米澤:リモコンとか温度センサーのように、 個々のIoT(Internet of Things)は少しずつ進歩しています。今年のCES(米ラスベガスで開かれる世界最大の家電見本市)でさまざまなペット向けデバイスが登場しましたが、今後はペットのために必要なことが全体的に包括されたネットワークシステム、いうなれば「IoA(Internet of Animals)」に発展させていくことが必要なんだと思います。
「ペットのビッグデータ」が共生社会の鍵を握る。
明石:個人的にThink Pet Projectで目指していることの一つとして、シニア世帯にもっとペットを飼うことの素晴らしさを知ってもらい、高齢者のペットオーナーを増やしたいと思っているんです。たとえば犬を飼うと、嫌でも散歩に連れていくようになりますよね。すると、地域の人とペットを介してコミュニケーションが生まれ、そこにコミュニティーも生じる。私の実家でも犬を飼っていますが、散歩に行くことで近所の人と話をすることが増え、両親は以前よりも情報通になりました。地域社会とつながるきっかけとしても、ペットを飼うことは高齢者にとって良い効果があると思います。
1991年電通入社。食品・飲料、化粧品、流通などの商品開発・マーケティング戦略等に携わる。
2002年の身体障害者補助犬法の施行をきっかけに、日本における“人とペットの共生社会づくり”に関心を持ち、2011年、ペット産業の創造を目的とした社内横断プロジェクト「Think Pet Project」を立ち上げる。
大学で航空宇宙工学、大学院でHuman Computer Interactionを専攻。人と猫のインタラクションプラットフォームCat@Logを開発。2010年電通入社後、大学との共同研究やクライアントワークに従事。ウェブ・アプリ・インスタレーション・イベントなどテクノロジーの関わる領域において、キャンペーンプランニングだけでなくプロダクトやサービスの企画開発も行っている。Cannes Lions Titanium Grand Prix、D&AD Black Pencil、文化庁メディア芸術祭大賞など多数受賞。うちの猫が世界で一番かわいい。
2020年よりWieden+Kennedy Tokyo 所属。