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ワカモンのすべてNo.38

有村架純×吉田将英:前編
「今の若者が求める『手触り実感』とは?」

2015/05/12

今いちばん、「女子高生」を演じている女優の一人である有村架純さん。公開中の映画『ビリギャル』でも、普通の女子高生が夢に向かってまっすぐ突き進む姿を熱演しています。
自身も普通の高校生から夢を抱き、女優業にまい進している彼女が、女優として、等身大の若者として考える今の時代の「若者像」について、電通若者研究部の吉田将英代表が対談しました。

 

外見や属性ではなく、根底にある熱量を見てほしい

吉田:有村さんは女子高生をはじめとする若い人の役を多く演じてこられてきたと思うのですが、どのように女子高生らしさや世代の空気感を捉えているのですか?

有村:実は、「女子高生」という枠組みで考えることはあまりないんです。同じ「女子高生」でも役によって持っている熱量がさまざまで。
たとえば『ビリギャル』の主人公さやかは、自分が楽しいと思うことに全力で取り組む人。別に不良になりたくて金髪にして遊んでいるわけではなく、純粋に友達と過ごす時間が好きで楽しんでいるだけです。
「ギャル」という外見や属性よりも、好きなことに熱中する姿に目を向けることで初めて見えてくるものもあって。

吉田:それは電通若者研究部がリサーチするときにも大事にしている視点です。表層的な見た目や行動のみで結論付けたり、「女子高生」のような大きなデモグラフィック特性だけでくくるのではなく、多様化する彼らの根底にある欲求や悩み、ジレンマといかに手間を惜しまずに向き合えるかが重要なんですよね。

 

さらに、今や一人ひとりが違うだけでなく、一人の中にも「趣味・好きなこと」が平均11個も併存しているという※調査結果も出ています。安易に「最近の若者はみんな〇〇だ」と決め付けず、じっくりと対話していきながら本質を導き出したいですね。

有村:私もイマドキの子だと思うんです。「ゆとり」と言われることもありますし(笑)。

それでも、自分と同年代の役や等身大の役を演じるときに世代でくくるのではなく、それぞれの役の熱量に寄り添うようにしています。そうすると、自然に役が生き生きとしてくるんです。

 

試してみて、違ったらまた戻ればいい

吉田:若者の多様化がどんどん進んでいく中で、彼ら自身も「自分らしさ」や「個性」について悩んでいるように見える部分もあります。
有村さんはご自身の個性をどう考えているんですか?

有村:私は普通の女の子というか、フラットな性格だと思います。
個性的で目立つような性格ではないので、そのことにすごく悩んだ時期もありました。キャラが立っているほうが仕事でもたくさんの人に注目してもらえるんじゃないかとか。

吉田:劇中で主人公さやかも物語の冒頭では「私には何もない」と言っていましたが、同じように考える若者が多い一方、「〇〇キャラ」のような形で、その場に合わせて自分をキャラ付けしていく傾向もあるようです。

有村:その気持ちはよくわかります。
私も自分のキャラが立っていないことに思い悩んで、無理やり明るい性格になろうとしてみたり。でも結局、無理して演じることがしんどくなって続きませんでした。
今では普通の性格というか、ありのままの自分を受け入れられるようになりましたね。

吉田:自分らしさを見つけるためには、どんなことが必要だと思います?

有村:自分を変えること自体は決して悪いことじゃなくて、悩んだらまずは試してみることが大事だと思うんです。殻を破るという意味で、自分を変えてうまくいく場合もあるだろうし、違うと感じたら戻ればいいですし。まだまだ勉強中の身なので、ときには失敗もしながら学んで、もっと変わっていけたらいいなって思っています。

※「若者まるわかり調査2015」より
調査手法 :インターネット調査
      対象エリア:関東1都6県 / 関西2府4県 / 東海3県
調査対象 :高校生以上の未婚15~29歳男女
サンプル数:3000サンプル
調査時期 :2015年2月6~9日

 

※後編は5/13(水)に公開予定です。


「電通若者研究部ワカモン」ロゴ

【ワカモンプロフィール】
電通若者研究部(通称:ワカモン)は、高校生・大学生を中心にした若者のリアルな実態・マインドと 向き合い、彼らの“今”から、半歩先の未来を明るく活性化するヒントを探るプランニングチームです。彼らのインサイトからこれからの未来を予見し、若者と 社会がよりよい関係を築けるような新ビジネスを実現しています。現在プロジェクトメンバーは、東京本社・関西支社・中部支社に計14名所属しています。ワカモンFacebookページでも情報発信中。