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【続】ろーかる・ぐるぐるNo.9

対談:こんなのあるんだ!よんななクラブ /前半

2013/06/27

『全国の地方新聞社厳選お取り寄せサイト「47CLUB(よんななクラブ)」は来る7月1日、リニューアルオープンします。ぼくはこのプロジェクトをお手伝いしました。実際どんな形で仕事が進んでいったのか、よんななクラブ社長の栗田健一郎さんとお話しました。』

 


山田:先日はごちそうさまでした。でも炭水化物抜きダイエットをなさっているハズなのに、深夜零時に〆のタンタン麺を召し上がっていましたよね?

栗田:そうだっけ?
 

 


山田:栗田さんが深夜のラーメンをした翌日は機嫌が悪いって、社員の方がビビってましたよ(笑)。 ところで7月1日に新しい「よんななクラブ」がスタートします。ロゴも新しくなって、おめでとうございます。

栗田:めでたくない。全然めでたくないよ。むしろ、これからお客様に「こんなのあるんだ!」と思っていただけるかが勝負。まだ何も始まっていない。

山田:そりゃたしかにそうですけど。でもそう言われちゃうと対談がおしまいですよ(笑)。この茹でた「亀の手」で機嫌を直してください。カニと貝の中間みたいで旨いですよ。
 

 

 

 

よんななクラブで販売中の珍味
「亀の手」(大分)。スペインでは人気の高級食材なんだとか。

 

 

 

栗田:いままで47CLUBは「全国の地方新聞社厳選お取り寄せサイト」ということで6年間やってきました。実際に新聞社が日本全国の隅々まで走り回って商品を集めてくれたので一定のお客様に評価はしていただきました。流通総額やユニークユーザー数などの数字も伸びてきている。でも地方の底力からすればこんなもんじゃない。もっと多くの魅力的な商品が集められるハズだし、もっと多くのお客様に集まっていただけるハズだ。それが今回の出発点。

山田:あっ!この酒、旨いっすね。

 

 

 

ご存知「獺祭(だっさい)」(山口)。
中でも「その先へ」は海外進出を見すえた超高級品。

 

 

 

 

栗田:俺、いま割と良いこと言ってんですけど(笑)。
で、山田さんのチームと一緒にいろいろ考えて。「こんなのあるんだ!」という言葉で新聞社はどんな商品を集めればいいか、全国の出店者はどんな商品をつくればいいか、そしてわれわれ47CLUBは単に商品を陳列するだけじゃダメで「こんなのあるんだ!」と思って頂く情報を提供する、雑誌をつくるような気持ちでビジネス全体を動かしていく。そんな風に各メンバーの行動が変わるといいな、と思っているという感じかな。

山田:単にロゴを変えるだけじゃなくて、関係する全員の行動を変えていこうと。掛け声でなく運動にするってことですね。

栗田:たとえば全社員でもう一度、すでに売っている商品を見直してみよう、と。ひとりの買い手として「こんなのあるんだ!」と膝をポンとたたくような商品はいったいどれなのか、見直してみよう。そしてどれが一番「こんなのあるんだ!」と思えるか社内グランプリを開催したり。いまある商品でも、ちょっとした工夫で「こんなのあるんだ!」と思ってもらえるようにする研究プロジェクトを立ち上げたり。

ローカルで埋もれているまだニュースになっていない逸品を生活者に「お知らせ」するのは、ある種のジャーナリズムというか、地方新聞社らしい、よんなならしいアプローチだと思っている。そうそう、これから毎週、全国の新聞社が選りすぐった地元の「こんなのあるんだ!」を持ち寄って対決させる企画もスタートするし。

山田:この「2日ひじき」がその社内グランプリで話題になった商品ですね。水で戻しただけなのに、やわらかくて、それでもしっかり歯触りがあって。一年間にたった2日しか採ることが許されていない「幻のひじき」という物語も楽しいし。

 

 

これぞ「幻の2日ひじき」(大分)。
煮物にするのがもったいないほど新鮮な味。

 

 

 

栗田:それは大分県の姫島でまじめに頑張っている水産加工業者の商品。他にもびっくりするくらい質のよい活き〆車えびとか、さっきの亀の手とか売っているよ。でもね、こういったストーリーをもった魅力的な商品は日本中にそれこそゴマンとあるわけ。

ただ往々にして説明ベタだから、なんかふつうの商品に見えちゃっている。「ただの乾燥ひじきではないことは一度食べればわかります」ではネット通販失格なわけで。ちゃんとお客様に「こんなのあるんだ!」と喜んでいただけるように、こういった商品の潜在力をどう伝えたらいいのか、よんなな関係者全員で真剣に取り組みたいよね。。

(つづく)