事業成長を加速させる人事戦略「HR for Growth」No.1
「人事改善思考」から「事業貢献思考」の人事変革で事業成長を推進、
事業部と人事部の“接続力”を強め真の人的資本経営に向け伴走支援
2024/01/29
※2023年12月20日 『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー・オンライン』に掲載された記事広告です。
※ITID、電通国際情報サービス、ISIDビジネスコンサルティングは統合し、2024年1月1日付で「電通総研」に社名を変更しました。
サマリー
人的資本経営の実現のため人事制度改革や人事施策開発に取り組む企業は多い。しかしそれら施策が大きな成果につながらないケースが増えている。この課題を解決する電通グループのCHRO、戦略人事向けプログラムとは。
人的資本経営の実現を通して、持続的な事業成長を目指すべく各種人事施策を実行する企業は多い。しかしいま、それら施策が大きな成果につながらないと頭を抱えるケースが増えている。こうした悩みに陥らないようにするには、人的資本経営を“人事ごと”にしないことが肝要だ。“人事”と“事業”両方の視点から人的資本経営を実現する、電通グループのCHROおよび戦略人事チーム向けプログラムについて追う。
<目次>
▼「人事変革の2周目の悩み」にどう向き合うべきか
▼“人事”だけに閉じない経営視座での人的資本経営の推進
▼人事施策が事業の現場に受け入れられるために必要なこととは
▼“人”と“事業”に徹底的に寄り添ってきた電通グループ
「人事変革の2周目の悩み」にどう向き合うべきか
「従業員が自発的にキャリア形成できるよう社内公募制度を導入したものの、まったく応募の手が挙がらない」「従業員エンゲージメント向上のための施策をいろいろ実行したが、スコアの向上につながらない」「DX(デジタル・トランスフォーメーション)人材育成のための研修を導入して、多くの社員に受講してもらった。しかし、その後の成果の“手触り感”がまるでない」。最近、そんな悩みを口にする経営層・人事担当者が増えている。
組織の根幹を成す「人材」の育成・強化は、企業変革の要だ。人的資本経営の実現を目指すべく、人事施策にてこ入れした企業は少なくないだろう。
しかし、経営層や人事部門の強い思いとは裏腹に、打った各種施策が空回りしたり、部分的な成果に留まってしまったりするなど、組織全体にうねりをもたらすような「大きな成果」を生み出せないケースが多発している。
代表的なのが冒頭のような事例。「正しいはずの人事変革を一通り進めてきたけれど、人材成長につながっていない、という悩みを持つ人事担当者の方が本当に多いと感じています。我々はそれを“人事変革の2周目の悩み”と呼んでいます」(アイティアイディ〈ITID〉エグゼクティブ・コンサルタントの高橋舞氏)
こうした悩みはいったいなぜ生じるのか。その理由をひも解くとともに、2周目の悩みを解消して人事施策を真の人材成長と事業成長に結びつけるための、あるユニークなプログラムについて明かす。
意外にも、2周目の悩みを引き起こしている大きな要因は、経営層による変革ビジョンのアナウンス不足でも、人事施策の周知不足でもなさそうだ。変革下に置かれる従業員の「生の声」なども参考に、企業の発展にいまこそ必要な視点を探る。
“人事”だけに閉じない経営視座での人的資本経営の推進
「変革が成功している企業の経営者の方々とお話をさせていただくと、皆さん総じて事業だけでなく、人事や文化にも非常に強い関心を持たれているという特徴があると感じます」(高橋氏)
人事変革の2周目の悩みの原因、それは、人的資本経営の推進を人事部門だけで行う“人事ごと”にしてしまっていることにある。
経営層からの指示を受けていたとしても、人事制度改革や人事施策開発といった人事に関する施策を、人事部門だけで完結させることが困難な時代になってきているのだ。企業としての大きな変革使命を背負っている経営層が起点となり、人事部門が中心となって事業部門と有機的につながりながら人事変革を進めていくことが求められるようになっている。
実際、従業員はなかなか前向きには動いてくれないものだ。電通が2022年、大企業の従業員600人を対象に行った「企業変革に関する従業員意識調査」ではそれが浮き彫りになっている。
- 自社の企業変革に前向きな「変革推進層」は、約20%に留まった。
- 変革に対して「何も行動していない」従業員(38.3%)が、「何らかの行動を起こしている」従業員(32.3%)を上回った。
- 約90%の従業員が、自社の変革に対して「何らかの不安」を感じている。
「このようなシチュエーションにおいては人事部門だけが頑張るのではなく、経営層のリードの下、人事部門が中心となった全社的な取り組みが必要になります。大きな変革のプロセスやストーリーを描いたうえで、人事施策を社内に展開していくことが重要です」(高橋氏)
では、何からどう手を打てばいいのか。
人事施策が事業の現場に受け入れられるために必要なこととは
人事施策は往々にして、事業の現場が受け入れにくいものになりやすい。これもやはり、人的資本経営の推進が“人事ごと”になっていることが大きい。
各種人事施策が事業部門不在のまま、経営層の一部と人事部門だけで企画・推進されがちなこと。また、「採用」や「育成・組織開発」などの機能ごとに分かれた組織体系を背景に、それぞれの施策が散発的に打ち出される傾向にあることは、人的資本経営を推進するうえで大きな課題になることが多い。
