Experience Driven ShowcaseNo.42
8度目のAnime Festival Asia Singapore が開催。
2015/12/17
11月27~29日、東南アジア最大級の日本ポップカルチャーイベント「アニメフェスティバルアジア シンガポール2015」(以下AFA)が開催されました。2008年に当社子会社の電通シンガポールなどが主体となってスタートした本イベントに、電通として2013年から出資しています。今年も約9万人を動員し、大盛況のうちに幕を閉じました。今回はAFAのさまざまな取り組みをレポートします。
編集構成:金原亜紀 電通イベント&スペース・デザイン局
■開場前
開場前の長蛇の列が恒例となっているAFA。今年もたくさんの来場者が集まり、オープンと同時に目当てのブースを目指して会場に流れ込む、活気のあるスタートが見られました。年に1度のイベント開催前は、SNS上でも来場を心待ちにするシンガポールの人々の交流が盛んになっていました。
■ステージ(昼)
昼の間は、展示会に隣接するメーンステージでコスプレなど各種コンテストやゲストの登壇、最新アニメの上映会などが実施されました。また今年度の試みとして、吉本興業の芸人のパフォーマンスをAFAで初めて実施。現地の来場者になじみ深いアニメにひも付いたネタを、あえてたどたどしい日本語英語でやりとりするパフォーマンスは、来場者に大変受けていたのが印象的でした。来場者が日本語で掛け声・メッセージを投げかけるシーンも多く見受けられました。
■コンサート(夜)
夜には、東南アジアで最大規模の複合J-POPアーティストライブが実施されました。AFAといえばこのライブコンサートが有名ですが、今年もアーティストのウェブ告知後には前売りのコンサートチケットが完売状態。当日もファンの熱気に包まれ、著名なアーティストを前にして来場者は蛍光ライトを片手に盛り上がりを見せ、アーティストもその盛況ぶりに最大限のパフォーマンスを披露しました。
■展示エリア
コンサートが目当ての来場者の多いAFAですが、メーンステージに隣接する展示会エリアも、たちまち人の波で身動きのとれないほどになります。好みのアーティストやコンテンツが出るステージの合間に回遊しようという来場者も多くいますが、各ブース出展社の限定品を購入しに朝早くからオープンを待っていた人、好きなアニメのコスプレをして出展社の提供するフォトスポットで撮影する人など、目的はさまざまです。
また、昨年度AFAで取った来場者調査アンケートでは、「日本」に対する興味関心の高さが分かります。ジャパンブランド調査(シンガポール実施分)と比較すると、若年層割合が多いこともあり特徴的な数字が出ていますのでご紹介します。
・訪日経験は44.3%。その中でも「1回」という人が多い(24.3%)。
・訪日意向(「1年以内に渡航する予定がある」+「日程は決まっていないが、いつか行きたいと思っている」)は89.2%と高い。その中でも「いつか行きたいと思っている」人が多い(59.4%)。
・訪日のきっかけとしては「長期休暇がとれたら」(64.6%)が最も高いが、「好きなアニメや漫画のイベントがあったら」(41.2%)の他、プロモーション、安い日本へのツアーなど金額的なお得感があると行きたくなる傾向がある。
・「優れている」と思うものでは、「アニメ・漫画」「コスプレ」「ゲーム」などコンテンツ関連が上位を占めている中で、「日本食」が4位にランクイン。特に「日本産の食材」や「日本のお菓子」への興味関心が高い傾向。ジャパンブランド調査(シンガポール)と比較すると全体的にスコアが高く、日本に対する評価が高いことがうかがえます。
■ピクシブとの連携
また、日本を代表するイラストSNS「pixiv」や世界最大級のコスプレSNS「Cure WorldCosplay」、アイドルグループ「虹のコンキスタドール」を運営するピクシブと連携。「Cure WorldCosplay」ではAFAで撮影された写真をアップしてもらうための公式ページを立ち上げました。ミニステージでは「虹のコンキスタドール」がライブや交流会を実施。イラストレーターやコスプレーヤー、声優、振付師を目指すアイドルで、アニメやアニソンを核としたAFAとの親和性も高く、来場者に大人気。日本アイドル文化のさらなる浸透が期待できました。
次回は、共同出資者であり、現地で日本のポップカルチャーやコンテンツの紹介などを手掛けるSOZOの代表取締役ショーン・チンさん、興行の企画・制作を行うZeppライブの土屋佐知子さんと共に、ピクシブ副社長の永田寛哲さんをお迎えして座談会を行います。