【続】ろーかる・ぐるぐるNo.10
対談:こんなのあるんだ!よんななクラブ /後半
2013/07/11
山田:今回の仕事を始めるときに栗田さんにインタビューして、ものすごく明確なビジョンがあるように思いました。
栗田:「地方を元気に、日本を豊かに」「嫌われるのを恐れない」といった言葉に反応していたよね。
山田:そうです。大手ネット通販のまねをするのではなく、オンリーワンの存在になろう。そのためにローカルの色々な企業と一緒になって戦っていこう、ということをはっきりおっしゃっていました。
とはいえ、たとえば社員さんなんかは「では具体的にどう行動したらよいか?」が分かりづらいかも、とも思いました。
栗田:そうね。(お漬けものを薦めながら)もう少しうちの商品、食べてよ。
酒のお伴に「旨みそ沢庵」(静岡)。
ちょっと甘口で食べ飽きません。
山田:それでお手伝いできるかも、と思ったんです。 ぼくたちは広告キャンペーンをつくるとき、みんなが進むべき道を直観的に共有できる「コンセプト」とか「ビッグアイデア」と呼ばれる「視点を表現する言葉」を大切にします。このコンセプトを開発するのが一苦労で、あまりよくないキャンペーンはたいていコンセプトが甘いのですが。とにかくコンセプトが行動指針となって、チームメンバーはそれぞれの役割を果たしていく、そうするとひとつに統合されたキャンペーンができる、というわけです。
これと同じことをやればいい、と。栗田さんのビジョンを実現するコンセプト「こんなのあるんだ!」を開発して、よんなな関係者のみなさんと一緒に進みたいと思ったんです。
7月1日スタートの新聞広告シリーズ。
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栗田:一般に戦略コンサルタントって、正しい分析を通じて「べき論」を提示するだけというか、高いところから正論のフレームをつけて、「あとは頑張んなさい。」上手く行かなければ「正しく行動できないキミが悪いんだ」みたいな印象がある。でも、当事者の立場からすると「べき論」は分かっても、「とはいえ」という現実がいっぱいあって、話が進まなくなっちゃう。
そんな「正しい戦略」には付き合っている暇はないのだけれど、今回はちょっと違うアプローチだよね。とにかく概念だけではなく「行動」を変えようと。行動を変えれば良くも悪くも必ず結果は変わる。
「てっぺん桃」(山梨)は数量限定。
早い者勝ちです!!
山田:そうなんです。クリエーティブに考えてコンセプトの力で組織を元気にすることこそ、ぼくたち広告会社にできるコンサルティングのスタイルかな、と。
学生の頃、今はハーバードで教えていらっしゃる竹内弘高先生が野中郁次郎先生のことを愛情こめて「コンセプトおじさん」と呼んでいらっしゃったのですが、最近ぼくもようやくコンセプトの重要性が骨身にしみてきたというか。
企業が継続的にイノベーションを起こすためには、よきビジョンとよきコンセプトが欠かせないのに、実際にはその両方とも、ないがしろにされていると思うんです。ぼくも昔、よく「コンセプト調査」とかしましたけど、そこでコンセプトと呼んでいたものの9割は本当の意味でのコンセプトではない、単なる商品説明だったりしました。コンセプトは人々に新しい視点を提供しなくちゃ…。
栗田:ノッて来たねぇ。それ、ぐるぐる思考法?
山田:すいません。でも食べものが旨い。お酒も旨い。最高です。
栗田:ここは居酒屋じゃなく、会社の会議室なんですけど。
山田:あれ?なんの話、してましたっけ? ま、いっか。
でも、よんななクラブの勝負はこれからですよね。
栗田:そう。まだまだお客様に次々と「こんなのあるんだ!」と喜んで頂けるレベルじゃないからね。山田さんと一緒にやった「天国のぶた」みたいな商品開発も次々にやって行かなくちゃいけない。もうあれでしょ?「こんなのあるんだ!」な魚屋さんとか、スイーツとか開発してるんでしょ?
玉子職人さんがつくったプリン「天国のぶた」(群馬)。
とにかくやたらめったら濃厚です。
山田:あっ…それはまだ発表していないお話で…
栗田:いいから。とにかく早く世に出そうよ。
山田:はい!…って、ぼくも頑張りますけど、主役はよんななクラブの皆さんですよ。
栗田:もちろん。
それじゃ、そろそろ河岸を変えて飲み直しますか。
山田:きょうも深夜のラーメンまで、お伴しましょう!