現代シニアの変化をとらえよ!No.2
淡々コンサバ?アクティブトラッド?身の丈リアリスト?
2017/03/09
前回は、新旧シニアの比較や現在どのようなタイプのシニアが存在するのかをご紹介しました。前回、シニア判定チェックリストにトライしていない方、55歳~74歳の親や上司・同僚、親戚がいる方、もしくはご自身が対象となる方は、判定チェックしてみてください。
最も多くチェックがついたブロックが、その人のタイプを表しています。
今回はその中でも、存在がすでに認識されている従来型シニアの3タイプ(淡々コンサバ、アクティブトラッド、身の丈リアリスト)に焦点を当て、彼らが何を求めているのか、どんな言葉が響くのか、などを『新シニア市場攻略のカギはモラトリアムおじさんだ!』をベースに、解説していきます。
望みは現状維持!淡々コンサバ
最も伝統・保守的な価値観を持ち、積極性の低いタイプになります。このタイプは、皆さんが思い浮かべる典型的な高齢者やお年寄りのイメージに近いかもしれません。
彼らの価値観の特徴は、変化を好まず、現状維持の生活を望み、今の生活が「淡々」と続いていくことが幸せだと感じているところにあります。
「安全」や「品質」「健康」といった言葉に引かれる傾向があります。
なお、図表のグラフは価値観の中で、シニア全体の平均値からプラスまたはマイナスに大きく乖離している項目になります。
インタビューを通じて「淡々コンサバ」の方にお会いしてみると、語られるのは平凡な毎日で、とにかく現状に満足をされています。また、保守的な価値観を持ち「世間の目」を気にしている様子もうかがわれました。
夫婦関係では、男性はマイホームパパが多く、女性は夫を立てて従ってきた良妻賢母型で、伝統的な家族観が根付いたタイプです。孫が生きがいという人が多い傾向も見られました。
悠々自適な富裕層!アクティブトラッド
従来型シニアタイプの中では、積極的な行動が見られます。彼らの多くが金銭的に余裕がある中でリタイアをしていています。しかも、時間も十分にありますので、昔ながらのお金持ちのシニアのイメージに近い存在といえます。
夏休みになれば子ども夫婦や家族とともにリゾート地で楽しみ、日々の買い物は大手百貨店で、伝統があり昔からなじみの深いブランド品を好んで選ぶ、といったような「悠々自適」なライフスタイルを好みます。「洗練」や「上質」といった言葉が効果的です。
お会いしてみると、夫婦単位、家族単位での行動を好む傾向があり、友人付き合いにおいても夫婦で出向くことが多いことが分かりました。
購買面では、子どもや親しい友人など身近な人からの推薦があれば、例えば最新デジタル機器の購入や利便性を考えて戸建てからタワーマンションへ住み替えるなど、新しいものを拒絶せず取り入れる意欲があるのも特徴です。
お金が判断基準? 身の丈リアリスト
伝統的なシニアタイプの中では、考え方は新しくもなく、保守的でもない、中間的なタイプになります。
最大の特徴は、「お金」が重要な判断基準になっている点です。やりたいことはたくさんあるけれど、何かと「お金がない」という理由であきらめてしまいます。ただし、お金がないというのは自己イメージだけであって、金融資産はシニア全体の平均よりも高く、お金が実際にないわけではないんです。
実際にお会いしても「お金さえあれば・・・」というのが、口ぐせのようによく聞こえてきました。
彼らの楽しみは、限られたお小遣いの中で好きなものを消費する「プチぜいたく」で、積極的ではないものの、理由があればキチンと消費はします。
響くフレーズでは「役に立つ」「合理的」などに加え、「お得」が挙げられます。
家族観はリベラルかつドライ。配偶者とは付かず離れずで、人付き合いがあまり得意なタイプではありません。
上述のシニアのタイプ判定チェックリストで右側のD~Fいずれかのブロックにチェックが多かった人は「新型シニア」。生活に変化や刺激、新しい情報を求める人々です。次回は研究により新たに発見された新型シニアについて、どんな人々で、何を求め、どんな言葉が響くのかなどを紹介していきます。