サステナブルな撮影スタジオ「FACTORY ANZEN STUDIO」が1月29日、こけら落とし
2024/02/02
電通クリエーティブキューブはサステナブルな撮影スタジオ「FACTORY ANZEN STUDIO」を横浜市鶴見区寛政町にオープンし、1月29日、こけら落としとなるテレビCM・グラフィック撮影を行った。
「サステナブル & Well-being」をコンセプトに開発された本スタジオは、広告などのクリエイティブ制作におけるカーボンニュートラルを目指している。スタジオで使われる電気は再生可能エネルギー100%※のものを使用、撮影によって出るゴミはリサイクルを推進し、2025年にはリサイクル率90%を目指している。
※実質的に再生可能エネルギー100%の電気を購入し、電力使用に伴うCO2排出量ゼロを達成する。2024年夏に、屋上に太陽光発電設備を新設する予定。
スタジオはRED st.とBLUE st.の2面設計で、RED st.には最新技術の「バーチャルプロダクション(VP)」を採用。LEDパネルに背景を映像として映し出し、被写体と組み合わせてリアルタイムで映像制作を行うことができる。これにより、美術セットの廃棄量を大幅に削減し、ロケ撮影の移動によるCO2排出も削減することができる。
また、電通グループが独自に開発した、クリエイティブ制作におけるCO2排出量を算出して可視化する「Carbon Calculator for Movie Production 」にも対応。本スタジオで行われた撮影が、どれだけCO2を排出したかを可視化することができる。CO2排出量のデータを蓄積・検証することで、より環境負荷の少ない制作を目指していく。
29日の撮影を行った、クリエーティブ・ディレクターの奥野 圭亮氏(電通)と、プロデューサーの大澤 健太氏(電通クリエーティブキューブ)は、「これまでの撮影では、どんな立派な美術セットも、撮影終了後はすぐに壊され、ほぼ廃棄されていました。何とかならないのかという思いをずっと持っていたので、VPの活用で大幅に改善されることを期待しています。うまく活用することでコスト削減にもつながっていくのでは」「サステナブルは経営課題にもなっている今、広告制作においても環境負荷を軽減することは、クライアントにとっても価値のあることだと思います」と、その重要性を語った 。
センター長の小川 顕氏(電通クリエーティブキューブ)は、「新しくつくるのであれば、これまでにない、次世代のスタジオをつくろうと決めて設計しました。どうすれば使い勝手がよく、かつ、サステナブルなものにできるか、電通グループでアイデアを出し合って実現しました。撮影スタジオとしてだけでなく、最新の撮影技術を研究・実験するR&D拠点としても活用していく予定です」と語った。
設計アイデアはクリエーティブ・ディレクターの佐藤 俊一氏(電通)が中心となって担った。「使う人が気持ちよく、居心地よく。古い伝統から、新しい技術まですべてを使い、年齢や役職の垣根をこえて、みんながひとつになって創造する。ものづくりのためのスタジオを目指して、全体設計を進めていきました。使う人全員でサステナブルの意識を高めていく実証実験の場にしたいと考えています」(佐藤氏)
次世代の撮影スタジオとして、広告制作はもちろん、最新のクリエイティブが生まれる場としても、その活用が期待される。