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基点は「欲望」、心が動く商品開発No.1

その新商品開発、顧客の“心”が動きそうですか?

2025/02/13

新商品を開発するなら、ヒットするものを生み出したい。お客さまに本当に喜ばれるものをお届けしたい──。商品開発担当者なら誰もが願うことですが、アイデア発想や開発プロセスがマンネリ化し、打開策を見つけられず苦戦している方も多いのではないでしょうか。

それを打破するために、これからの商品開発には一体どんな視点やプロセスが必要なのか。世の中の消費の流れを調査する電通の組織横断型プロジェクト「DENTSU DESIRE DESIGN(DDD)」の千葉貴志氏が、これまでの研究や商品開発支援経験をもとに解説します。

※本記事は、Do! Solutions掲載のブログをもとに再編集しています。

 

千葉 貴志(ちば たかし)
千葉 貴志(ちば たかし)  電通 プロデューサー/プランナー。営業、デジタル、テレビ、電通総研などを経て、2022年よりクライアントの未来の企業価値を創発する未来予測支援ラボ/未来事業創研と、消費者研究プロジェクト「DENTSU DESIRE DESIGN」で欲望を基点とした消費動向やトレンド分析、新商品開発などを手掛ける
<目次>
最重要ポイントは「心が動く」かどうか

「心が動く」とは、「欲望」が満たされること

商品開発プロセスに「欲望」視点を取り入れよう
 

最重要ポイントは「心が動く」かどうか

新商品開発担当者のよくあるお悩み

「DENTSU DESIRE DESIGN(DDD)」では、これまでさまざまな企業の新商品開発を支援してきました。そうした現場では、新商品開発の悩みとして次のような声を聞くことがあります。

「シーズ発想や事情からではなく、お客さま視点の商品開発を行いたい」
「『こんな商品が欲しかった!』とお客さまに心から愛してもらえる新商品をつくりたい」
「既存のデータや調査から考える新商品アイデアは手堅いけど、化けそうな感じがしない」
などなど……。

お客さまの声やニーズに応えるのは当たり前のことではありますが、言うは易(やす)し行うは難し。企業視点に陥ってしまう、表面的なニーズしか拾えていない、などの課題はつきものです。もう一歩深くお客さまの“心の内”に踏み込むことで、新商品開発を成功させたい。そう考える企業や担当者が多くいると実感します。

最近ヒットした商品に見られる共通項とは?

一方、最近のヒット商品を見渡してみると、なるほどうまく消費者の心の内をつかんでいるなと思うものがあります。

例えば、最近人気の「1000円ガチャ」。特に話題になったのは、兵庫県の西紀サービスエリアで実施された「ガチャめし」です。これは(1000円ではないのですが)500円で最大2500円のメニューが当たるという企画で、価格のオトクさだけでなく、何が出るかわからない“ガチャ”という特性が「日常の中で非日常のイベントを体験したい」という消費者の欲望にマッチしたのだと考えられます。

また、ミツカンが開発した黄えんどう豆100%のヌードル(麺)「ZENB(ゼンブ)」は、ヘルシーさやおいしさはもちろんのこと、実は「私たちが食べるのは普通の麺であること=UI(ユーザーインターフェース)がシンプルであること」がポイントだと考えられます。シンプルな商品の背景に、野菜から麺を作るという膨大な工夫と工程が詰まっている。これが、タイパ(タイムパフォーマンス)性を求める昨今の消費者の心に響いた要因の一つだと言えるでしょう。

こう考えていくと、ヒット商品の鍵は単なるオトクさや機能性だけでなく、いかに「心の内を深く知り」「心が動く」商品を開発できるかであることが分かります。きっと多くの商品開発担当者の方々も、このことに気づいているのでしょう。

