2016年デジタルの10大潮流No.5
アルゴリズム vs キュレーション
2016/02/10
前回に引き続き、電通イージス・ネットワークCaratの「TOP 10 TRENDS」から2016年の大潮流を紹介します。
アルゴリズムの進化は、よりパーソナルなニュース配信や、文脈を正確につかんだ検索結果に生かされている。その一方で、音楽検索やショッピングなどの趣味やセンスが重要な領域では、人間によるキュレーションが改めて注目を集めている。
TwitterのMomentsでは、編集チームや協働するメディアが注目度の高いテーマごとにツイートをキュレーション。アカウントをフォローしていなくても、話題のトピックスのツイートが閲覧できる。
アップルミュージックのラジオステーションBeats 1は、Spotifyのようにアルゴリズムに頼るのではなく、人気DJたちが楽曲を発掘しキュレーションして届けてくれる。
Pinterestはアプリ上にキュレーションストアを設け、ピンの数だけに頼ることなく本当に良いと思える製品を集めて紹介する。
Eton MessyのようなYouTubeチャンネルは、楽曲をコンピレーション。ポッドキャストのRadiotopiaはラジオショーを提供。ジャーナリズムの分野ではLong Readsがキュレーションされた質の高いコンテンツを供給している。
キュレーションはスキルであり、対価としてのコストが発生する。広告主にとってもスポンサードなど大きな可能性を秘める領域だろう。
信頼性を醸成し、消費者の注意を引き付けることが期待できるため、特にまだ知名度のない新しいブランドにとってはSEOに代わる施策として有効だ。新製品のアピールに、キュレーションは重要な役割を果たすだろう。活用する際には、キュレーターを尊重する姿勢が求められる。