「ビジネスの現場である事業部門の現状理解が不十分なまま、新施策を人事部門からの“一方通行”で五月雨式に企画、推進してしまうケースは少なくありません。しかし肝心なのは、新施策によって具体的にどう人材を成長させ、事業部門の収益拡大につなげるかです。人事の各種施策が、事業部門の現状課題にきちんと接続されていないと、現場にとって受け入れにくいものになるリスクが高いのです」(電通データマーケティングセンター シニアプランナーの若竹淳平氏)
そこで電通グループが提供に本腰を入れるのが、「HR for Growth」だ。下図の通り、人事部門と事業部門それぞれの戦略、施策、KPI(重要業績評価指標)の“接続力”を強化。人事施策によって人材成長だけでなく、事業成長までをも促すプログラムである。
本プログラムは、人事領域の改善を目指す「人事改善思考」の人事から、事業成果に寄与する「事業貢献思考」の人事へのパラダイムシフトを促進するものだ。人事戦略を通じて経営戦略を推進していくCHRO(最高人事責任者)やその戦略人事チーム、さらには事業成長への寄与意識の高い人事メンバーを支援するものとなっている。
たとえば人事部門の各種研修に対するKPIには一般的に、受講人数や研修内容に対する受講者の満足度が据えられる。それでは「人事改善思考」の枠を超えられていない。「事業貢献思考」に転換するためには、研修で得られた知識を事業現場の業務でどう発揮し、どう評価するのかまでトータルで設計し、KPIを設定することが必要だ。そこまでして初めて、人事部門と事業部門を“接続”したと言うことができる。
また、CHROやそのチームには、さまざまな課題が経営層から降ってくる。社員のスキルセット改革、マインドセット改革、エンゲージメント向上、パーパス浸透、カルチャーメイク……。それらの課題をつなぎ、一つの人事変革プロセス・人事変革ストーリーとして仕立て、事業成長へつなげていくという“接続力”も必要だ。
電通グループはそれら人事変革プロセス・人事変革ストーリーの設計や、人事部門と事業部門における連携強化支援はもちろん、その過程で必要となる社内浸透施策などもサポートし、人事変革の2周目の悩みを解消させていく考えだ。
HR for Growthはまさに、経営の意思を起点とした人事変革を“人事ごと”にせず、その完遂のために人事部門と事業部門の有機的なつながりを生んでいくためのプログラムだといえる。
すでに本プログラムを活用した成功例も出ている。
“人”と“事業”に徹底的に寄り添ってきた電通グループ
サンリオでは、社長交代を機に新たに策定された「VMV」(ビジョン、ミッション、バリュー)に対する理解・共感の醸成に向けた変革コンセプトを開発。さらにVMVを日常業務に接続するための、人事や各部署との各種取り組みもサポートした。
また保証関連事業を手掛けるジェイリースでは、事業部門の従業員を巻き込みながら人事制度を再構築するプロジェクトを実現した。新制度を現場が納得できるものにするため、公募によって次世代を担う人材を集め、評価・等級・報酬制度の見直しに臨むタスクフォースを結成。結果的に新制度への従業員の理解が深まり、エンゲージメント強化や人材確保にまで貢献しているという。
「毎週数件のご相談が寄せられています」。若竹氏がそう明かすように、サンリオやジェイリースなどでの成功を追い風にして、電通グループへのクライアントからのニーズは順調に高まっている。
ただし昨今はコンサルティング会社なども、企業の人事制度改革や人事施策開発のサポートを請け負おうと攻勢を仕掛ける。HR for Growthの競合サービスにない強みとは、どこにあるのか。
「いま求められる人事コンサルティングの価値は、既存の人事領域をはみ出した課題設定力と、それに対するアプローチ力であると思います。そういった期待値から、我々へのお声がけが増えているのかなと推測しています」(高橋氏)
実はHR for Growthにおいて電通グループは、他のコンサル会社には網羅できないほど幅広い価値や機能を提供することができる。根底にある電通グループの強みは、集約すると3つある。
1つ目はプロデュース力だ。顧客企業の事業成長のためのブランディング・コミュニケーション活動支援や、新商品・新規事業の開発支援など、事業現場における伴走経験が豊富にある。加えて、顧客企業内の複数の部門を調整・仲介し、一つの目的に向かってベクトルを合わせていくノウハウを所有している。
2つ目は、「人基点のマーケティングメソッド」(若竹氏)だ。データドリブンで人の心を動かし、行動変容につなげるという、対消費者で培ってきた「人基点」のマーケティングをHR(人的資源の活用)に応用。エンプロイージャーニーをベースに社員一人ひとりの意識変容や行動変容を促し、さらにはその先の事業成長への貢献にまでつなげる施策設計が可能だ。
3つ目は、グループ総合力である。人事コンサルとして実績を積んできたイグニション・ポイントや、国内2700社が導入する統合人事システム「POSITIVE」を提供し、人事データをフル活用するデータドリブン人事を支援する電通国際情報サービス(ISID)……。グループ会社の知見、製品、ソリューションを適宜組み合わせることで、事業成長に寄与する人的資本経営を実現するための人事の取り組みを支援できる。
事業部門と人事部門の接続を高めながら、人的資本経営を通して事業成長や企業価値向上という確かな成果に結びつける――。電通グループは唯一無二のやり方で、“人事”だけに閉じない経営視座での人的資本経営を推進し、企業変革完遂に向け顧客企業に伴走する。