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10代女子のリアルNo.4

女子高生とメイクのリアルなキモチとは?【ブロガー桃と女子会:前編】

2015/01/29

10代女子のトレンドを研究する原宿可愛研。今回は、10代女子に大人気のブロガー・桃さんを迎え、原宿可愛研メンバーの電通マーケティングソリューション局・阿佐見綾香が、3人のイマドキ女子高生と一緒に女子会を行いました。桃さんが10代女子から愛される理由と、メイクやファッションなどイマドキ女子高生たちのリアルな実態に迫ります。

「Twitter」をやっていないのに「Twitter」で10代女子の新規ファンが増殖中

阿佐見:桃ちゃんといえば、恋愛観察バラエティ番組「あいのり(※)」の人気出演者です。番組に出演していたのが2007年から2008年にかけてだから、今、高校1年生のみんなが小学3年生の頃ですよね。「あいのり」って見ていましたか?

女子高生A:「あいのり」って何ですか?

女子高生B:「テラハ(※)」みたいな番組ですよね。「テラハ」ブームのときに、「あいのり」に似てるってネットで見たので番組名は知ってます。

女子高生C:テレビでやっていたような気もしますが、小さかったのであまり覚えてないです。

※あいのり:男女7人が、「ラブワゴン」と呼ばれる車に乗って世界中を旅する中で繰り広げられる恋愛模様を追うフジテレビのバラエティ番組。1999年~2009年に放送されていた。

※テラハ(テラスハウス):シェアハウスに住む10~20代の男女6人の共同生活を映したフジテレビのバラエティ番組で、2012年~2014年に放送された。一つ屋根の下で繰り広げられる恋愛模様などが話題となり、「あいのり」の後継番組として注目された。モデルの今井華や永谷真絵などの参加者が、番組をきっかけにブレイク。

 
 

阿佐見:それでは、みんなが桃ちゃんを知ったきっかけは?

女子高生B:Twitterで、「半顔メイク」の画像が回ってきたのが、一番最初です。

女子高生C:私も一緒で、Twitterで「半顔メイク」を見て、すごいなと思って調べました。

※半顔メイク:顔の半分はすっぴんのままで、半分だけメイクすること。2013年4月に桃さんが、自身の「半顔メイク」写真を公開して大きな話題を呼び、女子の間で大流行した。
 

桃:あ、そうなんだ。私、Twitterやっていないから、誰かが回してくれてるのかな。

阿佐見:こういう知り方は、イマドキな感じがしますね。情報を能動的に取りにいくというよりも、テレビを見るのと同じように受動的なんですが、「SNSで自分とつながっている人」というフィルターを通ってくる情報なので、自分にとって興味ある確率が高い。その結果、情報が共感をまとって拡散する、という感じなんでしょうかね。

イマドキ女子は、明確な実績をみせられる人の言うことなら素直に納得する

女子高生B:桃ちゃんは、なぜ「半顔メイク」を公開しようと思ったんですか? インパクトがあったけど、言わなければ(すっぴんとのギャップは)人には分からないのに、なぜかなと思って。

桃:ブログで写真とかを載せていると、「桃ちゃん、かわいい」とか、書いてくれるじゃないですか。でも「違うんだよ」とずっと思っていて。「桃ちゃんはかわいいからいいですよね」みたいなコメントがあると、「私は努力してるんだよ」ということを伝えたかったし、「桃ちゃん、かわいくていいなぁ」という人にも、努力すれば変わるのに、と思ったんです。

ブログで公開し話題になった実際の「半顔メイク」写真

阿佐見:みんなは、実際に「半顔メイク」を見たとき、どんな気持ちになったのかな。

女子高生B:「すごいな」の一言でした。メイクでこんなに変わるんだなって。ちゃんと自分の顔を研究しないと、ここまで自分に合ったメイクを見つけられないと思うから、そういう面でもすごいなって思いました。

女子高生C:ちゃんと努力した結果なんだって分かって、自分も努力したら可愛くなれるんじゃないか、という気持ちになりました。

阿佐見:桃ちゃんの「半顔メイク」を見て、心をつかまれなかった女子はいなかったでしょうね。きっと。

桃:ありがとうございます。男子には「化け物」とか言われちゃいましたけど、いいんです。この写真に関しては、すごいと思ってもらったほうが嬉しいし、もっと知ってもらえたらと思ってます。

女子高生B:桃ちゃんのブログが参考になるのは、これを使っているから、実際に自分がこう変わった…という、結果が明確だからかな。

阿佐見:参考にしたいのは、明確な結果を見せることができる人、ということですね。

悪口からのココロの護身術

女子高生B:桃ちゃんは、ブログやSNSで情報発信する時に、批判とかって気にならないんですか?

