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人もペットもうれしい社会を。No.28

ペットオーナーの最新実態調査~クラスター編~

2015/08/12

前回に引き続き、今回は今年3月に実施した最新のペットオーナー実態把握調査から、オーナークラスターについてご紹介したいと思います。

以前と同様に今回も6つのクラスターが浮かび上がってきましたが、従来のクラスターである①親密派②マイペース派③おしゃれ派④厳格派⑤番犬派⑥放任派から、全体傾向に少し変化が見られました。

対象エリアを全国から1都2府5県(東京・大阪・京都・千葉・埼玉・神奈川・兵庫・奈良)に変更した影響もあり、前回調査の際には比較的各クラスターの特徴が際立っていたものが、新クラスターでは前回の各クラスターの掛け合わせとも取れる傾向が見られました。

また、前回調査ではあまり顕在化してこなかった「ペットを取り巻く社会問題に対し興味関心を持っている層」が反応したことがもうひとつの傾向として挙げられます。

以下が、新ペットオーナークラスターの詳細になります。


①勉強実践派

ペットに対する知識を自ら獲得し、得た知識を実践していくオーナーたち。
ペットの飼育方法からしつけ、食事など、様々な分野の情報を幅広く理解している。

ペットをパートナーのように感じており、ペットに対する治療費なども他のクラスターと比較して最も高く、獣医や動物病院を情報源として信頼している。前回クラスターでいう“厳格派”と非常に近い特徴を持っており、比較的自らの情報収集によって行動を起こす特徴は共通するが、勉強実践派は情報源が明確に獣医・動物病院、となっている部分が異なる点といえる。

ペット関連のレジャー費も最も高く、アクティブにペットと外出していることが分かる。幼少期にペットの飼育経験がある、といった傾向も他のクラスターと比較すると強く見られる。

 

②美容健康重視派

比較的年収が高い層が多く、ペットの食べ物や衣服や美容・ケアに対する意識が高いオーナーたち。
ペットフードに対して投じる費用が全クラスターの平均値よりも高く、こだわりを持ってフードを選んでいる姿がうかがえる。

情報源としては、各メーカーのホームページ情報などを比較的重視する傾向があり、口コミサイトなども併用。保有しているペット用の衣類などは最も多い。
前回クラスターの“おしゃれ派”と要素としては近いが、さらにフードに対する向き合いが加わっているのが注目すべき点。

 

③最低限ケア派

無関心層ではないが、何事も最低限で行っているオーナーたち。
治療費や美容・ケアなど、さまざまな分野の意識や出費はゼロではないが、最低限の支出の範囲で取り組んでいるケースが非常に多く、ペットを飼い始めたきっかけが“自分以外の家族が欲しいと言ったから”というものが目立つ。

前回クラスターの“放任派”と“番犬派”が掛け合わさったようなクラスターといえる。
最低限のケアはしっかりとしているクラスターであるため、例えば犬齢とフードの対象年齢をしっかりと意識する、などの特徴を持っている。

 

④適度なバランス派

健康重視や美容重視など、何かの領域に大きく興味が偏ることなくペットに対して向き合うオーナーたち。
平均年収も1000万~1500万円の層に比較的ボリュームがあり、富裕層に多く見られる。比較的ペットへのおもちゃに関連した出費が多い。

情報源としては、知人やペットショップを重要視する傾向があり、対面型コミュニケーションや実際の人から情報を得る傾向が強い。前回調査ではあまり存在していなかった層で、“厳格派”と“親密派”の要素が比較的強く残っているといえるがバランス感覚を持ったクラスター。

 

⑤無関心派

その名の通り関心が低く、具体的に動く傾向がほとんどないオーナーたち。
意識があまり高くないことはもちろん、出費の面においても最も低い。

世帯年収で見ると、全6クラスター中、300万円未満のオーナがボリュームゾーンとなっていることも影響していると考えられる。
「最低限ケア派」とも傾向としては近いクラスターと捉えることができ、最低限ケア派同様に、前回クラスターの“放任派”と“番犬派”が掛け合わさった層と考えられるが、特に放任派の要素が強く、ペットに対するアクションはかなり消極的な層。

 

⑥ペットまっしぐら派

ペットに対する意識が高く、一緒に外出することへの意欲やペットの保護活動などにも関心が高いオーナーたち。保険に関する費用も6つのクラスター中最も高い。

ペットに対して衣服を着せるという行動はあまりとらず、ペットに関連するさまざまな社会問題に対しての課題意識を強く持っている。前回クラスターの“親密派”と比較的近いといえるが、一方で保護に対する意識を持っているクラスターが顕在化したのは今回が初めてのため、今回調査の特徴的なクラスターと位置付けられる。


このように、大幅な変化よりもペットオーナー全体の知識や考え方の水準が向上したと取れる変化が多い調査結果となりました。

前回と同じく、犬種についても、ペットオーナーに関しても、あくまで傾向としての分析であり、前回同様に、6つのタイプに分類を行いました。

ご自分に当てはまるものはありましたでしょうか?
自分のライフスタイルに合ったペットとの生活ができるようになっていくことができれば、本当にすてきだと私たちは考えています。

ペットオーナーと一言で表現しても、表現しきれない実態をこれからもThink Pet Projectでは追いかけていきたいと思っています。