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ここを聞きたい!
地上波テレビ広告の現在(リアル) 
第3回「エリアプロモーション」

2015/03/05

生活者を取り巻くメディア環境の多様化が進んでも、テレビは広告メディアとして依然、期待されています。一斉同報、一斉受動。このスタイルはテレビ独自のもの。近年テレビ離れがささやかれるものの、数千万人規模で発信される大規模な認知や低関与層まで含めた幅広い層への興味喚起に、最も影響が強いメディアとして、高く評価されています。また一方で、インターネットとの連携やコンテンツパワーとのシナジーによる多角的なテレビ活用の手法や、広告主に対する投資対効果のより精緻な検証手法など昨今の動きにも注目です。

この特集では、現場目線の直球質問に、電通ラジオテレビ局員に答えてもらいました。テレビ広告をめぐる「リアルな今とこれから」の一端を4回にわたってお伝えします。


Q4:多くの広告主が注目するエリアプロモーション。テレビを使ってどんなことができますか?

玉井 久美子氏

答える人:玉井 久美子氏(ローカル業務部)

テレビ広告でも、エリアプロモーションは活発に展開されています。方向性の一つは、特定の地域の放送局と組んで、“エリア限定”の企画を行うこと。特にご当地の人気番組は視聴率が高く、その中で商品特集などを組むと、反響が広がりやすい。あるいは、地域の名産物と自社商品をつなげたイベントを行って、地元番組で取り上げてもらう企画も多いですね。別の方向性として、全国展開の広告に“地域色”を織り込む例も増えています。同じ商品の広告でも、エリアごとでCMの登場人物をご当地の方に変えたり、地域の方言や名物をそれぞれ登場させたり。全国展開モノに地域色を入れると、地元意識が刺激されるだけでなく、他地域との比較が話題にもなりやすくなります。

昨年スタートしたAKB48の「チーム8」プロジェクトは、まさにその代表です。これはトヨタ自動車のサポート企画で、全国47都道府県から1人ずつメンバーをオーディションで選出。各地域にご当地アイドルを生んで、地域に根差した活動を全国のトヨタ販売店と連携していくというテーマでした。各エリアでの企画告知からオーディションの運営、アイドル選出を行ったのはローカル放送局で、地域ごとに話題となりました。

AKB48「チーム8」

現在、チーム8はフジテレビ系「ミライ☆モンスター」にも出演。番組内では、メンバーが地元グルメを紹介しています。さらに北海道文化放送では、その後枠として、北海道代表メンバー・坂口渚沙さんの出演番組を放送するなど“地元意識”を軸にした新たな展開が生まれています。エリアプロモーションでは、その地域で圧倒的な情報発信力を持ち、地域の流行や文化に精通しているローカル放送局にCM制作やイベント実施をお願いすることが多いです。その方がよりご当地の人々に受け入れられやすい。各ローカル局との連携は大変さもありますが、そのおかげで地域色を出した細やかな企画ができると感じています。


バックナンバー
 

#04 ここを聞きたい!地上波テレビ広告の現在(リアル)「その他全般」
#03 ここを聞きたい!地上波テレビ広告の現在(リアル)「エリアプロモーション」
#02 ここを聞きたい!地上波テレビ広告の現在(リアル)「スポーツ」
#01 ここを聞きたい!地上波テレビ広告の現在(リアル)「デジタル」