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UXという、当たり前の革命No.6

激変するUX–レンタルビデオから動画配信への拡大

2013/09/05

 

前回、良いUX(ユーザーエクスペリエンス)は新しい日常風景を創り出すという内容だった。現代において、その日常風景は永遠に日常風景であり続ける保証はない。

みなさんに馴染みのあるところではビデオレンタル業界がそうだ。
かつてビデオレンタルという業界の製品やサービスのUXは店舗に行ってDVD(昔はビデオテープ)を借りたり、返したりということだった。それが進化して、ショップに行かなくても自宅に郵送でDVDを届けてくれて、返すときも郵送で返せるというサービスが登場した。

更に進化して、自宅の郵便受けに行く必要もないし、郵便ポストに返却しなくても良いのがHuluのようなネット完結型の動画配信サービスである。Huluは店舗を持たず、月額980円で、PC、テレビ、タブレット、スマートフォンのどれからも視聴できるという特徴を持つ。ユーザーからしたら便利極まりない。

こうなると技術的な進歩はもちろんだが、各社のサービスが進化したというより、動画をレンタルして見る行為や、そのビジネス自体のUXが進化したといえるのではないだろうか。

ビデオレンタルショップ側が現状で勝てるのは新作だけでなく豊富な旧作を置いている点かもしれない。また通勤や通学の通り道にショップがある場合は習慣として立ち寄る人は多いだろう。いずれにしても、動画をレンタルする場合にどういったUXを選ぶかはユーザー次第であり、現在はいくつものUXが混在している。私自身、ショップにも行くし、Huluを観たりもする。

そしてHuluをも超える新感覚動画配信、Vikiについても触れておこう。Huluを超えるとは、Huluが有料なのに対してVikiは無料だ。www.viki.com Vikiは2010年12月に立ち上がった無料動画配信サービスで、その特徴は各国のテレビドラマや映画、PVなどの動画コンテンツにボランティアによる各国語の字幕スーパーを入れて配信することにある。あらゆる動画コンテンツの言語バリアを、ボランティアであり動画視聴ファンでもある各国ユーザーの力を借りて突破するという、全く新しいスタイルを確立している。収入源は広告である。

また、コミュニティがグローバルに形成される点も大きな特徴である。字幕を付ける作業に参加することもできるし、コミュニティで観た動画コンテンツについて意見交換することもできる。これだけでも大したエンターテインメントになっているが、語学を楽しみながら勉強できる側面もあったりして、かなり考えられた真のグローバルプラットフォームといえるのではないだろうか。


今回の一言:
良いUXは新しい日常風景を創り出すが、いずれ別の優れたUXに代替される。