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釜山国際映画祭「ACFM」に電通のアーロン・ズー氏が登壇。デジタルヒューマンについて講演

2024/10/09

    釜山国際映画祭(BIFF)が主催する、アジア最大のコンテンツマーケット「第19回アジアコンテンツ&フィルムマーケット(ACFM)」が2024年10月5日から8日にかけて韓国・釜山で開催された。電通でデジタルヒューマン・キャスティング事業を推進する、事業開発プロデューサーのアーロン・ズー氏が登壇し、生成AIで広がるデジタルヒューマンの可能性について講演を行った。

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    ACFMは、映画や書籍、ウェブトゥーン、ウェブ小説、物語に至るまでのコンテンツの権利取引などのために専門家が集まる世界的なイベントで、各国のコンテンツ販売会社やライセンス会社の代表者、バイヤー、アーティスト、投資家が集まる。

    アーロン・ズー氏が講演を行ったデジタルヒューマン・キャスティング事業とは、生成AI技術を用いて、人間にそっくりな姿で自由自在に動く「デジタルヒューマン」の実用化に向けた取り組みで、従来のタレントキャスティングでの課題や限界を乗り越える手段として、注目されている。同事業は、日本の大手芸能事務所と国内電通グループが立ち上げたもので、日本独自コンテンツのグローバル化を「ワタナベエンターテインメント」、キャスティング領域での拡張を「ホリプロ」と電通がそれぞれ共同に行う。

    アーロン・ズー氏は講演のなかで、キャスティング業界における「デジタルヒューマン」の可能性と、リアルタレントの活躍の場の拡張について語った。

    「デジタルヒューマンは、リアルタレントと共存してこそ、その価値が保たれます。デジタルヒューマンの価値は、リアルタレントと切り離して考えることはできません。デジタル化が進む今の社会において、リアルタレントの活動領域がテレビCMや雑誌といった従来の広告領域であるならば、デジタルヒューマンは、デジタルサイネージなどの『DX』(Digital Transformation)領域です」と語った。

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    講演では、従来のタレントキャスティング事業の課題であった人気タレントの「稼働時間の確保」や「移動の制約」、さらには「言語の壁」などにも話がおよんだ。

    「テレビCMやイベントといったリアルタレントだからこその活動は従来通り行いつつ、例えばSNSやデジタルメディアなどの簡易的な撮影はデジタルヒューマンが担うことで、タレントマネジメントの効率化や製作費の削減が期待されます。さらに、日本独自のコンテンツである『落語』などの伝統文化も多言語対応をすることで、グローバル市場でもその価値や面白さを伝えることができます。デジタルヒューマンはリアルタレントの活躍の場を広げることにも貢献するのです」と語ると、会場では各国のコンテンツの専門家を中心に、大きな関心が寄せられた。

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    釜山国際映画祭が主催する本会場には、アーロン・ズー氏の新規事業開発のモデルとして起用されたタレントの佐藤和奏も登場し、デジタルヒューマンの実現化に向けてエールを送った。

    2025年からの作品を対象に、2026年から米アカデミー賞でも「キャスティング部門」が新設されるなど、エンターテインメントの世界ではキャスティングそのものにも注目が集まるなか、リアルとデジタルの融合によって、新しい「キャスティング」の可能性が広がっている。

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