ユネスコ世界寺子屋運動レポートNo.2
「タンス遺産」が世界遺産を救う!?
未使用切手、プリペイドカード、書きそんじハガキの有効活用術
2016/03/24
電通グループが社会貢献活動として12年間サポートし続けている、ユネスコ世界寺子屋運動「書きそんじハガキプロジェクト」。書きそんじたハガキ1枚が47円の募金になり、世界に5800万人いる教育の機会に恵まれない子どもや、6人に1人といわれる読み書きのできない15歳以上の人たちのために、「学びの場=寺子屋」を世界に広げていく運動です。
このプロジェクト、実はハガキだけではなく、未使用切手や商品券、使っていないプリペイドカードも対象になるんです。往々にしてタンスの奥に眠っていたりするこれらをまとめて、プロジェクトでは「タンス遺産」と呼んでいます。
今日はプロジェクトの広報特使「まなびゲーター」の久保純子さんと、応援キャラクターのタンス遺産3兄弟「書きそんジロー」「貼りそんジロー」「使いそんジロー」、電通総務局社会貢献部の野村朗子が集合し、タンス遺産で世界遺産・アンコール地域の寺子屋をつくったエピソードなどを紹介します。
2016年3月22日、 アンコール地域に15校目の寺子屋が完成!
タンス遺産3兄弟とアンコール地域の子ども
久保:例えばカンボジアでは11枚の書きそんじハガキか、未使用の切手やプリペイドカード500円分で1人が1月寺子屋に通える募金になるんですよね。
野村:そうなんです。プロジェクトが始まって以来25年間で学んだ人数は43カ国1地域で約130万人になりました。
久保:皆さまのご協力のおかげで、寺子屋も世界に約520棟が建設され、その運営も少しずつ自立してきています。
この3月22日に、アンコールワットのあるカンボジアのシェムリアップ州に、プロジェクト15校目になる寺子屋が完成しました。
野村: 7.5万枚の書きそんじハガキが、立派な寺子屋になりましたね。
久保:私もタンス遺産3兄弟と現地を訪れました。今まで子どもたちは「夢」という言葉さえ知らなかったんです。寺子屋に通うことで将来の夢を持ち、いきいき勉強を楽しんでいます。みんなすてきな笑顔でしたよ。
自分の子育てを通じて教育の大切さを実感したこともあって、学ぶことは夢を持てることだと、強く共感をしました。
タンス遺産で世界遺産を救いたい
タンス遺産3兄弟:ぼくたちは寺子屋で夢をつくった人に出会いましたよ! 世界遺産のアンコール遺跡「バイヨン寺院」の彫像修復の仕事をしているロイさんは、寺子屋の識字クラスで勉強したことで計算ができるようになり、石の長さを測れるようになったり、修復事業に役だっています(※)。
※バイヨン寺院の彫像修復事業は、JASAが技術協力する、JST<カンボジアのNGO>との共同事業です。寺子屋への募金ではなく、世界遺産募金で運営されています。
そんなロイさんが、こちらです。
タンス遺産、眠っていませんか?
野村:昨年はタンス遺産の回収が目覚ましく伸びた年でした。切手とプリペイドカードが前年の54倍! たくさんの支援の輪が広がっています。
今年の中間集計結果では、書きそんじハガキ29万枚、未使用切手やプリペイドカードは約100万円分が集まっています。
ハガキ以外のアイテムも支援になることをお知らせしたくて、「タンス遺産3兄弟」ムービーもつくりました!
https://www.youtube.com/watch?v=VmEPvjTnJf4&feature=youtu.be
久保:春は引っ越しや新生活のシーズンですから、皆さんの家に眠るタンス遺産も発掘されそうですね。
タンス遺産3兄弟:もし発掘されましたら封筒に入れて、住所、お名前、ハガキ枚数をご記入の上、下記まで送ってください。
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-3-1 朝日生命恵比寿ビル12F
日本ユネスコ協会連盟 書きそんじハガキT係 宛
※未投函、未使用のものに限ります。宛先不明で戻ってきたハガキは対象ではありません。
※商品券、ビール券などの金券類でも可。
※通年回収していますが、1~3月は年賀状の書きそんじハガキ回収強化月間です。
日本ユネスコ協会連盟
「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」(UNESCO憲章前文から)。このUNESCO(国際連合教育科学文化機関)憲章の理念に基づき、民間ユネスコ協会の連合体として、1948年に創設されたNGO(非政府組織)。日本ユネスコ協会連盟は、全国280のユネスコ協会とともに活動を展開している。