Experience Driven ShowcaseNo.26
キリンビールが表参道にPOP UP STOREをつくった!
「OMOTESANDO CIDRE by KIRIN HARD CIDRE」
2015/10/05
7月4日~8月22日、東京の青山・表参道で、キリンビールがチャーミングなポップアップストア「OMOTESANDO CIDRE by KIRIN HARD CIDRE」を展開しました。
今回は、この企画の空間開発とイベント展開のプランニングを担当した電通イベント&スペース・デザイン局の小山沙織氏がその内容をレポートします。
編集構成:金原亜紀 電通イベント&スペース・デザイン局
「ポップアップストア」というコミュニケーションのかたち
「サイダー」(cider)というお酒をご存じですか?
麦を発酵させてビールが、ブドウを発酵させてワインが出来上がるように、「cider」はリンゴをそのまま発酵させて出来上がる、ナチュラルブリューイングの醸造酒です。
近年、欧米各国でも若者のアルコール離れが進んでいるといわれていますが、爽やかな飲み口とリンゴの果実の風味豊かな香りを併せ持つciderは、欧米では販売数が急増しています。全世界的なクラフトブームに乗り「cidery」「cider bar」もその数を増やしています。
日本では「シードル」(cidre)の名前で親しまれ始めているこのお酒ですが、まだまだ国内での認知は低いのが現状です。
そこで今回キリンビールと実施したのが、メーンターゲットである高感度な20~30歳代の女性が集まる、トレンドの発信地・表参道でのポップアップストア「OMOTESANDO CIDRE by KIRIN HARD CIDRE」でした。
「表参道」という、地の利を生かす
実施期間が7月4日~8月22日と、ポップアップストアとしては長期間の展開であったため、もしかしたら表参道で目にした方もいらっしゃるでしょうか。
表参道交差点から徒歩1分という圧倒的な好立地を生かし、電通クリエーティブ局とも連携して建物そのものをOOHとして活用しました。表参道駅内・表参道ヒルズのOOHと合わせて、表参道全体での盛り上がりを訴求しました。
徹底したターゲット目線の、細やかな「おもてなし」アプローチ
ブランド認知を上げるためには、当然ながら、分かりやすくロゴを掲出したり広告を出すことが、一番リーチが早いのですが、今回は「ブランド目線」「モノ目線」ではなく、「ターゲット目線」でつくり上げるということを、クライアントも含めたチームでこだわり抜きました。
サーバーの形状からスタッフの衣装まで、ブランドを押し付けるのではなくお客さまに「かわいい」「素敵」と思っていただき、その先にブランドが見えてくる、という構造を大切にしました。
飽きさせないイベントでの仕掛け
前述の通り、ポップアップとしては長期間の展開であったために、お客さまを飽きさせないための仕掛けが必要でした。そこで、7月後半からは毎週火曜日にミニイベントを実施しました。
イベントがお客さまを呼び込むためのフックとなり、また、継続的なPRのネタとなり、期間中常に盛り上がっている状態をつくり上げることができました。
SNSにもたくさんの楽しそうな写真が投稿され、話題を喚起することができました。
最後に
見た目にもかわいらしいメニューやフォトスポットなどを用意していたおかげで、常にお客さまが自分のスマホで写真撮影をしている光景をつくることができました。
皆さんのタイムラインにも、何らかの形で「OMOTESANDO CIDRE by KIRIN HARD CIDRE」が流れていたらうれしいです。
次回は、空間&メニューの監修をしていただいたトランジットジェネラルオフィスの甲斐政博さん、本プロジェクトの統括プロデューサーであるCDCの間宮洋介さんと私、小山沙織が鼎談します。