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ワカモンのすべてNo.12

SEKAI NO OWARI×大蔵桃子:後編

「SEKAI NO OWARIのゴールは何処に?てっぺんの景色より、登山が楽しいんだ」

2014/04/23

 

 

前回に続き、子供から大人まで幅広い層で絶大な人気を誇る4人組バンド「SEKAI NO OWARI」の4人にワカモンメンバーである大蔵桃子さんがインタビューしました。

「SEKAI NO OWARI」の4人にワカモンメンバーである大蔵桃子さん(中央)

縮まることのない「夢」との距離

大蔵:「yume」という楽曲も出されていますが、今の皆さんって、それぞれ昔描いた自分の夢の姿なのでしょうか?

Nakajin:多分とっくに過ぎてるはずだけど、不思議とそんな気がしないよね。何かをかなえようという感じじゃないというか。

Saori:バンドを始めた頃は、下北沢のSHELTERっていうライブハウスでやることが夢だったんです。あそこでいつかライブできたらいいねって。だからとっくのとうにその夢は超えてるはずなんですけど。

Fukase:いつの日からか、有名になることが夢になってきたから。そして、その夢はどんどん広がっている。これぐらいでいいやって思ってた有名具合も、進めば進むほどなんか足りない気がして、どんどん、どんどんと…。


Saori:なんかこう、現実と夢との距離がずっと縮まらないまま動いてるような感じがしない?

Fukase:山登りをしてるんだけど、別に僕たちって頂上の景色が楽しみで登ってるわけじゃないんだよね。多分、山登りが楽しいからどんどん違う山に登ってて。実際、頂上の景色って僕たちあんまり見ないじゃん?

Saori:うんあんまり見ない(笑)。割と頂上あたりで「次さー」って話し始めて、すぐ下りちゃう。

DJ LOVE:富士山登って、ご来光見ずに下りてくる感覚だよね。

Fukase:そういう感じで、登ることがすごい楽しいというか、とにかくどんどん新しいステップに行くのが面白い。「yume」の歌詞にもあるんですけど、夢をかなえることがそんなに夢じゃないというか、こうやって一緒に歩んでいくことが楽しいから。

大蔵:今、若者世代に、あまりチャレンジしないみたいな空気があるんですが、それはきっと、きっかけが見つからないという環境にも要因があるのではないかと。初めにそういうステップを歩み始めたきっかけって何だったんでしょうか?

Fukase:楽しかったから。僕たちはライブハウスをつくった第1期なんですけど、2期、3期とメンバーがどんどん入れ替わって、今は5人ぐらい若いスタッフがいるんです。彼らを見てて思うのは、何というかマジメなんだよねー。ライブハウスを運営するっていうことが最終目標になってる。僕らはバーベキューやりながら音楽つくったり、木切りながら適当にお酒飲んで歌唄ったり、いつも楽しんでたから。今の若い子って、こうじゃなきゃいけないみたいに肩に力が入りすぎてるんじゃないかな。

Saori:やっぱ、仲間、友達と何かをやってみるのは素晴らしい経験だなっていうのは思う。これだけずっと一緒にいるからこそ、自分のモチベーションがずーっと上がり続けて、「もうこれでいいや」って思わないところに自分がいられる感じがするんです。

コミュニティー意識と、仲間との関係値

大蔵:バンド活動以外もシェアハウスで共同生活をしていて、一緒でいること、同じゴールを見るという点で、何か4人の中で共有できていること、大事にしているものがありますか?

Fukase:難しいけどね、気が抜ける場所をどうつくるかとか…。でも割と、さっぱりしてるんだと思いますよ。みんな。


Saori:私が一番さっぱりしてなくて、よくうだうだ引きずったりするんですけど(笑)。心の中でずっと思ってるのはナシっていうルールは何となくあるよね。思ったことは言うみたいな、すごいシンプルなことじゃないかと。

Fukase:あと、思いやりですよね。チームだから、みんなのことを考えれば考えるほど、結局自分に返ってくる。相手が良くなると、なんと自分も良くなるという、みんながハッピーになれる最高のメカニズムがあるんだから、そこはそれぞれが相手のことを考えてあげたら絶対うまくいくよねっていう。

DJ LOVE:敵じゃないから。ここで戦っても仕方ないこともあるしね。

Fukase:そうだよ、相手は同世代のバンドとかであって。でも、同世代とか音楽とか大きい集合体で考えると、それもまた仲間ですけどね。お互い海外で人気が出たりしたら、結局同じチームになるかなって。

Saori:オリンピックみたいな感じ。そこは手が組めたらいいよね。

大蔵:年代的に、これから私生活もどんどん変わってくると思うんですが、それに合わせてセカオワの仲間の関係値も変わっていく?

Saori:特に女の私はいろいろあるから、それ聞かないでほしいんですけど(笑)、やっぱり今はバンドが一番大切。とりあえずみんなに、今は大丈夫だよって言ってます。

Fukase:僕は寂しがり屋というか、メンバーとずっと過ごしてきてるから、結婚してもあの家にいると思うんだけどなー、結局。そこは結婚する前に、相手にしっかり言わないとダメですけど。

Nakajin:いきなり大家族でごめんね、みたいな?(笑)

Saori:バンドメンバーと同居とかびっくりだよね。でもFukaseはほんとそんな感じ、ずっとみんなでやろう!みたいなタイプ。

Fukase:そう。「子どもが生まれたぞー!」っていう場面もきっとみんなで。

DJ LOVE:そしてみんなで育てていくような、そんな関係もいいかも?

Saori:一緒にいると一人じゃできないことがやっぱりできるし、一人でやったら多分楽しくないと思う。実際けんかもよくあって、まあ私とFukaseしかないですけど(笑)、大体私が負けた後になぜかFukaseがご飯をおごってくれるんです。それで終わり。そういう感覚って、なんかお母さんとけんかした時と近くて…。

Fukase:今後それぞれプライベートが変化しても、この関係が終わることはないんじゃないかな。第一、一人で仕事するなんて寂しくて無理だから、僕は。


「電通若者研究部ワカモン」ロゴ【ワカモンプロフィール】
電通若者研究部(通称:ワカモン)は、高校生・大学生を中心にした若者のリアルな実態・マインドと 向き合い、彼らの“今”から、半歩先の未来を明るく活性化するヒントを探るプランニングチームです。彼らのインサイトからこれからの未来を予見し、若者と 社会がよりよい関係を築けるような新ビジネスを実現しています。現在プロジェクトメンバーは、東京本社・関西支社・中部支社に計14名所属しています。ワ カモン Facebookページでも情報発信中(https://www.facebook.com/wakamon.dentsu)。