2016年デジタルの10大潮流No.2
広告に挑む新たな存在
2016/02/05
前回に引き続き、電通イージス・ネットワークCaratの「TOP 10 TRENDS」から2016年の大潮流を紹介します。
広告の機能の仕方や、無料コンテンツにおける料金設定、さらには広告付き無料コンテンツに対するユーザー評価の変化など、広告を取り巻く新たな課題が次々に現れている。
主な要因としてまず挙げられるのは、有料会員が690万人に達したNetflixの台頭だ。広告を伴う無料コンテンツから、広告なしの有料コンテンツへと、ビジネスモデルの潮流を変化させた。今や会員は、1世帯当たり2時間の広告不在のコンテンツを視聴している。AmazonプライムやSkyのNOW TV、YouTube Redといったサービスが、同様のビジネスモデルで追随する。
もう一つの要因は、無料で簡単にインストールできるアドブロックアプリの浸透。ユーザーの目的は、視聴体験の向上、データ取得時間の短縮、追跡されることの回避、そしてモバイルにおいてはデータ通信料の節約だ。明確なデータはないものの、世界ではすでに数百万人がウェブ上の広告表示をブロックしているものと思われる。
広告主はターゲットに広告が確実に視聴されるよう、戦略的に動かなくてはいけない。アプリ上の広告や、ネイティブ広告などのメディアと親和性の高いコンテンツは、ブロックされる危険性が低い。
自分たちのメッセージに消費者が興味を持ってくれることを確信した上で、コラボレーションやスポンサードも有効な施策となる。広告主のブランド自らパブリッシャーとなるのも一案だろう。