現代シニアの変化をとらえよ!No.1
あなたの親・上司のタイプを判定チェックしてみよう!
2017/02/21
ビデオリサーチの生活者研究部門「ひと研究所」では、当社保有の膨大な生活者データや知見を生かし、生活者に届くコミュニケーションの研究や、企業が抱えるコミュニケーション課題の発見・解決を行っています。昨年5月にもウェブ電通報で、多様な生活者を“考え方のクセ”でタイプ分類すると効果的にアプローチできることを紹介しました。
今回の連載のテーマは「シニア」※。ご存知の通り日本は世界トップの少子高齢社会で今や2人に1人が50歳以上になりつつある“オトナの国”。当然、マーケティングターゲットとして捉えていくべき人たちなのに、果たしてシニアを理解している人はどれだけいるでしょうか? 身近にいる自分の親や上司でさえよく分からないのが現状かもしれません。
※なお前提として、当研究所ではシニアを55~74歳と定義しています。
“高齢者”や“アクティブシニア”というくくりだけでは正しく理解できない現代のシニアにフォーカスを当て、その多様性とアプローチのヒント、これからのシニア市場で狙い目は誰かなど、2月に発刊した『新シニア市場攻略のカギはモラトリアムおじさんだ!』をベースに解説していきます。
アタマとカラダは10年前のシニアより10歳若い!
これを読んでいる皆さん、何となく感覚的に、今のシニアって昔の人たちに比べると若いよね、と思っている方も多いのではないでしょうか。
実はそのことは科学的にも証明されており、2015年に日本老年学会が「現代の高齢者は10~20年前の同年代の人々に比べ、身体機能・知力・健康状態などが5~10歳若返っている」という声明を発表しています。これは、同学会などが今年初めに出した「“高齢者”は75歳以上、65~74歳は“准高齢者”とすべし」という提言の元となっています。
*参考:日本応用老年学会 第29回学会総会シンポジウム(2015年6月)、日本老年学会・日本老年医学会 高齢者の定義と区分に関する提言(2017年1月)
ココロは実年齢よりマイナス8歳
頭や体が若返っているということは、気持ちも実年齢より若いはず。そう考え、気持ちの上では自分をいくつだと思っているかと調査で聞いてみたところ、実年齢が50代後半の人は平均48.7歳、60代前半は54.5歳、60代後半は58.8歳、70代前半は64.0歳と、どの年代も平均するとマイナス8歳という結果になりました。
その意識を端的に表しているのはファッションかもしれません。昔はあまり見かけることがなかったシニアのジーンズファッション、今は普通に見かけるようになったと思いませんか? データで確認してみたところ、1992年の60代は4人に1人しかジーンズを持っていなかったのに対し、2016年の60代は4人に3人が持っていることが分かりました。このように、頭も体も心も、想像以上に若くなっているのが現代のシニアです。
あなたの親は、上司はどんなタイプ?判定チェックリスト
心身ともに若くなっているのは共通項ですが、物事の考え方・捉え方は人によって違い、それが商品やサービス、メディアやデバイスの選択に影響しています。
例えば同じ孫がいる人同士でも、「孫」というキーワードが効くタイプと効かないタイプがいます。
あなたのお父さんお母さん、あるいは上司や同僚、親戚のおじさんおばさんでも構いません。身近にいる人を思い浮かべ、以下の項目で当てはまるものをチェックしてみてください。最も多くチェックがついたブロックが、その人のタイプを表しています。
左側のA~Cいずれかのブロックにチェックが多かった人は「従来型シニア」。若い年代の人に比べると伝統的で保守的な考え方を持つ人々です。
一方、右側のD~Fいずれかのブロックにチェックが多かった人は「新型シニア」。生活に変化や刺激、新しい情報を求める人々です。
A~Fの具体的なタイプの判定結果については、次回以降で紹介します。次回からは、従来型、新型それぞれ3タイプがどんな人々で、何を求め、どんな言葉が響くのかなどを紹介していきます。