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クックーのおいしいお仕事No.2

電通秘伝、門外不出の食レポートって?

2015/01/16

有名シェフの帽子から生まれた不思議な生きもの、クックー。
料理の腕はピカイチ!で、食への果てしない好奇心を持ったクックーが、
今日は電通にやってきました!

…って、デンツウ?
有名シェフのレストランでも、カリスマ主婦のキッチンでもなく、
広告会社の電通ですか?食のことが知りたいのに?
やっぱりクックー、ちょっと不思議。

でも、どうやらここには、食にまつわる「おいしいお仕事」をしている人がたくさんいるみたい。
そんな人たちに会ってお話を聞いてみたら、
いつもとちょっと違った視点で、「おいしい毎日」へのヒントが見つかるかも。
クックーは、そんなことを考えているみたいですよ。

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クックー:はじめまして。ぼく、クックーです。大屋さんですか?

大屋:わあ!クックーって、しゃべれるのね!はじめまして。

クックー:お会いできてうれしいです!ことばは、昔いっしょにいたシェフのところでおぼえました。

大屋:そうなんだ!ようこそ電通へ。

クックー:じつは、知り合いのリョウリケンキュウカさんから、電通っていうところには、「おいしいお仕事」をしている人がたくさんいるって聞いてきたんですけど…。だれも料理をしているようすはないですね。

大屋:ふふふ、電通では、料理をつくっているわけではないんですよ。だけど、実はたくさんの人が、食にまつわる仕事をしています。

クックー:そうなんですね!みなさんどんなことを?

大屋:食品メーカーさんの商品がどうすればおいしく伝わるかを考えたり、世の中の人が今どんなものを食べたいと思っているのかを調べたり。食に関係するイベントを企画・運営している人もいますよ。

クックー:うーん、おいしくておもしろそう!大屋さんは、どんな「おいしいお仕事」をしてるんですか?

大屋:私は、電通で「食生活ラボ」を主宰しています。通称、「食ラボ」。

クックー:ショクセイカツラボ?

大屋:一言でいえば、食にかかわるビジネスよろず引き受け所、かな。私は、「食」に関する調査や分析などを通して、今みんながどんな価値観を持って暮らしているのかを考えたり、どんな新しい商品やビジネス開発の可能性があるかを考えたりするのがお仕事。だから、流行りのカフェに行くのもお仕事です(笑)。「今」だけじゃなくて、これから先どうなっていくのかという未来予測もします。「食生活ラボ白書」、通称「食ラボ白書」という社内レポートも、年に3回くらい発行しているんですよ。

クックー:え、それ、ぼくも読みたいです!

大屋:内容は秘密のところもあるので丸ごとは見せられないの。

クックー:えー、ざんねん!

大屋:ただ、これをベースに講演をしたり、企業との共同開発案件を進めたりしているので、いろいろな形で世に出ています。ベースとなるレポートなので、案件によって使い方や味付けが変わってきます。

クックー:それってなんだか料理のベースに使うスープみたいですね。日本料理の出汁(だし)、フランス料理で言うところのfond(フォン)、bouillon(ブイヨン)…

大屋:そうですね。秘伝のスープならぬ、秘伝のレポートです。実は、こういった社内レポートは食ラボの立ち上げよりずっと前、1983年から電通で行われていました。いろいろな人に食卓の写真を撮ってもらい、それを集めて分析するという調査は、その頃からやっていたんです。そういった独自調査をもとに、さまざまな視点から「食」を通して生活者を分析したレポートが毎年作られていて、私が現場で食のクライアントを担当しているときは、よく参考にしていました。食まわりの担当にとってはバイブルのようなレポートでしたね。「食ラボ白書」は、それを引き継いでいるんです。

クックー:ほんとに秘伝だ。

大屋:大事なのは、ただ調査をして結果の数字の大小を見るのではなく、その結果から「生活者のホンネ」とか「時代の流れ」を読み解くことなんです。そうした分析を意識していると、「今」のトレンドを読むだけでなく、「次」も見えてくるんですね。そうなると、こちらからしかけていくこともできるようになります。例えば「デトックス」。それまでの数年間は、「黒酢」「にがり」「豆乳」といった身体にいいといわれる成分や食材がブームでした。でも、調査結果を見ていると、世の中の人たちがそろそろ身体にいいモノを“入れる”ことに飽きてきたなぁということを感じるわけです。そんなときに「デトックス」を提唱する医師の先生に出会い、健康専門誌の編集長とも意気投合し、これからのトレンドは“出す”だ!と盛り上がって(笑)。

クックー:そんなこと考えてたんだ!

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大屋:それから、今はレポートや調査データだけでなく、そういう情報を持った電通にしかできない企画やコンテンツ開発も進めています。また、社内に限らず幅広い食のスペシャリストとも連携をしているんですよ。フードキュレーター協会が運営する「たべあるキング」もそのひとつ。ここには、日本トップクラスの情報発信力を持つ食べ歩きの達人、最強グルメブロガーが、「食を通じて日本を元気に!」を合言葉に集まっているんです。

クックー:あっっ!この人たち、ボクの手料理を食べに来た人たちだ…。

大屋:おいしい料理があると聞けば、どこにでも現れる人たちですからね(笑)。

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クックー:ボクの料理がおいしいって、どこかで聞いたのかな。うれしいな。

大屋:「たべあるキング」のメンバーは、「おいしい情報」に人一倍敏感ですから。食ラボのネットワークは、他にも学会、シェフ、料理研究家、管理栄養士、野 菜ソムリエ、料理雑誌の編集の方々やフードライター、物産展のカリスマバイヤーさんなど、多岐にわたります。クライアントも、食品・飲料メーカーさんだけ でなく、流通や卸しさんとお話をすることも。連携するメディアも、ウェブサイトやスマホアプリまで広がっています。

クックー:わー、このビルのひとたちだけじゃなく、いろんな「おいしいお仕事」とつながってるんですね。

大屋:はい。クックーも、料理研究家さんから紹介されてきたんでしょ。

クックー:そうです!ところで、どうして大屋さんは食のお仕事をするようになったんですか?

大屋:あ、それには長ーい話があってね…

あら、クックーと大屋さん、話がもりあがってきたようです。電通の「おいしいお仕事」を探すクックーのおはなしは、次回につづきます。