インターネット広告をより本質的なものに回帰させると筆者は考えています。

どういうことかというと、これまでのインターネット広告の主な成果指標であった「低CPC」や「低CPA」ばかりを目標とした一意的な広告プランニングや効果検証は、今後はアンチトラッキングの厳格化・クッキーレス時代の到来により、持続性が低くなります。

さらに、生活者・ユーザーのLTVの観点や、ブランドセーフティやアドフラウド問題等の視点から複合的に広告効果を見定める際は、必ずしも「コスト効率がよい広告」の広告効果が高いとは言い切れないものとなります。

一方、コンテクスチュアル広告で「3つのトリガー」をベースとした生活者・ユーザーファーストのプランニングができるようになれば、本来メディアと広告が持つ機能・アセットを、有機的にコミュニケーションに生かしていくことができます。

これにより、本来メディアや広告が目指していた「生活者に喜ばれるコミュニケーション」への回帰が実現できるのです。

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