COMMUNICATION SHIFT
2013/07/04
野良袋:いよいよ最終回だな。
並河:そうですね。
野良袋:前回の話もふまえ、いままで出てきたいくつかのシフトをCOMMUNICATION SHIFTとしてまとめてみよう。
・理解しえぬものを受け入れてしまうことへの非自覚→理解しえぬものを受け入れることへの自覚
・貨幣とモノ・サービスの交換をうながすもの→さまざまな価値と価値の交換をうながすもの
・今の価値を起点にした考え方→潜在的にそこにある未来の価値(ポテンシャルバリュー)を起点にした考え方
野良袋:広告がその存在のありかたを問われているとしたら、そこに哲学は有効、それは便宜的な意味でも有効なんだという話を最初にしたと思う。だから、行動をともなわない哲学は意味がない。
心の中の広さと、世界の広さはちょうど同じ大きさなんだぜ。おまえはまだ気づいていないかもしれないけれど。内なる心をさまようことと、世界に向かって行動すること。そのくりかえしによって、たまねぎの皮がむけた瞬間のように、真実とは見えてくるものでもある……。
並河:……。
野良袋:だからシフトとは「こうなっていく」というものではなく、「こうしていく」というもの。動きのある意思なんだ。
並河:COMMUNICATION SHIFTとは、動きのある意思を持って、広告の未来のありかた(それは合わせ鏡のように世界の未来のありかたでもある)を探り、示し、つくっていくこと。
野良袋:動き回って、探しまくって、真実が見えた、と思っても、また、すぐに見えなくなる。分からなくなる。だから、また真実を探す。でも、そういうところが人間らしさというものなのかもな。そして、その真実とは、意外と近くにあったりもする。
並河:あ!野良袋さんの、その袋の中に入っているものは、もしかして……真実?
野良袋:いや、ただの空気さ。
今回で最終回です。どうでしたか?
まとまりきらなかったので、というか、まとまりきるたぐいのものじゃないので、
どこかでこの話の続きはしたいと思っています。
ずっと読んでくださったみなさま、本当にありがとうございました。