高校生の子宮頸がんの予防啓発イベント「高校生アイデアフェス」が開催
2024/11/26
がんサバイバーのための社会活動団体「LAVENDER RING 」と港区の共催によるプロジェクト「高校生アイデアフェス #仲間と一緒に考える子宮頸がん」のアイデア発表イベントが、11月9日(土)にみなと保健所で行われた。同プロジェクトは子宮頸がんの予防啓発を目的としたもので、高校生からアイデアを募り、一緒に考え、形にしていく取り組み。3回目となる今回は、「高校生の間で、子宮頸がんがワクチンや検診で予防できることを伝えるステッカーを作る」ことをテーマに開催され、11グループ30人の高校生が参加した。
LAVENDER RINGのホームページやSNS、港区から区内の高校への呼びかけで集まった応募者に対し、10月27日(土)にオリエンテーションが行われた。オリエンテーションではテーマの出題や審査基準などの説明のほかに、子宮頸がんに関する基礎知識のインプットが行われた。
基礎知識のインプットは、産婦人科医で、HPV感染症の正しい知識を伝えることを目的とした「みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト」(一般社団法人「HPVについての情報を広く発信する会」)代表の稲葉可奈子氏、港区のみなと保健所の土井重典氏の2人が講師となり、子宮頸がんやHPV感染、その予防について講義をした。また、オンラインでは、タレントで自身も子宮頸がんと子宮体がんの経験を持ち患者会「よつばの会」を運営する原千晶氏の体験談、大学3年生で子宮頸がん予防と早期発見のための任意団体Lumiere(ルミエール)を立ち上げた遠藤咲幸氏の課題解決事例なども提供された。
また、課題の捉え方やアイデアの発想の手法、社会問題についてのクリエイティブな事例の紹介といった表現技術のインプットがLAVENDER RINGのメンバーにより行われた。
オリエンテーション後は、電通のクリエイターが各グループに1人ずつ担当につき、アイデアやプレゼンテーション資料のブラッシュアップを一緒に行い、今回のアイデア発表イベントを迎えた。
アイデア発表イベント当日は、各グループ、持ち時間3分のプレゼンテーションの後に、審査員がそれぞれ講評した。審査は、稲葉氏、遠藤氏、原氏と、港区長の清家愛氏が担当。また、オブザーバーとして、認定NPO法人キャンサーネットジャパンの古賀真美氏が参加した。
〈高校生グループが発表したアイデア〉
自身で情報を収集し、課題の捉え直しから行ったグループや、高校生に伝える工夫を凝らしたアイデアや、自分ごと化してもらうという受け手の心理を考慮したアイデアが見られた。
今後は、参加高校、港区の関連施設、稲葉氏のクリニック、原氏のよつばの会などでのステッカーの配布を行う。また、11月30日(土)に行われる「Hellosmile in Sanrio Puroland 2024」に参加高校生たちが登壇する予定。
社会課題について当事者が原因を捉え直し、解決案を具体的な形にする過程を、自治体とLAVENDER RINGのメンバーとクリエイターでバックアップするというこの試みも、3回で参加者は合計80人を超えた。社会課題に向き合う人たちの輪が着実に広がっているといえそうだ。