阿佐見:今の女子高生たちって、小学校の時からブログやSNSに接しているので、人から何か言われることに敏感で、すごく気にしているし、気をつかっているんですよ。

桃:もちろん、傷つかないわけではないですけど、結構ネットで書かれることが参考になったりするんですよね。例えば、テレビに出た時に、目の悪口を書かれたんです。それで、カラコン(※)を入れ始めたりとか。批判でも前向きに捉え、一つ一つの言葉を「あ、なるほど」と思って受け止めて、自分を変えるようにしていました。

※カラコン:カラーコンタクトレンズ。一般的な「透明」のコンタクトレンズではなく、レンズに着色が施されているコンタクトのことで、黒目を大きく見せる効果がある。自然な「黒」「茶色」が定番だが、黒目を「ブルー」「ピンク」などの色に変えることもできる。
 

阿佐見:批判も素直に受け入れて、自分磨きの肥やしにしてしまうということですね。

女子高生B:私、ネイルするのが好きで、自己満でブログを書いたときがあったんですよ。そのとき、知らない人から「別に爪の形、きれいじゃねえよ」みたいなコメントが来たことがあります。

桃:えーっ。

女子高生B:最初は、やっぱり落ち込んじゃったときもあります。ちょっと雑誌に載ったときも、何か言ってくる人がちょいちょいいる。でも、その人は自分のことを見ているんだな、じゃあ、可愛くなったら良い風に思ってくれるのかなと、前向きに考えるようにしてます。

桃:えらい!

阿佐見:別アカウントをつくって使い分けることで解決する派も、今は多いと聞きます。Twitterのアカウントをいくつか持って使い分けるのは、今は普通のことなのかな?

女子高生C:いっぱいあります。

桃:いっぱいあるの?アカウントが?

女子高生C:ふだんの学校の友達とは本アカ(※)なんですけど。例えば、こういう企画をやったときとか、JOLのマガジンの撮影とかって、本アカであまり言いたくないというか…。色々言われるんですよ。それが嫌で、違うアカウントをつくってます。

※本アカ:SNSなどに同一人物が複数のアカウントを持つときに、実際の自分として、メインで使うアカウントのこと。「本垢」と表記されることも。「本アカ」以外のアカウントは「別アカ」「サブアカ」「裏アカ」などと呼ばれる。
 

阿佐見:色々って、どんなことを言われてしまうの?

女子高生C:ちょっと撮影した風景を載せちゃったんですよ、本アカで。そしたら、「やってんの?」みたいな。

女子高生B:うるさいですね。

女子高生C:それが嫌で、やめました。

女子高生B:面倒くさい子は面倒くさいですよ。陰で言う子もいるし。何で私じゃないんだろう、みたいな子もいるし。

桃:高校生は大変ですね。クラスとか。「あいのり」に出演したのは大学卒業してからだったので、そういうのはなかったですけど、変なねたみとかはありますよね。

Twitterでファン層が10代~おじちゃんまで拡大?!

阿佐見:桃ちゃんがブロガーとして活動をしていく中で、SNS浸透前と後で何か変化はありますか。ちょっとやりにくくなったこととか、逆に良くなったこととか。

桃:1回載せたら一瞬で広がって、保存もできてしまうし、取り返しのつかないことになることもあるので、すごく慎重にならないといけないですよね。失敗したなと思うこともありました。
でも、仕事には絶対必要だし、なかったら絶対無理なので、本当にこの時代でよかったと思っています。

阿佐見:ブログだけでは足りないですか?

桃:彼女たちにも知ってもらったきっかけがTwitterですし。ブログは、自分でわざわざ見に行かないと見れないですけど、Twitterって勝手に流れてくるじゃないですか、リツイート(※)とか。だから、ありがたいですよね。

※リツイート:リツイート=ReTweet「再度つぶやく」という意味。Twitterで良いと思った他ユーザーの「つぶやき」の内容を、紹介の形で再投稿して自分のフォロワーに知らせること。Twitterの特性として、情報が「拡散する」ことがよく挙げられるが、それはこの「リツイート」によって起こるもの。
 

阿佐見:新たなファンが増えていますよね。女子高生の間での桃ちゃん人気も、「半顔メイク」の写真をきっかけに広がった感じでしたよね?

