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電通報ビジネスにもっとアイデアを。

シンブン!今だからできること。今しかできないこと。No.16

増やせ!新聞ファン(2)

世界が絶賛、ペットボトルの新聞化 

~「NEWS BOTTLE !」~

2014/10/31

~新聞各社は今、こんなにユニークなプロジェクトを展開している~

今、新聞メディアのコミュニケーション領域は紙面の枠組を超え、自由な発想で拡がりを見せています。全く新しいターゲットへ向けての取り組みや、今までにない斬新な手法での読者とのコミュニケーション活動が盛んに展開されているのです。本コラム「シンブン!」では、そんな新聞各社の新しい動きの中から、中央5紙のユニークな事例を各社一つずつピックアップし、担当者に話を聞きました。

増やせ!新聞ファン(2)

世界が絶賛、ペットボトルの新聞化
〜毎日新聞社「NEWS BOTTLE!」〜

「若者に新聞を読ませるには」 ― この問題意識が世界を驚嘆させるアイデアを生み出した。ペットボトルに新聞記事を印刷して店頭で売り、とにかく手に取らせる。「NEWS BOTTLE!」と名付けられ2013年夏に実施されたこの企画は、「スパイクスアジア」「アドフェスト」「One Show」「New York ADC」など世界中の広告賞で立て続けに受賞、「カンヌライオンズ2014」でも見事ブロンズを獲得した。

祝!カンヌライオンズ2014 ブロンズ
祝!カンヌライオンズ2014 ブロンズ

  


  

安藤 秀徳 氏
安藤 秀徳 氏
 

「広告会社のクリエーターと企画初期から広告賞授賞会場まで行動を共にするという、新聞社員としては稀有(けう)な体験をしました」と語るのは毎日新聞社ビジネス開発部の安藤秀徳氏。企画初期から安藤氏らの毎日チームと電通チームは共同で動いた。綿密にターゲット層の若者インサイトを調査し、ペットボトルを活用しよう、それもミネラルウオーターがいい、そして広告枠を設けるなどして販売価格は安価に抑えよう、印刷の題字にはAR(拡張現実)を仕込もう、学生イベントでも配布しよう、などの指針が決定され実施されていった。

最近始まった第2弾といえる取り組みが「毎日新聞NEWS CUP」。より生活者との接点が多いであろう紙コップを新聞にしてしまおうというものだ。先立って9月下旬から高速道路サービスエリアのフードコートの一部でサービスがスタートした。今後は病院、企業、コンビニなどさまざまな場での展開を計画している。

毎日新聞NEWS CUPは、高速道路サービスエリアのフードコートでのサービスもスタート
毎日新聞NEWS CUPは、高速道路サービスエリアのフードコートでのサービスもスタート

ペットボトルの方も、9月に実施されたイベント「ザ・コーポレートゲームズ東京2014」でドネーションボトルを販売するなど、次のフェーズに向けて展開が進む。いずれも多様な形で企業コラボも想定される。

「ポスター」ドネーションボトルは、環境、災害問題などの記事をラベルにしたもので、問題の理解を促進するとともに、ボトルを購入すると売上の一部が募金できる
ドネーションボトルは、環境、災害問題などの記事をラベルにしたもので、問題の理解を促進するとともに、ボトルを購入すると売上の一部が募金できる
7Bottles

「紙から離れたこの一連の企画を通じて、取材力やコンテンツ制作力が新聞社の力の源泉なのだとよく分かりました」と安藤氏。「新聞の魅力のアウトプットの場は紙やネットだけでなく、身の回りのあらゆるものにメディア化の可能性を感じました」と語る安藤氏は、新聞の将来像の仮説を見つけたのかもしれない。