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現代シニアの変化をとらえよ!No.3

孫が命のシニアばかりじゃない!新型シニアの3タイプって?

2017/03/16

あなたの親は、上司はどんなタイプ?判定チェックリスト

前回、シニア判定チェックリストにトライしていない方、55~74歳の親や上司・同僚、親戚がいる方、もしくはご自身が対象となる方は、判定チェックしてみてください。

シニア判定チェックリスト

 

最も多くチェックがついたブロックが、その人のタイプを表しています。

シニアの6タイプ

左側のA~Cいずれかのブロックにチェックが多かった人は「従来型シニア」。若い年代の人に比べると伝統的で保守的な考え方を持つ人々です。

一方、右側のD~Fいずれかのブロックにチェックが多かった人は「新型シニア」。生活に変化や刺激、新しい情報を求める人々です。

前回は、「従来型シニア」の3タイプをご紹介しましたが、今回は近年になってその存在が顕在化してきた「新型シニア」3タイプ(ラブ・マイライフ、社会派インディペンデント、セカンドライフモラトリアム)について、その特徴を解説します。

この人たちを見逃していては、今のシニアは語れません。なお詳細については『新シニア市場攻略のカギはモラトリアムおじさんだ!』をぜひご一読ください。

 

【自分のために積極消費 ラブ・マイライフ】

最も積極的に行動し変化や刺激を好む人たちです。まさにセグメント名称の通り、自分の人生を愛し、充実させるために積極的に行動し、お金も使います。

新しいモノが大好きで情報通、流行にも敏感でハイブランドを好みます。とにかく消費意欲が旺盛で、自分の好奇心を満たすためにちゅうちょなく消費します。

残りの自分の人生を最優先に考えるこのタイプは、シニア消費を語る際に必ずといっていいほど出てくる「孫消費」にそれほど関心を示しません。孫がいる人でも、孫のための出費よりも自分のエイジングケアや趣味活動にお金を費やします。もちろん孫はかわいいのですが、孫が命のシニアばかりではないのです。

ラブ・マイライフ タイプ

インタビューでお会いした女性(65歳)は、若い女性も好むセレクトショップで買った服に流行のブランドバックとアクセサリーを身に着けて、さっつそうと登場しました。

なお、このタイプは「本格的」「革新的」「アクティブ」「カスタマイズ」といったフレーズに心引かれる傾向が見られます。

 

【楽しみながら人に尽くす 社会派インディペンデント】

このタイプも積極的に行動し変化や刺激を好みますが、消費や時間の使い方などあらゆる意識や行動が、結果的に「自分」に向けられているのがラブ・マイライフなのに対し、「他者」に向けられているのがこの社会派インディペンデントです。

人とのつながりを重視し、新たな人脈を築くこと、世代を超えた交流などにも意欲的です。常識にとらわれず情報収集にも積極的で、新しいものも柔軟に取り入れつつ自分の考えを強く持っています。

社会派インディペンデント タイプ

歳を重ねるにつれ社会への貢献意識は上昇していくとよくいわれますが、社会派インディペンデントはその典型で、「エコ」「ロハス」「ボランティア」「ノンプロフィット」「フェアトレード」といった言葉に反応します。実際にお会いした中では、「みんなが集えるコミュニティーカフェを開きたい」「20~50代のボランティア仲間と幅広く交流している」などのコメントが印象的でした。

また、新しいことに積極的な点はラブ・マイライフと同じで、40代からヒップホップを始めた人もいました。配偶者や孫、友人に完全に依存しない点も同様です。

 

【第二の人生模索中 セカンドライフモラトリアム】

このタイプは変化や刺激を好む新型シニアの中では唯一、行動が慎重で控えめです。前述のラブ・マイライフと社会派インディペンデントは「新型アクティブシニア」なのに対し、セカンドライフモラトリアムは「ポテンシャルシニア」と位置付けています。

行動が控えめなので目立たず注目されにくいですが、実は消費をはじめさまざまな面でポテンシャルが高く、しかもシニア全体の約3割を占める最大派です。

このタイプに特徴的なのは戸惑いの強さです。社会に取り残される不安が強く、人とつながりたいがどうしたらよいのか分からないという思いを抱えています。その名の通り、これからの人生をどう過ごしたらよいのかを模索している人々なのです。

若かりし頃に企業戦士や会社人間といわれた人たちがシニアになり、今まで誇りを持ってやってきた仕事や築いてきた立場がリタイアにより失われることを恐れたり、既に失って次はどうしたらよいか迷ったりしている。それがセカンドライフモラトリアムの典型的な姿です。

なお、男性をイメージされる方が多いと思いますが、当然ながら女性も存在し、このタイプでの男女比は半々です。交友関係が広くなく社会に取り残されていく不安を感じている点は男女共通です。

セカンドライフモラトリアム タイプ

人付き合いの幅が狭いので、配偶者への依存度合いは比較的高くなりがちです。インタビューの中で、旅行に行くとしたら誰と行きたいか?という問い掛けに対して、「夫婦で行きたい」と答えた女性が唯一見られたのが、このセカンドライフモラトリアムです。男性にとっては不本意な話かもしれませんが、他のタイプの女性からは「友達と」「娘と」「(夫婦だけでなく)子ども夫婦や孫と一緒に」といった発言ばかり挙がったことを付け加えておきます。

一見控えめで、シニア市場活性化には無縁そうに見える「セカンドライフモラトリアム」ですが、われわれはこの人たちこそ、これからのシニアマーケティングにおいて重要なターゲットになると考えます。そして特にこのタイプの男性に着目し、親しみと愛を込めて「モラトリアムおじさん」と名付けました。

次の最終回では、この「モラトリアムおじさん」になぜ今着目するのか、そしてこのモラトリアムおじさんにはどういうアプローチが有効なのか、さらに解説していきます。