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待っていても、はじまらない。―潔く前に進めNo.1

あなたは潔い人ですか?

2016/09/01

皆さん、はじめまして、阿部広太郎と申します。
僕は今、電通第2CRプランニング局、そして、ビジネス・クリエーション・センターの未来創造室に所属し、コピーライターという仕事をしています。
2年の歳月をかけて、この夏、完成したのが書籍『待っていても、はじまらない。―潔く前に進め』(弘文堂)です。

四六判、208ページ、定価:1600円+税、ISBN:978-4-335-55181-9
書籍の詳細はこちら
 

今回、刊行記念として、コラムを書く機会を頂きました。
仕事で迷ったり、もやもやしたりもする。それでも自分らしく前向きに働いていきたいと願う全ての人の背中を押せたらと思って書き上げたのが本書です。
初回は、どうしてこの本を書こうと思ったのか、その動機について書きたいと思います。

 

どの業界、どの仕事でも、順番待ち。

今、どの業界、どの仕事でも、順番待ちが起きているといわれています。大御所の方たちがまだまだ現役で活躍している。すると若手にチャンスが回ってこない。それだけではありません。周りと自分を比較して、一喜一憂して、心のエネルギーが奪われていく。じりじりとそんな状態が続いていく。時代が激しく変化する中で、先輩たちの背中を見つめて、じっと待っているべきなのか。同期と比較をして、自分の立ち位置を見つけていくべきなのか―。

かつての僕こそが、その状態でした。2008年、電通に入社早々、配属されたのは人事局。そこから試験を受けて翌年、クリエーティブ局へ。コピーライターの肩書を持ち、仕事に取り組んできました。書いて、書いて、書きまくって、自分という存在を見つけてほしくて広告賞の受賞を目指し、たくさんの先輩たちの背中を見つめながら、いわゆる広告業界にどっぷりとつかってきました。

 

待つのではなく、動く。リアクションではなく、アクション。

ぎゅうぎゅうの世界の中で、列はゆるやかに進んでいく。ある時、僕は思いました。「このままでいいのだろうか?」。この順番待ちの状態を自分はどうするのか。ちょっと考え方を変えてみると、僕たちの「待ち時間」は、僕たちの「持ち時間」でもある。自分の持ち時間を、どう使うかは自由のはずです。

だから僕は、列の先頭にいる大御所の方たちから、「一緒に仕事をしよう」と選ばれることを待つのをやめました。待つのではなく、動く。リアクションばかりをするのではなく、アクションを起こす道を選びました。

 

自分の手と足を動かして、人に会いに行く。

恥をかいたとしても、思いを伝える。

どんなに小さな仕事でも、ひとつずつ形にしていく。

何もかもを得ようとするのではなく、自分の大切にしたいことを定めて、潔く前に進んでいく。

自分の道は、自分でつくる。

 

具体的にどう行動を起こしたのかは本書に説明を譲りますが、自分は何のために働いているのかを言語化し、一歩を踏み出したその瞬間に、生きている実感が湧いてきました。
本当は、自分の年齢や会社の年次に遠慮する必要はないのだと思います。人の役に立てる事がひとつでもありさえすれば(僕にとってはそれがコピーでした)、待っているだけではなく、できることは山ほどあるはず。そのことを僕は広告業界で、自分の道を見つけ、つくりながら感じてきました。

 

どのように潔く前に進んできたのか。

では、他の業界の方はどうでしょうか? 働き方、もっというと生き方について、同世代の方たちは、どう働き、どう道をつくってきたのか気になりました。その話を伺えたら、きっと誰にとっても潔く前に進むためのヒントになるはず。そう考え、6人の方と対談を実施。それぞれの対談から見えてきたテーマを元に、僕が現在の働き方に至るまでのエピソードを書きました。

● 夢を動かす × 脚本家 渡辺雄介
● 何者かになる × 作家 白岩 玄
● はみ出る仕事 × 映画監督 松居大悟
● つながる姿勢 × 芸人 芦沢ムネト
● 居場所を増やす × 社会学者 古市憲寿
● 生き方をつくる × 漫画家 清野とおる

この本に書かれた話が、読んでくださったあなたの背を押し、大切にしたいことを目指して、潔く前に進んでいける。そんな気持ちになってもらえたら、僕はとても幸せに思います。
あなたは潔い人ですか? そうだとしても、そうでなかったとしても。前に進もうとする人がさらに力強く踏み出せるよう、コラムの連載を始めます。

次回以降、対談相手の皆さんがどのように潔く前に進んできたのか、ご紹介していきます。待っていても、はじまらない。よろしくお願いします。