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電通には一見メチャクチャな方法論がある

ろーかる・ぐるぐる №100

  • 山田 壮夫

2017/01/26

電通には一見メチャクチャな方法論がある

「経営コンサルタント」という職種が、なぜ今日も機能しているのか? それは「経営を科学する」というコンセプトと「ロジカル・シンキング」という方法論が明解だからです。

一方「経営にクリエーティビティーを」というコンセプトは魅力的です。でもそこには「ロジカル・シンキング」と異なる、ビジネスパーソンが広く使える、どんな方法論があるのでしょう?

アイデアづくりやクリエーティビティーは、そのプロセスが一見メチャクチャのグチャグチャ。だからなのか、よくクリエーター個人の能力やコツとして説明されます。電通社内ですら「クリエーターには、それぞれのやり方があるから」という人が少なくありません。しかし本当にそれは、おのおのバラバラな「個人芸」なのでしょうか? そこに共通する方法論はないのでしょうか? ビジネスとアイデアづくりの関係は、そんなにフワフワとしたものなのでしょうか?

こっそり100回を迎えた本連載。それもこれも、ひとえに読んでくださる皆さまのおかげです。本当にありがとうございます。

よくそんなに書くことがあるねと笑われますが、ぼくの根底にあるのは、広告会社の最大の強みである「クリエーティビティー」の方法論が、なんとも曖昧であることに対する危機感です。

SECI
SECI

大きな転機となったのは10年ほど前。改めて野中郁次郎先生の『知識創造企業』を読み返した時でした。「あれ?組織がイノベーションを起こすSECIという理論。これって毎日ぼくらがやっていることじゃん!」

いろいろなバックグラウンドを持つメンバーで構成される、権限移譲されたプロジェクトチームが、かんかんがくがくの中から (=Socialization) 、コンセプト/ビッグアイデアを生み出し(Externalization)、それに従って具体策をつくり(=Combination)、世の中へ送り出す(=Internalization )。頭文字をつなげてSECIという4段階のプロセスです。もちろん自動車会社でも、製薬会社でも、「いざ新商品開発のため」となればこういうやり方を採用することもあるでしょう。でもキャンペーンづくりの現場はほとんど毎日、こればっかりです。オーバーに言えば「世界中のあらゆる産業の中で、電通がイノベーションを起こす方法論(=SECI)を一番使っているかも」と気が付いたのでした。

ぐるぐるの図
 

それでつくったのが「ぐるぐる思考」。組織の方法論であるSECIをベースに、個人がコンセプトやアイデアを創出する頭の使い方をまとめたものです。これによって一見メチャクチャなクリエーターのアプローチが整理され、すべてのビジネスマンがイノベーションを起こしたいときに使える方法論(のとば口)をお示しできたのではないかと思っています。

『〈アイデア〉の教科書』
『〈アイデア〉の教科書』
『コンセプトのつくり方』
『コンセプトのつくり方』

もちろん「ぐるぐる思考」で何もかも解決するわけではありません。まだまだ未整理のところもあります。それでも1冊目の著作から2冊目『コンセプトのつくり方』にかけて少しずつ進化させたように、今後も継続的に、実際の現場で理論を活用し、改善を加えてまいります。

電通には「経営にクリエーティビティーを」を実現するユニークな方法論があります。どうぞ達成したいビジョンと予算、そして御社の精鋭部隊を預けてください。3カ月でイノベーションを起こす事業計画を立ててご覧にいれましょう!」という話にご関心のある経営者がもし、いらっしゃったら、どうぞお声掛けください!

食べ物関連でも、もちろん食べ物以外でも。

酒と肴

いかん、いかん。

100回の節目で、ついついリキんじゃいました。ダサいなぁ、ごめんなさい。反省会はいつもの居酒屋でポテサラにビール。サラリーマン生活は楽しいことばかりではないけれど、仕事に理想を持てて、実際にチャレンジができて、たまにうまい酒を飲めれば十分ですよね。ということで、これを区切りとせず、こっそりこのコラムも続けてまいります。

どうぞ、召し上がれ!