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2017年デジタルの10大潮流No.10

ソフトウエアからハードウエアへ

2017/02/22

前回に引き続き、電通イージス・ネットワーク、カラの「TOP 10 TRENDS」から2017年の大潮流を紹介します。

 
Echo
人工知能Alexaを搭載した音声認識デバイスAmazon Echo

ソフトウエアからハードウエアへ

ソフトウエアで名を知られたネット専業企業が、続々と独自のハードウエア製品を生産し始めている。

自社ソフトウエアが要求する技術ニーズを完璧に満たす、あらゆる面で制御可能な製品が必要だという思いが、その事業拡大の原動力となっている。

Appleが成功した理由のひとつは、画面サイズ、メモリー、セキュリティーなど、自社の技術のあらゆる部分を制御していることにある。そして今、他社も同レベルの制御を望むようになっている。

2007年、Amazonはその最初のハードウエアであるKindleを製造した。同社は最近、フィジカル(物)に重点を置いており、半年のうちに音声制御端末EchoとDash Buttonを相次いでリリースした。

Googleは、これまでその技術を使った製品の製造を他社に依存していたが、現在はスマートフォンPixelと音声制御式のコネクテッド・ホーム・デバイスGoogle Homeという二つの自社ブランドを世に送り出した。また、Nestなどのハイテクハードウエア製造企業も買収した。

GoogleHome

音声認識デバイスGoogle Home

Nest

家全体を温度管理するNest。スマートホームのハブとして機能する

Snapchatは、ビデオを10秒撮影録画できるサングラスタイプのウエアラブルカメラ、Spectaclesの発売を発表した。自分の視点でワンタッチで撮影した映像をすぐにシェアできる。

ちなみに同社は昨年9月にSnapchatから社名をSnapに変更した。ウェブサイトで「Snap Inc.はカメラ会社です」と強調している。

Uberまでもが独自の自動運転車を開発中だ。

SnapchatのSpectacles
SnapchatのSpectacles

これら企業は、IoT(モノのインターネット)というエコシステムを所有することに意欲を燃やしている。家の中で、どのオペレーティングシステムと通信するかを決定しているIoTデバイスだ。

例えばAmazonは、Dash Buttonの開発によって大手消費財メーカーとの新しいパートナーシップを獲得、取り扱いブランドを拡大している。

ブランドへのヒント

・ハードウエアはさまざまなソフトウエアを生み出す。ちょうどiPhoneが世界で最も成功したモバイルゲームと評されるAngry BirdsやInstagramをもたらしたように、新たなデバイスは新たなアプリやチャンスにつながる。

・ブランドは、最大規模のエコシステムと連携するだけでなく、将来有望な人材の確保にも努めなければならない。

・ハードウエアは、ソフトウエア企業のブランドエッセンスを示すものであり、企業が明確なビジョンを持ち、それに注力することがどれほど重要であるかを、私たちにリマインドしてくれている。