2016年デジタルの10大潮流No.6
地図テクノロジーは最強の武器となる
2016/02/11
前回に引き続き、電通イージス・ネットワークCaratの「TOP 10 TRENDS」から2016年の大潮流を紹介します。
世界中でモバイル化が進み、地図・位置情報サービスの重要性が増している。アプリごとに閉ざされたエコシステムが構築されつつあり、例えばGoogleマップでユーザーは使い勝手に合わせて地図をカスタマイズできるが、その元となっているデータをいじることはできない。
独自の地図情報サービスをそのエコシステムと共に構築できれば、企業にとって大きな強みとなるだろう。優位性やニーズに合わせて機能や特徴が設計された地図サービスは、競合との差別化を図る武器となり得る。
今や自動車の4分の1にカーナビゲーションシステムが標準搭載されているが、その割合はさらに増えるだろう。将来自動運転が実現すれば、地図情報サービス技術がますます重要になるのは明らかだ。高級車メーカーのダイムラー、BMW、アウディが協働するコンソーシアムは、昨年8月、通信機器大手ノキアの地図情報事業を買収した。地図・位置情報サービスの強化で差別化を図り、この領域でGoogleと競う構えだ。ちなみに、FacebookやUber、Baiduも入札に名を連ねていた。Uberは11月、オランダのナビゲーション機器大手TomTomと提携している。
アップルもまた、地図情報技術を持つベンチャーなどを次々に買収し、Googleのストリートビューのような独自の地図ソフトの開発を進めている。アップルのデバイスでは、純正の地図サービスがGoogle マップの3.5倍使われているそうだ。
その他では、Googleは他社のサービスに、目的地までの距離や予想到着時刻をGoogleマップ上に表示する機能を組み込めるよう公開している。新住所表記システムwhat3wordsは、覚えやすい「住所」で全地球上を正確に特定する。
地図サービスはますますクローズドな存在となり、広告主は複数の主要サービスで別々にプレゼンスをアピールしなくてはいけない。
消費者は買い物に出かける時に地図を見る。広告主は特定エリアをターゲットとするジオターゲティングなどで、消費者が出掛ける計画を立てている段階から戦略的にアプローチするのが有効だ。