女子高生B:そうですね。「半顔メイク」の画像はみんな知ってる。

桃:今までは、「あいのり」を見ていた人だけだったんですけど、知ってくれている人の層が広がりました。高校生だったりとか、街で歩いていても、おじちゃんに「あ、半顔の人だ」って言われたり(笑)。おじちゃんとか、絶対知らなかったはずなんですけど。幅が広がりました。

 

イマドキ女子のメイクは、「ワンパターンになりたくない・つけほくろなど作りこみ・コスパ重視」

阿佐見:イマドキ女子って、メイクもファッションもワンパターンにならないようにバリエーションを出したい気持ちがあるようで。

女子高生C:変えますね。いろんな系統をしたいと思って、服に合わせて、髪形も、メイクも、カラコンも変えたりしています。

桃:これ、つけぼくろ(※)ですよね。

※つけぼくろ:「描きぼくろ」とも言う。アイライナーや黒のアイシャドウで描くことで、「ほくろ」をつくるメイクのこと。目の下につくる「泣きぼくろ」や、口のまわりにつくるほくろなど、つくる場所はさまざま。
 

女子高生C:そうです(笑)。

桃:すごい。そのほくろも、いつも変えたりするんですか。

女子高生C:これは安定です。ここに欲しかったんですよ。

桃:へえー。すごい。自然なほくろに見えるね。

阿佐見:イマドキのメイクは作りこみも自然ですよね。涙袋つくっちゃうメイクとかもありますよね。
今日は女子高生のみんなに、メイクポーチも持ってきてもらっています。こだわりのアイテムを教えてもらえますか。

桃:すごーい。あ、やっぱりこれなんですね、ニベアクリーム(※)の…。

※ニベアクリーム:某高級クリームと成分が似ているということが話題になり、ニベアクリームを愛用する女子が増加した。ベビーパウダーでベタつきをおさえて仕上げるのが定番。
 

女子高生B:そう。必需品です! これが一番コスパがいい(※)BBクリームと混ぜて使ったりもします。

※コスパがいい:コスト(価格)パフォーマンス(効率)が良い。価格のわりに高い満足度が得られること。不景気が当たり前の時代の中で育ちつつも、買い物は好きな、イマドキの子が好きな言葉。

 

知りたいのは再現性の高いテクニック! 友達にもやってあげたいし、共有したい

阿佐見:桃ちゃんが「半顔メイク」を人にやってあげる企画を、見たことがあるんですけど、誰がやってもすごく…。

桃:私の顔になります(笑)。

阿佐見:(笑)。メイクは、独自に研究されているという感じですか。

桃:一重を二重にする研究は、すごく重ねてきました。

阿佐見:女子高生は、桃ちゃんのブログを見て、メイクも参考にしていると聞いたんだけど、やっぱり細かいテクニックを見ている感じなの?

女子高生B:私はもとから二重なんですけど、結構、一重の子に化粧してって頼まれたりするんです。そういうときに、一重と二重ってメイク方法が全然違うから、まず二重にしてあげてから、メイクしたいなっていうのが自分の中であって。そっちのほうが私もやりやすいから。

阿佐見:なるほど。友達にメイクしてあげたいのね。

桃:「あっ、変わった」って瞬間は、すごいうれしくなりますよね。

女子高生A:私は、もともと一重とか奥二重なんで、気になる。

桃:何か使ってますか。

女子高生A:アイプチ使ってます。でも、今、多分もうとれてるかも。

桃:結構おすすめなのがあって。土台をつくる系なんですけど。

女子高生B:あ、塗って、乾かすやつ。

桃:(ポーチから取り出して)これ、結構すごくないですか。やってみますか?

桃:もういいかな。じゃあ、ゆっくり目をあけてください。

一同:あ、すごい。

女子高生B:変わった。

女子高生A:すごい大きくなった感じがする。(鏡を見て)あ、すごい。

阿佐見:こういう時って、いいですよね。女の子同士でメイクしてあげたり、情報共有したくなるのは、その「変わった!」瞬間のうれしさを共有したいからかもしれないですね。

後編に続きます


原宿可愛研(ロゴ)
原宿可愛研とは?
  2012年12月に「電通ギャルラボ」と、女の子の夢を応援するマイナビのサービス「JOL」が共同で立ち上げた、10代の女子中・高・大学生の“今”を専門に調査するチームです。活動の拠点は原宿ですが、調査対象は原宿だけではなく、全国の女の子たちのリアルな実態を研究しています。
 
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