「心が動く」とは、「欲望」が満たされること

顕在ニーズに応えるだけでは、心が動くとは限らない

「心の内」や「心が動く」ということについて、もう少し掘り下げて考えてみましょう。

マーケティングにおいて「お客さまの心の内をつかむ」といった言い方をするとき、お客さまのニーズにしっかりと応えることだと思っている人がいるかもしれません。もちろんそれは正しいのですが、消費行動に至る心の動きには、実はもっと細かな段階があります。

例えば「○○(商品/ブランド)が飲みたい」という直接的なデマンドもあれば、その手前には「水が欲しい」「喉が渇いた」といったもう少し漠然としたウォンツやニーズがあります。しかし、いずれも顧客自身が自覚しているものなので、満たされたら一定の満足はしますが、心が動くまでの感動や発見は得られないかもしれません。DDDが考える「心の内」とは、顕在化されたニーズのさらに奥にある「本当のしたい/欲しい気持ち」を指しています。

「本当のしたい/欲しい気持ち」を「欲望(=Desire)」と定義

DDDではこの「本当のしたい/欲しい気持ち」を「欲望(=Desire)」と定義し、それこそが心が動く消費の重要なドライバーだと捉えました。つまり、心が動く商品とは「欲望」を満たすことができる商品だと言うことができるのです。

本当の気持ち(=欲望)に応えることで、消費の好循環が生まれる!

欲望に応える商品やサービスによって一度「心が動く」消費体験をすると、次もまた良い消費をしたいという気持ちが起こるということが、私たちの調査から明らかになっています。

「同じものをリピートして買いたい」「別のジャンルだが新たに欲しいものが出てきた」といった消費の広がりが生まれ、また次の満たしたい欲望が生まれてくるという、消費の好循環が生まれる。DDDが欲望に着目した商品開発を推奨する理由は、まさにここにあります。

消費の好循環

この消費の好循環は、生活者の暮らしにうるおいを与え、豊かなものにする原動力にさえなり得ます。「心が動く」新商品開発を目指すことは、ヒットを生むだけでなく、人々のウェルビーイングやブランドイメージの向上にもつながる非常に重要な観点であるとも言えるでしょう。

商品開発プロセスに「欲望」視点を取り入れよう

心が動く新商品開発を具体的に行うには

では、そうした「心が動く」新商品は、いかにして生み出すことができるのでしょうか。

一般的な商品開発のフローは、下記のように新商品開発の基本方針策定→コンセプト開発→上市に向けたローンチ戦略立案という大きな流れで進めていくと思います。このフローをまったく変える必要はありませんが、すべてのプロセスを「欲望基点」で行うことが、心が動く新商品開発の大きなポイントとなります。

すべてのプロセスを「欲望基点」で

例えば基本方針策定において欠かせない「消費者調査」も、消費者がどういった欲望を抱えているか心の奥まで踏み込んで分析することで、消費のドライバーとなる要素を的確に抽出することができます。

また、上市に向けた戦略を具体的に設計していく際にも、顧客の欲望に基づいた体験設計を行うことで消費者本位の一貫した戦略立案を行うことができるのです。

 “欲望基点の新商品開発”をサポートする新プログラムが登場!

……とはいえ、「心の奥まで踏み込んだ顧客調査はどうやってやるの?」「顧客の欲望を正しくつかめるかわからない」「欲望に応える商品アイデアが発想できるか自信がない」など、自分たちだけで欲望基点の新商品開発に取り組むのは難しいと思われているかもしれません。

そんな企業のために、DDDでは欲望基点の商品開発からブランディングまで一貫して支援するソリューション「心が動く新商品開発プログラム」を提供しています。欲望に関する独自の調査データや知見をふんだんに活用し、ターゲットの欲望を可視化。狙うべき欲望を明確にし、商品のアイディエーションや顧客体験の設計をサポートします。この記事を読んで欲望基点の商品開発に興味を持たれた方には、ぜひ知っていただきたいソリューションです。詳細については次回の記事でじっくりご紹介しますので、どうぞあわせてご一読ください。


関連eBookはこちらからダウンロード
「心が動く新商品開発プログラム by DENTSU DESIRE DESIGN」ダウンロード

 

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